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山の中にありながら時代の動きを確実に追跡する木曽路、馬籠宿。その本陣・問屋・庄屋をかねる家に生れ国学に心を傾ける青山半蔵は偶然、江戸に旅し、念願の平田篤胤没後の門人となる。黒船来襲以来門人として政治運動への参加を願う心と旧家の仕事にはさまれ悩む半蔵の目前で歴史は移りかわっていく。著者が父をモデルに明治維新に生きた一典型を描くとともに自己を凝視した大作。
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Posted by ブクログ
私は好きだ。こういう感覚になることは少ないが、まるで自分も幕末にタイムスリップしたかのような感覚になる。あと3巻どうなっていくのか楽しみ。
やっと、この文章にたどり着いた。 この本を手に取った動機はただ一つ、如何にして青山半蔵は座敷牢へと至ったかだ。 読まねばならぬ本は数あれど、やはり心の命ずるところに従おう。 ディランが、濁声でがなりたてている。 ``And it’s a hard, and it’s a hard, it’s a h...続きを読むard, and it’s a hard / And it’s a hard rain’s a-gonna fall '' (「激しい雨が降る」詩:ボブ・ディラン)
島崎藤村は文豪として知られるが、読書家の知人を見渡しても夏目漱石などと比べあまり読まれていないという印象を受ける。私自身島村には馴染みはなかったが、書店でふと目に止まりあらすじを見たところ引き込まれ、全4巻一気に読んでしまった。私が読んだ歴史小説の中で傑作中の傑作である。 夜明け前の主人公のモデル...続きを読むは平田篤胤の国学に心酔する宿場町の庄屋であり、「古き良き時代」を取り戻そうという志を胸に秘める。それはすなわち、武家政権を倒し古事記の時代にあるような王政を復古させるというものだった。一介の庄屋という高くはない身分の主人公であったが、勤皇の志士に便宜を図ったり草莽の志士たちが集う会合に出席したりして、彼は復古運動に密かに情熱を注ぐ。折しも幕末。開国によって社会が混迷を深める中、彼らの運動は多くの人々の心をとらえていった。 封建制の下諸藩に強い影響力を及ぼしていた徳川幕府の力も幕末の荒波によって地に落ち、ついに大政奉還によって待ち望んでいた「復古」がなされたかに見えた。しかし現実は思わぬ方向へと進む。西欧の文物が急速に流入し、国学を信奉する主人公の居場所は次第になくなっていったのだ。かれはやがて発狂し、その生涯の幕を閉じる。 島村は、本書に「夜明け前」という題名をつけた。近代化という夜明けの前にあった出来事という意味なのだと思う。しかし私は、この題名は、その響きのもつ芸術性は別にして、どうしても本質からずれているように思えてならない。本書は決して、近代化の直前にあった話という単純なものではないと思う。むしろ、近代そのものの話であるはずだ。近代化にとってどうしても必要だった何か、表立っては語られないが近代を影で成立させている何か、その「何か」が本書のテーマだと考える。いずれにせよ、「近代国家日本」が曲がり角に差し掛かっている今だからこそ、この作品は大きな意味を帯びるようになるだろう。
木曽路、馬籠本陣の主人青山吉左衛門の子、青山半蔵は、平田派の国学に心を傾け、平田鉄胤の門人となる。黒船来航により日本の有り様が大きく揺れ動き、尊王攘夷の気運が高まる中で、青山半蔵は自らのあり方や日本の国のあり方に思いを致す。 日本という国が、外からの圧力もあり、変革を不可避とされた状況の中で、平田派...続きを読む国学を理想に掲げた主人公青山半蔵は、どのように考え、生きようとするのだろうか。 時代は移り、明治維新を遠くすぎた現代もまた、変革を余儀なくされている状況に変わりはない。一市民として、理想とはなにか、時代の変化の中で個人の生き方はどうあるべきなのか。単なる過去ではなく、そこから何か普遍的に語りかけてくる声が静かに聞こえてくる。
武士が主人公ではない幕末の市井の人々の生活が瑞々しく描かれていて、司馬遼太郎とは全く違っていてとても新鮮に感じられた。人々のなにげない生活の中に今は失われてしまった美しさを見てしまう。決して浮つくことなく現実を冷静に見つめる人たちはどの時代にも存在するものだと実感した。
幕末から明治初期にかけての歴史を、下からの視点で描く。歴史上のヒーローの物語とは違う迫力を味わえる。結末が激しい。
幕末を市井の人が見たらどう映るのか。中山道馬籠、妻籠は鄙の宿場町だが、時代の波に洗われる。文体もシチュエーションも面白い。下巻が楽しみだ。
木曽路の妻籠を舞台にした江戸末期の歴史を考えさせられる一冊であった。当時の人には黒船が来航した時の恐怖、生麦事件が起きたときの動揺はどれほどのものだったろうか。ペリー来航、平田篤胤、牛方事件、ハリス、井伊大老、尊王攘夷、参勤交代等庶民目線で考えてみたい。
いうまでもなく島崎藤村の代表作。 日本文学史の中でも必ず触れられている有名な作品。 それだけに、読むのがなんとなく億劫だったが、読み始めると、意外に面白い。 傑作作品や有名な作品というのは、えてしてこんなもので、そういう評判をとるだけのことはあるのだ。 詩人として有名な島崎藤村の小説を読むのは...続きを読むたぶんはじめて。 堅牢で見事な日本語による重厚な作品。
主人公となるのは藤村の父。時代としては黒船到来の少し前から明治の始め頃まで。庄屋の目から見た御一新という時代小説としても面白いけど、狂うということの身近さや何が悪いということのないどうしようもない感じが怖くもあり哀しい。 二部構成で一部上下巻と長いのでとっつきにくいけれど、桜の実の熟する時や家など読...続きを読むんで外堀から埋めるのもいいかも。
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