島崎藤村のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
明けましておめでとうございます!
昨年暮れから読み始めて、本日までかかってしまいました。
主人公の丑松は師範学校卒の小学校教諭。子供の頃は何も意識していなかったが、活動家の猪子蓮太郎との交流を通して父の戒めの意味を知り、独り思い悩む日々を送る。その戒めとは穢多に産まれた自分の境遇を隠し通せというもの。
本編の後に当時の差別問題の記述があり、想像を絶するものがあっただろうと思います。
物語の9割は辛く苦しい内容で新年に読むには何度も心折れそうになりました。
猪子蓮太郎の死後、自分の境遇を打ち明けた後、学校はろくでもない校長たちに追い出されるも、最後は同期の土屋銀之助や猪子蓮太郎の妻たち -
Posted by ブクログ
恋愛至上主義の最高潮は結婚である
そう信じて夢のままに恋人と結ばれた詩人だったが
現実はそう甘くなかった
いくら理想をうたっても詩や評論では食っていけなかった
妻とも不和になっていった
自分は間違っていたのだろうか、そんな煩悶に襲われたときは
星空を見て、「大なる現実」に抱かれた自分を感じた
しかししょせんは現実逃避
その行きつく果てには、死によって内部生命を解き放ち
「大なる現実」に一体化する結末しかなかった
なぜちゃんとした仕事に就けなかったのだろう?
やはり「大なる現実」に抱かれる夢を見て
ヤングマン岸本捨吉は、ひとり漂泊を続けてきたのだが
詩人の死を知らされたのち
兄貴の事業が失敗