M W クレイヴンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ワシントン・ポーシリーズの2作目。
いわゆる続編のジンクスという言葉に真っ向から対抗できる傑作ミステリ。
前作に引き続き、ポーとティリーの掛け合いをはじめとした各登場人物のやり取りが面白い。ストーンサークルがそうであったように、今作も活字でありながら海外ドラマを見ている気分になるようなテンポの良い会話劇が繰り広げられていて、やっぱり好みど真ん中。人間関係の描写が濃かったね。ポーサイドも犯人サイドもみんな個性的なキャラクターになっているのも楽しめるポイント。今回はギャンブルが味方なのがちょっと嬉しいし、リグが良い。また出てきて欲しい。
徐々に判明していく内容から、ある程度の予想をしていたもの -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリージャンル初読。
遺体描写や犯行手口の残忍さにひるむし、地名や人物名も覚えきれず流し読みだけど、読み進むペースの速さから面白さを実感。
ティリー・ブラッドショーの描写が可愛い。
初めての体験を一気に吸収してる子好き。
刑事が訪ねる先々で出されたものを無防備に口にするのか?という素朴な疑問はあるけども…
心の中にうっすら(この人が犯人なのでは…)が浮かぶと、「頼むから外れてくれ、びっくりさせてくれ」と念じるのは、きっとミステリーあるあるなんだろう。
ポーやティリーにまた会いたいと思う。
ただ、ミステリー題材読後の胸糞感とどう付き合うか… -
Posted by ブクログ
ネタバレ安定の面白さ。ダレる場面を作らない話の組み立て方が上手い。
ただ今作は動機と犯罪が歪すぎて、そんなまわりくどいことする必要ある?っていう感じもあった。いくつか挙げると
・金がそんなにあるならマジの殺し屋雇うとかもできるよね
・フリンが張り込みに残るかどうかはかなり一か八かの賭けで確実性に欠ける
・ロバート・コーウェルを用意する必要ある?被害者3人が陪審員であったという事実は遅かれ早かれわかることで、そこからアトキンソンに繋がるわけだから、わざわざコーウェルを登場させる必要がわからない
こういうちょっとした違和感を犯人の狂気で片付けるのは残念だけど、まあ事件としては面白いからまあいいか
あと -
Posted by ブクログ
ワシントン・ポーシリーズでおなじみMWクレイヴンの別シリーズ。
本書はワシントン・ポーシリーズの息抜きに書かれたということだが、まさにその通りにポーとは鏡写しのような主人公、ベン・ケーニグの物語である。
ワシントン・ポーは時には暴力的手段も辞さない硬骨漢ではあるが、あくまで組織に属した法の代理人であり、許せない犯人を前にしてもその一線に懊悩したりするシーンが多々ある。
本作の主人公ケーニグは、一応保安官局の所属ではあるが、とある事情により「幽霊」となっており、法のお目こぼしを受ける存在である。
だからこそ、容赦なく、徹底的に悪人を殺していく。
まさしくポーの鬱憤を晴らす存在である。
そんな作 -
Posted by ブクログ
どうしても、MWクレイヴンということで、ワシントン・ポーと比較してしまう。
作者もそれを意識してか、舞台をアメリカ、それもテキサスと言う正反対のロケーションを設定。さらに端々にアメリカの法執行機関の描写や、銃描写、さらにはアメリカの風俗描写が挟み込んである。
知らなければ、ジャック・リューチャ―シリーズに似ていると思って読むかも。
また、リューチャ―は作者も明確に想定しており、途中にキャラ比較のような描写もある。
独立した作品として読んだとき、テンポのよいアクション・ハードボイルト作品として十分に楽しめる。
しかもクレイヴンらしく、話の構図も十分に練り込まれているし、主人公らのキャラもよく