宮﨑真紀のレビュー一覧

  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験

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    めっっっちゃ読むのに時間がかかった。文章自体は凄い読みやすかったと思うんだけど、うーん…。
    内容は、二転三転していてスリリング。あらすじも覚えていなかったので、中盤以降の展開は実に面白かった。

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    2021年11月04日
  • プロジェクト・ファザーフッド

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    ジェンダー全盛期の現代において、父親の役割を重要視する内容なのだけど、父親の役割が何なのかは最後までわからない。ただ、父親という存在が大事なのだと男親が思うことで、地域へ良い影響を与えているというのが、とても良い仕組みだと思った。結局、役割があるかどうかということが人にとってそのコミュニティ(地域、家族に関わらず)に所属するかしないかの分かれ目になるのだと強く感じた。
    よく会社などでも何もしなくていいから、見てるだけでいいから、新人教育などで使われると思うが、一番やってはいけないことだと思う。自分の力を発揮でき、正当に評価する。このシステムがないと、コミュニティから人は離れていくのだとおもう。

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    2021年11月01日
  • 花嫁殺し

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    あらゆるグロミステリー読んできましたが、群を抜くグロさ。こんな死に方ひどすぎる!北欧系にはないドロドロ&凄惨のオンパレードです。幼少期に植え付けられたものに対する執着、怨念の重さを見せつけられました。猿の罰を思い出しましたね。そしてまたまた出てきたあの手のストーリー、実に気になる終わり方です。翻訳完成を心待ちにします。スペインの風景も垣間見え、楽しめました。そして、エレナが女言葉でなかったのも、新鮮でした。こんな翻訳を待ってました。

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    2021年07月27日
  • 花嫁殺し

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    やっぱりスペインの女性って、イメージ通り強い…
    マリアホが好きなんだけど、ケーキを焼いていくれる優しいおばさんかと思いきや、バルコニーで煙草をふかすとか、かっこよすぎる。

    この作品の事件はとりあえず終わったけれど、続きが気になりすぎる終わり方!
    早く続きが読みたいなぁ…
    いつか原文でも読んでみたいなぁ…

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    2021年06月11日
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験

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    原題は『The Great Pretender』、大詐欺師やなりすまし役者などといったニュアンスの意味を持つタイトルの本書。本書は、1973年に科学誌「サイエンス」に掲載され
    たアメリカ心理学者デイヴィッド・ローゼンハンの「狂気の場所の正気の存在」という論文を巡る一流のノンフィクションである。

    この論文が主張は極めて鮮烈であった。それは「精神科医は、正常な人間と精神病の患者を見分けることができない」というものである。その主張を裏付けるためのアプローチが凄い。というのも、ローゼンハンは自らを含む8名の偽患者に、嘘の病状申告をさせて精神病院に入院させ、診察や治療のデタラメさなどを暴き出すというも

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    2021年05月09日
  • 舌を抜かれる女たち

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    人類が文字を発明して残してきた情報には、こんなにも男性優生の思想がこびりついていたとは。そしてその物語を読んできた自分の中にも、無意識下の影響を発見する。

    権力の構造を変えていく、という主張がとても刺激的だった。
    1人1人の意識や行動のアップデートを行わないと未来には繋げられない。古典(過去)と現代は紛れもなく繋がっているのだから。

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    2020年09月06日
  • 肉は美し

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    「肉は美(うま)し」という書名、読み進めるとなるほど。ずばり、人肉食の話です。ウィルスが世界に蔓延、動物の肉が食べられなくなった人類が共食いを始め、人を家畜の様に飼育し食べ尽くす、という世にもおぞましいストーリー展開。約230ページのコンパクト(?)なページ数でありながも、人が人を食べる描写にやや食傷気味になりました。

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    2026年01月28日
  • 肉は美し

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    家畜の肉がウイルスで食えなくなって人間を食うようになったディストピア小説。
    これ言ったら身も蓋もないけど「動物の肉が食えなくなった…せや!人間を家畜化したろ!」いや無理あるだろ。訳者あとがきの牛の肉をめっちゃ食うアルゼンチン人ならではの感性で、ある種の人を家畜にして肉を食う生理的嫌悪感というより家畜にこんなことしてるんやぞ!という倫理の内容かなと。
    南米の小説なのでもっとえげつない内容かと思ったがそういう意味では肩透かしだった。作中で出てきたあるフレーズがテーマとしてあるなら「寄生獣」の方が数段上。

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    2026年01月17日
  • 肉は美し

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    動物感染症のパンデミックによりヒトを食べることになった社会の物語。もちろんテーマゆえに、怖いし、グロテスクな描写もあるのだけれど、むしろ主人公から見た人間たちの雰囲気や話し方の表現が丁寧で独特な読み応えなのに淡々としていて……と不思議な感じがする、そんな読書体験でした。個人的にはp.10とタイトルを見比べて「くー!好き!」となりました。ラストシーンは結構衝撃的でしたが、主人公の心の穴を埋めるのにはいちばん幸せな展開だったのかな、と思います。

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    2026年01月11日
  • 秘儀(下)(新潮文庫)

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    下巻に入ると雰囲気がまったく変わり……なんてことはなかった。
    下巻最初の章は、上巻で語られてきた物語の前の時代(1960〜1976)だ。一人称の語り手は誰だ? この章でだいぶ謎が解けるようになっている。次の章は本筋にはまったく関係ないジャーナリストのお話。そしていよいよクライマックス(1987〜1997)となる。
    アルゼンチンの政治状況を基に土着宗教を被せ、そこに家族(主に父と子)を絡めたエンタメ小説という感想だ。上巻で感じたほどホラー要素は強くない。軍事政権下で想像もできないほど残虐な行為が行われたことへの怒りが感じられた。

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    2025年12月31日
  • 秘儀(上)(新潮文庫)

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    アルゼンチン発のホラー小説……らしい。この国の作家が書いた本はホラーに限らずたぶん読んだことがない。そもそもほとんどなにも知らないに等しい。舞台となるのは1981年から1986年までのアルゼンチン。作中にも断片的に書かれているが、かなりやばい事態だったようだ。
    冒頭、筋骨たくましい父親と少年が車で旅する場面は魅力的だった。が、中程に挟まる短いがグロテスクな謎の章、そして最後は成長した少年を主人公とするモダンホラー的な章(キングの『スタンド・バイ・ミー』や『IT』を思い出す)で終わる。うーん、要するに悪魔を崇拝する教団とその手先となる霊媒を巡る話か? だが、語られる内容が明確に繋がらず意味がわか

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    2025年12月30日
  • 寝煙草の危険

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    このホラ大賞の短編集。
    ラテンアメリカの香りはしつつ、ジェンダー・社会的な題材も取り扱う。
    他のラ米文学と比べても突出した表現がなく、そこまでハマらなかった。脱糞やら嘔吐やらが好きなんだなと思った。

    ちっちゃな天使を掘り返す
    腐った赤ん坊を見つける話。
    わたしは彼女の顔を覆ってからリュックに詰め込み、一五番のバスでアベジャネダに向かった。

    湧水池の聖母
    なによ、偉そうに、ぺちゃんこお尻の色黒女!まぬけにもほどがある。そいつらはあたしの犬だよ!

    ショッピングカート
    浮浪者をいじめて脱糞させた街からお金や電気食料などなどが消えていく話。

    どこにあるの、心臓
    異常心音を聞きたい女と聞かせたい

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    2025年12月29日
  • 肉は美し

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    200ページほどで、2部構成。

    1部は人肉解体業、解体方法が割と細かく描かれているものの、主人公はその仕事よりも、周囲の人間との関係や過去に疲弊し切っている。
    それに釣られてこちらも疲弊しつつ、少し……SF的要素が足りないかな、と思ったが、1部の終わり、2部あたり、100ページ読んだあたりから面白くなり、ラストの主人公の妻の言葉が、実に生々しく残った。

    著者はアルゼンチンの女性作家らしく、他の邦訳もあるなら読んでみたい。

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    2025年12月05日
  • 秘儀(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    家族から勧められて読んでみた。とにかく面白いらしい。
    期待が高まる、、、が、帯を見ると、、、
    えっ⁉️ホラー?
    全世界が注目する南米ホラー
    今世紀、最強の恐怖
    アルゼンチンのホラー女王が綴る暗黒の書
    これまたおどろおどろしいキャッチコピーが並ぶ。
    私、ホラー苦手なんだよねぇ〜怖いのよ(泣)オカルト、怪談の類が無理❗️絶対、怖い❗️一人で寝れなくなる❗️嫌だ、、、読めない、恐ろしすぎる、、、と相当、読み始めるまで悩んで、怖いもの見たさに〝えいやぁー″と勢いで読み始めた。

    なんじゃこりゃ?
    巻末の解説に「ページを繰っても繰っても全貌が見えてこない構造の複雑さ」とあったが、それそれ!複雑な小説を読

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    2025年11月10日
  • いのちの選別はどうして起こるのか──ER緊急救命室から見たアメリカ

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    端的にいえば、資本主義社会で、さまざまなリソースに限界があるから。それがコロナを経て、歪みが酷くなった。

    それを選別というのかどうかは難しい。
    選別されるのが、資本主義社会。

    間違えるべきではないのは、金のあるやつがプラスアルファを得る社会ということである。

    それが悪いかと言えば必ずしもそうではないはずだが、機会均等結果不平等、機会均等も金次第で、カテゴライズと差別が大好きな大米国ではより酷いことになってるのはわかる。それでも結果的に人種差別という発想は嫌いだな。歴史的、社会的に色々な問題はあってのことだが、貧困問題と差別問題を一絡げにするべきではない。それは問題を曇らせる。

    著者は大

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    2025年07月14日
  • 寝煙草の危険

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    お初のジャンルでございました。
    短編集というのもあり非常に読みやすかったし、
    いい感じのホラー感と面白さかな〜と。

    幽霊や呪術と人の悪意がいい感じに共存してて
    ヒィー!ってはならないけどおお〜となる感じ。

    個人的には湧水地の聖母が1番良かったな。
    まさに人の悪意なんですけど、
    私も読んでて悪意から願ったので…笑

    後書きのアルゼンチンの歴史を知るとなるほどそうなのか〜ともなれます。知識がある方は本編を読んでいる最中にきっと気づけるのだろうね。

    めちゃどうでもいいんですけど作中2回うんこが出てきて、それがどっちもげりぴーだったのはちょっと笑いました。お気に入りなのかな?!

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    2025年07月08日
  • 寝煙草の危険

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    アルゼンチンと言う国の不安定さとゴシックホラーの融合

    あとがきがとてもわかりやすく魅力を伝えていると思う。
    国の事情や風土のようなものがあるからこそのなんとも言えない不気味さなんだなと。


    国書刊行会のスパニッシュ・ホラー文芸
    ・兎の島
    ・寝煙草の危険
    ・救出の距離
    とすべて所謂、ジャケ買いしていますが…
    やはり買い時は毎回躊躇するお値段

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    2025年05月26日
  • 意識をゆさぶる植物――アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性

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    本書を読み、植物、特に人の精神に影響を与える植物は宗教や文化と強い関係があり、この関係性を調べていくととても面白いと思いました。

    本書を100%信じることは出来ないが(テーマの植物に関して著者は擁護しようとする意思を個人的に感じたため)、もっと調べてみようというきっかけになりました。

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    2025年02月10日
  • 寝煙草の危険

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    ホラー、、、苦手だ。。。と思いつつ読み始めたけど、(最初こそ入り込めなかったものの)楽しく読めた。特に「戻ってくる子供たち」が面白い。
    とはいえ、最初入り込めなかったのも、私がアルゼンチン(あるいは南アメリカ)の社会状況をよく理解できていないからだろう。現実の方がもっと恐ろしいものだとすれば、ホラー小説という形式でオブラートに包んで追体験させてもらっているという事か。そう考えると「戻ってくる子供たち」を読んでいてなぜか感じた痛快さも理解できるような気がしてくる。

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    2025年02月09日
  • 意識をゆさぶる植物――アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性

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    やはり法的にも問題がなく日頃から馴染みのあるカフェインの章が最も楽しめた。
    カフェインの効果と飲み物を結びつけて好きだと思わされるように動機づけを受けている話はとても興味深くて、夢中で読んだ。
    カフェインが効いている間、眠気を誘う物質の受容体がハイジャックされて効果を感じないものの、その間もその物質自体はどんどんと溜まっていっているから、カフェインが切れた時にはどっと疲れを感じるというのは体験からもよくわかることだった。

    とはいえ、著者の立場として、だからやめた方がいい、ということではないし、常にそれが手に入り依存している状況を不快に思わないなら、それは別に問題じゃない、という表明をしている

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    2024年11月04日