宮﨑真紀のレビュー一覧

  • 骨は知っている――声なき死者の物語

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    著者は解剖学者で法人類学者。法人類学という言葉を初めて知ったけれど、警察に協力して骨の分析をするらしい。頭、体、四肢のそれぞれの骨について特徴、発生の様子、実際の犯罪捜査との関わりについて書かれている。この本を読むと、骨からわかることが、どれだけ多いかに驚かされる。人種、性別、身長、死因は予想の範囲だったが、生前の状況やストレスの有無まで記録として残っている。それが犯罪捜査の中で、どのように活用されたかも興味深い。専門的なところもあるが、ユーモアを交えてわかりやすく説明されているので、とても読みやすい。

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    2024年10月07日
  • 救出の距離

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    ネタバレ

    サマンタ・シュウェブリンの邦訳三作目。国書刊行会のスパニッシュ・ホラー文芸シリーズとしても三作目。

    病院のベッドで横たわる女性と、少年との会話劇。どうやら少年は、女性に過去を思い出させ、何かのターニングポイントを見つけたいようで…

    中編程度の長さで、サクッと読める。
    全編に漂う不安感とむず痒さは、まるで虫が体を這うよう。そして地の文がなく二人の会話だけで話が進むため、熱にうなされるような、奇妙な酩酊感を味わうことができる。

    題の「救出の距離」とは、母親が自分の子供の危機に対して、すぐに駆けつけることができる距離。このことの説明と、子供が遊ぶ描写が繰り返されることにより、子供の身に何か起こ

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    2024年10月03日
  • 舌を抜かれる女たち

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    読んでよかった。そして、どこかで見かけた本のような気がするが……思い出せない。ネットだったろうか。新聞の書評だったろうか。どちらで見かけていてもおかしくはないが、思い出せない。



    『女性の発言がどれだけ公の場から排除されてきたか』という事が書かれている。
    講演の内容を本にしてあるので、読みやすい。ただ、知らない物語(神話)について知っている前提で書かれているところもあるのでそれについては、自力で調べるしかない。

    それらを抜いても、伝えたい事はわかる。繰り返し「女性の発言がどう排除されてきたか』『女性の発言はどう受け止められてきたか』『女性はどのような時にだけ発言が認められたか』が書かれて

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    2023年12月16日
  • 寝煙草の危険

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    ネタバレ

    マリアーナ・エンリケスのデビュー作。
    国書刊行会のスパニッシュ・ホラーシリーズ第2弾。

    幻想味が強いエルビラ・ナバロと違い、純粋ホラーな作風。人間の怖さというより、呪術やゾンビ、幽霊などの怖さを描いた作品が多い。
    わかりやすくホラーな分、読みやすかった。そしてエゲツない表現は共通。ある意味リアルなのだろうか。。。
    (本体が高いこともあり)高級チョコのような味わい方で楽しませてもらった。第3弾が待ちきれない。


    ○ちっちゃな天使を掘り返す
    ちっちゃな天使の正体がエグい。そして描写もグロい。だけどユーモアあふれるゴーストストーリーなのが不思議。

    ○湧水池の聖母
    気に食わない先輩と狙っていた男

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    2023年10月09日
  • 兎の島

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    ネタバレ

    エルビラ・ナバロの短編集。スパニッシュ・ホラーと銘打ってあるが、どちらかというと幻想文学?
    日常の何気ないことが、非常にむず痒く気持ち悪く描写されることが多く。嗅覚、触覚を使い読書をする感覚。良かった。

    ○ヘラルドの手紙
    付き合っている男性との別れを決意した女性の心理を描いた短編。現実なのか、この女性の妄想なのか。凄く曖昧な、真ん中はハッキリしてるけど、周辺がボヤけているような。なんとも言えない読後感。シャワー室の虫の描写が気持ち悪い。女性の心理を表しているのか、むず痒くなる。

    ○ストリキニーネ ★おすすめ
    最後の一行怖い。耳たぶから肢が生えてくる時点で怖いけど。だんだん、自分の身体が乗っ

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    2023年09月23日
  • 寝煙草の危険

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    ★5 弱者の現実と奈落の底からの叫び声が聞こえる… アルゼンチン作家のホラー短編集 #寝煙草の危険

    ■きっと読みたくなるレビュー
    アルゼンチンの作家、掌編・短編からなるホラー作品集。良い作品なので、しっかりと読みましょう。

    テイストとしては文芸作品ですが、痛烈で狂気な描写が多く、アルゼンチンの歴史や現実も克明に記された内容。正直、治安と経済状況がいい日本に生まれたことを安堵してしまいました。

    本作はあからさまな表現で豊富で、めっちゃメッセージ性が強い。そして気がついたら読み切ってしまうほど、熱中度が半端ないです。読めば読むほど味わい深く、すっかりエンリケスの沼にはまってしまいました。

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    2023年08月06日
  • 舌を抜かれる女たち

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    ギリシャ神話からヒラリークリントンまで、女性が発言することへの抵抗、妨害。
    いやいや、この長い屈辱の歴史が容易に変わるわけがない。あきらめずに続けなければ。

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    2023年05月20日
  • 幻覚剤は役に立つのか

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    幻覚剤(サイケディリクス)についての概念が一変する内容。
    LSD,サイロシビン、MDMA、ペヨーテなどがその範疇に入る。
    幻覚剤には乱用に至るとか依存性が強くあるなどと我々は認識しているが、それは無いのである。
    幻覚剤を活用することで「うつ病」や「依存病=アルコール依存など」の治療そしてがんの末期患者の恐怖を取り除くなど「精神疾患」全般の治療に役立つとの認識が世界では高まってきている(日本は希薄)ということが詳しく説かれている。
    ヒトの脳の構造を解き明かすルートとしも幻覚剤の研究は大きな糸口を得ることにつながる可能性が強いなど。

    この本は、有益で極めておもしろい。

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    2023年01月20日
  • 兎の島

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    シュールな不安と恐怖を描く短編集。「兎の島」は小島に持ち込んだ兎が恐ろしく変容する物語、「最上階の部屋」は他人の夢が見えるようになる話、「メモリアル」は死んだ母からFacebookの友達申請が来る話です。先がどうなるか分からない不気味な味わいでした。

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    2022年12月05日
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験

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    なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験。スザンナ・キャハラン先生の著書。正気と狂気を見極めることができない精神科医。精神疾患である人とそうでない人を見極めることができない精神科医。もしそうであれば精神医学に意味はあるのと疑問に思う人がいても不思議ではない。でも狂気に苦しむ人がいて精神疾患で苦しむ人がいることは紛れもない事実。精神医学や精神科医に完璧を求めたところで仕方のないこと。

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    2022年08月15日
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験

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    ローゼンハンの偽精神患者の実験は広く知られている。しかし、そのニセ患者が自分と院生以外はいたかどうかわからない、という結論である。サイエンスに掲載された論文とともにこれを読むことがいいと思われる。ただし、400ページの本文のうち250ページは偽精神患者実験の説明であり、残り150ページがそのニセ患者の真偽をめぐる話である。したがって、この本を読むだけでローゼンハンの実験の説明になっている。
     シンバルドや電気ショックの実験についても、それぞれ実験の過剰操作としての電気ショックの強要や、囚人役の過激な演技が記載されているが、これをもっとで説明している本が翻訳で必要であろう。

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    2022年04月29日
  • 幻覚剤は役に立つのか

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    興味深い!マリファナアヘンコカイン覚醒剤等とは違いLSDは依存性ゼロ、脳の知覚機能へ一時的に「サイケデリック」に作用するだけで、LSDを服用した人はみな救済を体験し、サイケ体験はターミナルケアや精神疾患の治療に役立つ、というもの。

    治療薬として効果のある幻覚剤の成分構成と脳機能との化学反応など専門的な記述もあるけど全体としてちゃんと読める。そしてここでも邦題より原題(How to chage your mind) のほうが内容に沿っているんだよな。。だって最初から「役に立つ」前提で話が進むんでるしさ。。。まあこのタイトルだとスピリチュアルの棚に並びそうだけども。。

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    2022年02月12日
  • 花嫁殺し

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    ネタバレ

    結婚式を控えた花嫁が無惨な方法で殺害された。
    8年前にも同様の事件があったが犯人は服役中。これは連続殺人なのか、模倣犯が現れたのか?
    捜査にあたる特殊分析班のエレナと所轄のサラテ、エレナのチームの個性的な面々が魅力的。
    エレナの背負う苦悩も徐々に明らかになっていき、クライマックスへ!
    クライマックスに向けて盛り上がり重視で、少し疑問やツッコミどころもありつつ、最後まで物語を楽しみました。
    主要登場人物一人一人が、モブ的な人がいないというか、それぞれでスピンオフ書けそうな、物語外でもちゃんと生活がある感じに書かれていてそこが好き。
    それと翻訳に、いわゆる“女言葉”が使われてない事に途中で気がつい

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    2021年10月03日
  • 幻覚剤は役に立つのか

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    ★脳を揺さぶる科学と導く人間のノウハウの間★覚醒剤や麻薬、LSDの区別がよく分からないが、LSDやシャーマニズムで使われるマジックマッシュルームのようなものは中毒性はないという。
    幻覚剤にはかつて米国の医療分野などできちんとした研究の蓄積があったがサブカルとして広がった反動で抹消されてしまったという歴史、自らによる体験、脳科学の分野からの研究、トリップを生かした終末期や依存症のセラピーと、一人称を交えたノンフィクション。

    脳の分析からは、スピリチュアルジャーニーは生活を送るうえで効率化した脳の設定(デフォルトモード)に対しエントロピーを増大させることで、秩序を揺るがせると紹介する。ふだんはつ

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    2021年09月05日
  • 花嫁殺し

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     ある意味、完璧と言える構成の傑作だ。冒頭から読者を引きつける、あまりにも奇抜な殺人。マドリードの公園で発見された被害者女性は、頭に三つの小さな穴を開けられ、その中に入れられた蛆たちに脳みそを食われていた。ショッキングだし、その異常さにも程がある。

     被害者の姉も、実は類似の手口で七年前に殺害されていた。当時の加害者は杜撰にも見える裁判を経て、現在、牢獄に収容されている。連続殺人に見えるこの事件の真実はどこにあるのか? どうして姉妹が殺されねばならなかったのか?

     警察署とは別の民間ビルの一角に設けられたスペイン警察特殊分析班(BAC)。この事件は彼らに委ねられる。

     素晴らしいのは5人

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    2021年05月30日
  • 花嫁殺し

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    カルメン・モラ『花嫁殺し』ハーパーBOOKS。

    珍しいスペイン・ミステリー。3部作で構成されるスペイン警察・特殊分析班シリーズの第1弾。覆面作家のデビュー作にしてベストセラーらしい。

    海外ミステリーを読むのには元々時間を要するのだが、面白い海外ミステリーとなると、さらに時間を掛けてじっくり読みたいものだ。本作を読むのに要した時間は足掛け3日間。それだけ面白く、魅力のある作品だったのだ。作中に描かれる2つの猟奇殺人事件と真犯人の謎という面白さに加え、主人公のエレナの悲しい過去と特殊分析班を率いる逞しい女性像が姫川玲子に重なるところが、魅力ある作品に仕上がっている理由なのかも知れない。

    不気

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    2021年04月24日
  • 肉は美し

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    恐ろしいけど面白い。動物が疫病で死滅した後に、人間の家畜化が合法化された世界を描くディストピア小説。作者がヴィーガンらしく、肉を食べる周りの人達を見ながら考案したであろう、思考実験的な内容で、本当に世界がこうなったら恐ろしい。
    人間の部位を遠回しに呼んで不快感を和らげる工夫だったり、人間の肉をランク付けしたり、ルールメイクだったり、凄まじいリアリティ。
    全体で200P程度しかないので時間はあまりかかりませんが、ただひたすら暗い憂鬱な世界観が進んでいき、最後どうなるんだろうと気になったところに、衝撃の最後の一行で急に裏切られ、ひっくり返ります。「1984年」以来の衝撃です。
    まあただ皆さんにお薦

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    2026年01月25日
  • 肉は美し

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    ディストピアの中のディストピア。
    しっかりと作り込まれた設定、
    主人公を三人称で書くことでより一層、不気味さ、冷徹さが増している。
    最後の一言でやっぱり人間ってこうだよねって思った。

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    2026年01月24日
  • 秘儀(下)(新潮文庫)

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    軍事政権と民主化への移行が共存する二十世紀後半のアルゼンチン。闇を崇拝する教団を舞台に、〈霊媒〉を巡る愛と死と狂気の物語が展開する。政治的激変期に於ける国の暗部がホラー要素と融合する。上巻はやや冗長に感じるが、下巻の視点変更から一気に速度を増し、ラテンアメリカ史を呑み込みながら運命が収束していく終盤は言葉を失う。重厚で理知的な幻想文学。

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    2026年01月12日
  • 肉は美し

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    ニク ニク ニックン
    ニク ニク ニックン

    ニク ニク ニックン
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    肉大好き〜♪

    お肉大好き1Qです!

    みなさんクリスマスにチキンは食べましたか?
    もしかしたら、鶏肉が食べれるのは今のうちだけかもしれませんよ
    いや、鶏肉だけに限らず牛に豚にあらゆる肉が食べれるのは今のうちかもしれませんよ

    なぜなら近い将来、世界がこのような状況に陥るかもしれないからです

    ①世界規模で動物に致死性のウイルスが蔓延

    ②人間への感染が疑われるためあらゆる動物
     が殺戮 

    ③この世界から肉がなくなる

    ④人々は動物性たんぱく質を欲しがる

    ⑤だけど肉がない

    ⑥と、思ったら肉あるやん

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    2025年12月25日