宮﨑真紀のレビュー一覧
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読んでよかった。そして、どこかで見かけた本のような気がするが……思い出せない。ネットだったろうか。新聞の書評だったろうか。どちらで見かけていてもおかしくはないが、思い出せない。
『女性の発言がどれだけ公の場から排除されてきたか』という事が書かれている。
講演の内容を本にしてあるので、読みやすい。ただ、知らない物語(神話)について知っている前提で書かれているところもあるのでそれについては、自力で調べるしかない。
それらを抜いても、伝えたい事はわかる。繰り返し「女性の発言がどう排除されてきたか』『女性の発言はどう受け止められてきたか』『女性はどのような時にだけ発言が認められたか』が書かれて -
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ネタバレマリアーナ・エンリケスのデビュー作。
国書刊行会のスパニッシュ・ホラーシリーズ第2弾。
幻想味が強いエルビラ・ナバロと違い、純粋ホラーな作風。人間の怖さというより、呪術やゾンビ、幽霊などの怖さを描いた作品が多い。
わかりやすくホラーな分、読みやすかった。そしてエゲツない表現は共通。ある意味リアルなのだろうか。。。
(本体が高いこともあり)高級チョコのような味わい方で楽しませてもらった。第3弾が待ちきれない。
○ちっちゃな天使を掘り返す
ちっちゃな天使の正体がエグい。そして描写もグロい。だけどユーモアあふれるゴーストストーリーなのが不思議。
○湧水池の聖母
気に食わない先輩と狙っていた男 -
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ネタバレエルビラ・ナバロの短編集。スパニッシュ・ホラーと銘打ってあるが、どちらかというと幻想文学?
日常の何気ないことが、非常にむず痒く気持ち悪く描写されることが多く。嗅覚、触覚を使い読書をする感覚。良かった。
○ヘラルドの手紙
付き合っている男性との別れを決意した女性の心理を描いた短編。現実なのか、この女性の妄想なのか。凄く曖昧な、真ん中はハッキリしてるけど、周辺がボヤけているような。なんとも言えない読後感。シャワー室の虫の描写が気持ち悪い。女性の心理を表しているのか、むず痒くなる。
○ストリキニーネ ★おすすめ
最後の一行怖い。耳たぶから肢が生えてくる時点で怖いけど。だんだん、自分の身体が乗っ -
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★5 弱者の現実と奈落の底からの叫び声が聞こえる… アルゼンチン作家のホラー短編集 #寝煙草の危険
■きっと読みたくなるレビュー
アルゼンチンの作家、掌編・短編からなるホラー作品集。良い作品なので、しっかりと読みましょう。
テイストとしては文芸作品ですが、痛烈で狂気な描写が多く、アルゼンチンの歴史や現実も克明に記された内容。正直、治安と経済状況がいい日本に生まれたことを安堵してしまいました。
本作はあからさまな表現で豊富で、めっちゃメッセージ性が強い。そして気がついたら読み切ってしまうほど、熱中度が半端ないです。読めば読むほど味わい深く、すっかりエンリケスの沼にはまってしまいました。
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幻覚剤(サイケディリクス)についての概念が一変する内容。
LSD,サイロシビン、MDMA、ペヨーテなどがその範疇に入る。
幻覚剤には乱用に至るとか依存性が強くあるなどと我々は認識しているが、それは無いのである。
幻覚剤を活用することで「うつ病」や「依存病=アルコール依存など」の治療そしてがんの末期患者の恐怖を取り除くなど「精神疾患」全般の治療に役立つとの認識が世界では高まってきている(日本は希薄)ということが詳しく説かれている。
ヒトの脳の構造を解き明かすルートとしも幻覚剤の研究は大きな糸口を得ることにつながる可能性が強いなど。
この本は、有益で極めておもしろい。 -
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ローゼンハンの偽精神患者の実験は広く知られている。しかし、そのニセ患者が自分と院生以外はいたかどうかわからない、という結論である。サイエンスに掲載された論文とともにこれを読むことがいいと思われる。ただし、400ページの本文のうち250ページは偽精神患者実験の説明であり、残り150ページがそのニセ患者の真偽をめぐる話である。したがって、この本を読むだけでローゼンハンの実験の説明になっている。
シンバルドや電気ショックの実験についても、それぞれ実験の過剰操作としての電気ショックの強要や、囚人役の過激な演技が記載されているが、これをもっとで説明している本が翻訳で必要であろう。 -
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興味深い!マリファナアヘンコカイン覚醒剤等とは違いLSDは依存性ゼロ、脳の知覚機能へ一時的に「サイケデリック」に作用するだけで、LSDを服用した人はみな救済を体験し、サイケ体験はターミナルケアや精神疾患の治療に役立つ、というもの。
治療薬として効果のある幻覚剤の成分構成と脳機能との化学反応など専門的な記述もあるけど全体としてちゃんと読める。そしてここでも邦題より原題(How to chage your mind) のほうが内容に沿っているんだよな。。だって最初から「役に立つ」前提で話が進むんでるしさ。。。まあこのタイトルだとスピリチュアルの棚に並びそうだけども。。 -
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ネタバレ結婚式を控えた花嫁が無惨な方法で殺害された。
8年前にも同様の事件があったが犯人は服役中。これは連続殺人なのか、模倣犯が現れたのか?
捜査にあたる特殊分析班のエレナと所轄のサラテ、エレナのチームの個性的な面々が魅力的。
エレナの背負う苦悩も徐々に明らかになっていき、クライマックスへ!
クライマックスに向けて盛り上がり重視で、少し疑問やツッコミどころもありつつ、最後まで物語を楽しみました。
主要登場人物一人一人が、モブ的な人がいないというか、それぞれでスピンオフ書けそうな、物語外でもちゃんと生活がある感じに書かれていてそこが好き。
それと翻訳に、いわゆる“女言葉”が使われてない事に途中で気がつい -
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★脳を揺さぶる科学と導く人間のノウハウの間★覚醒剤や麻薬、LSDの区別がよく分からないが、LSDやシャーマニズムで使われるマジックマッシュルームのようなものは中毒性はないという。
幻覚剤にはかつて米国の医療分野などできちんとした研究の蓄積があったがサブカルとして広がった反動で抹消されてしまったという歴史、自らによる体験、脳科学の分野からの研究、トリップを生かした終末期や依存症のセラピーと、一人称を交えたノンフィクション。
脳の分析からは、スピリチュアルジャーニーは生活を送るうえで効率化した脳の設定(デフォルトモード)に対しエントロピーを増大させることで、秩序を揺るがせると紹介する。ふだんはつ -
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ある意味、完璧と言える構成の傑作だ。冒頭から読者を引きつける、あまりにも奇抜な殺人。マドリードの公園で発見された被害者女性は、頭に三つの小さな穴を開けられ、その中に入れられた蛆たちに脳みそを食われていた。ショッキングだし、その異常さにも程がある。
被害者の姉も、実は類似の手口で七年前に殺害されていた。当時の加害者は杜撰にも見える裁判を経て、現在、牢獄に収容されている。連続殺人に見えるこの事件の真実はどこにあるのか? どうして姉妹が殺されねばならなかったのか?
警察署とは別の民間ビルの一角に設けられたスペイン警察特殊分析班(BAC)。この事件は彼らに委ねられる。
素晴らしいのは5人 -
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カルメン・モラ『花嫁殺し』ハーパーBOOKS。
珍しいスペイン・ミステリー。3部作で構成されるスペイン警察・特殊分析班シリーズの第1弾。覆面作家のデビュー作にしてベストセラーらしい。
海外ミステリーを読むのには元々時間を要するのだが、面白い海外ミステリーとなると、さらに時間を掛けてじっくり読みたいものだ。本作を読むのに要した時間は足掛け3日間。それだけ面白く、魅力のある作品だったのだ。作中に描かれる2つの猟奇殺人事件と真犯人の謎という面白さに加え、主人公のエレナの悲しい過去と特殊分析班を率いる逞しい女性像が姫川玲子に重なるところが、魅力ある作品に仕上がっている理由なのかも知れない。
不気 -
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ニク ニク ニックン
ニク ニク ニックン
ニク ニク ニックン
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肉大好き〜♪
お肉大好き1Qです!
みなさんクリスマスにチキンは食べましたか?
もしかしたら、鶏肉が食べれるのは今のうちだけかもしれませんよ
いや、鶏肉だけに限らず牛に豚にあらゆる肉が食べれるのは今のうちかもしれませんよ
なぜなら近い将来、世界がこのような状況に陥るかもしれないからです
①世界規模で動物に致死性のウイルスが蔓延
②人間への感染が疑われるためあらゆる動物
が殺戮
③この世界から肉がなくなる
④人々は動物性たんぱく質を欲しがる
⑤だけど肉がない
⑥と、思ったら肉あるやん
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ネタバレパンデミックにより動物がほぼ淘汰され、人間を食肉用として家畜化することが合法化された近未来、食肉処理会社で働く男の姿を通して描かれたディストピアSFホラー。常識、倫理観、感情を激しく揺さぶられる一作。
動物感染症の蔓延によって畜肉の食用が不可能となってかつてない食糧危機が世界を襲う。動物性蛋白質を求めた一部の間で移民や貧民を狙う人肉の闇取引が横行する。食肉需要を充たそうとする圧力に押され、食肉用としてヒトを飼育・繁殖・屠畜することが合法化され、それらのヒトは〈頭〉と呼ばれていた。主人公マルコスは〈頭〉を解体し加工した〈特級肉〉を卸す食肉処理工場の重役だったが、待望の赤ん坊を喪い、妻とは距 -
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人肉を食べることが合法化された世界で、食糧となるために生まれてきた人間と、そうではない人間を分けるものは何か。そんなことを考えた。
人肉が食べられる状態に加工されるまでの過程は、今まで自分たち人間が鶏、豚、牛などの動物にしてきたことと全く同じように描かれている。食糧となるために生まれ、肉が美味しくなるような餌を与えられ、状態を管理され、一定の基準に達したら血を抜かれて内臓は抜き取られ、部位ごとに体を切り分けられる。これが人間が動物たちにしてきたこと。いざ人間がその対象になると、その全てがおぞましく思える。
動物の場合と唯一異なるのは、食糧となる人間と、そうではない人間とで生殖ができること。