【感想・ネタバレ】骨は知っている――声なき死者の物語のレビュー

あらすじ

刻まれた傷跡と隠された死因。
死してなお語りつづける骨たちの声に耳を澄ます──。

DNA鑑定も利かないとき、「骨」の分析は最後の砦。
解剖学・法人類学の世界的権威が冷静な筆致で解き明かす、人体の不思議とそれを支える骨に秘められた多様性とは?
生々しい犯罪捜査の実録譚も収録した迫真のドキュメント。

《頭蓋骨~足先のあらゆる骨片から遺体の身元と人生の物語を読み解く、スリリングな知的エンターテインメント》

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本書はみなさんを、人体を巡る旅にお連れする。
人の人生や経験がいかに骨に書き込まれているか。
その物語を科学の力でどんなふうに明らかにするか。
そこではきっと、驚くような事実に出合えるだろう。
まさに、事実は小説より奇なり。

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【目次】
■序章………骨格

第一部 〈頭部〉頭蓋骨
■第一章……脳の容れ物(ブレイン・ボックス)──脳頭蓋
■第二章……顔──顔面頭蓋

第二部 〈体〉頭蓋骨後中軸骨格
■第三章……背骨──脊柱
■第四章……胸──胸郭
■第五章……喉──舌骨と喉頭

第三部 〈四肢〉頭蓋骨後付属肢骨格
■第六章……胸帯(肩帯)
■第七章……骨盤帯
■第八章……長骨
■第九章……手
■第十章……足

▶尾部
▶謝辞
▶訳者あとがき

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

まさに「事実は小説よりも奇なり」の本。
骨の一つ一つに成長があり、組み上げられて、編まれていく。肉と魂のための檻であり家は、それを解剖する人に伝えてくるものもあれば、伝えられないこともある。

骨をテーマに法人類学のエッセイ。同時に、事件を絶対に解決し、真相を究明する人たちの使命感にも、なんだか心打たれた。そして科学への盲信への警報や、それを扱う人間の不完全さの呈示。読み応えのある一冊

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2025年02月08日

Posted by ブクログ

著者は解剖学者で法人類学者。法人類学という言葉を初めて知ったけれど、警察に協力して骨の分析をするらしい。頭、体、四肢のそれぞれの骨について特徴、発生の様子、実際の犯罪捜査との関わりについて書かれている。この本を読むと、骨からわかることが、どれだけ多いかに驚かされる。人種、性別、身長、死因は予想の範囲だったが、生前の状況やストレスの有無まで記録として残っている。それが犯罪捜査の中で、どのように活用されたかも興味深い。専門的なところもあるが、ユーモアを交えてわかりやすく説明されているので、とても読みやすい。

0
2024年10月07日

Posted by ブクログ

コロナ下で3度目の、特に予定がない夏。
こんな時には、本に身を委ねてバーチャル一人旅。

、、、こんな時でなければ、けっして手に取らなかった本だと思う。ホラー系とか、全くムリなのに、なんの気の迷いで手にしてしまったか、、、、

法人類学者という単語を初めて知りました。
(イギリスでは、死者の骨を調べる学者?をそう呼ぶらしい)
怖すぎて、明るいお昼間にしか読めない内容ながらも、た〜っぷり、全く未知の世界を、遥か彼方まで、旅しました。

0
2022年08月21日

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