宮﨑真紀のレビュー一覧
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ネタバレグロテスクな描写が多いのでグロが苦手な私は最初の方は手に力が入らなくなるくらいの不快感を感じたが、淡々とした描写で書かれているので気づいたらすんなりと読めるようになってしまった。
これが慣れかぁ…怖いよ~
マルコスがジャスミン(頭/家畜)の出産のためにしばらく会っていないかった妻を呼び出した時は「いや、都合よすぎだろ…奥さん可哀想やて今はジャスミンにお熱のくせに」と思ったが生まれた子に「僕“ら”の子だ」とか言い出してん???となってたらまさかの最後の一言。
読者の私と一緒に作中の人物たちに嫌悪感を感じてくれていたお前も“そっち側“だったんや…
マルコスに甘えて抱きついてキスをされる、寂しがり屋のジャスミンが脳裏にこびりついてるよ~どうしてくれるんだよマルコス!!
村田沙耶香さんが好きな人は多分好きだと思う
私がそう -
Posted by ブクログ
なんのジャンルになるのやら・・・
動物がいなくなった世界で"肉食"を求めた人類は共喰いを始め・・・それではいけないと、各国で人肉食を法制化した世界線の話。かつて豚や牛を食べていたように養殖された人を食べる・・・適応できない人が自殺したり病んだりで、残った人は受け入れている。おいしい、という表現がいつまでもイヤー!!
リアルな描写に胃がむかむかするが、いやいやいま我々が食肉しているのと何が違うんだろう・・・と思い至る。同じ形をしていても、違うものとキッパリ決められるのは、そういう価値観の世界で生きているから。そんなふうに人ってなれてしまうんだ。人間のそらおそろしさが満ち満ち溢れた小説だった。
ラストの書き方、好き。当たり前の世界にある無垢な残忍さ、サラッと終わるのが爽やかだなと感じた。
読後感が村田沙耶香さんの本を読んだ時と似てる(笑) ザラザラしたのが残る感じ。好きな方はぜひ! -
Posted by ブクログ
ずっと「この世界はあり得るかもな」と思いながら読んでいました。
ホラー小説と帯にはあるけど、どちらかというとディストピアSF小説。
ただグロテスク・胸糞描写満載なのと、犬をいじめ殺す描写があるので注意。
マルコスの最後の行動はかなり驚いたし、読んだ時は意味がよくわからなかった。
ただ、訳者あとがきにもある通り、ディストピアのシステムに迎合する狂気の妹マリサと対等な存在として書かれていたのかなと思ってます。
ディストピアの中でありふれたライフステージの不幸(認知症の父親、息子の死、妻との別居)に見舞われ、狂気に呑まれてしまったキャラクターだったと考えられます。
(何気に妻の最後のセリフ「子供をもっと産ませることだってできるのに」もかなり狂ってる気がします。この人もマルコスと同じで息子の死によって狂気に呑まれてしまったのかも…いや、小説の中でまともな人間はいませんでしたね)
ヴィーガンや昆虫食が流行り、人口爆発・食糧難・環境破壊が問題となる現代、このディストピアの世界はあり得る未来の姿だと感じました。
「この小説のように、人間相手に人は残酷になれるのか?」と言う問いがあるなら、私は「これ以上に残酷な結果になるだろう」と答えます。
同じ人間相手に差別し、いじめをし、虐殺できるのが人間の性です。
どんなに文化的、理性的、倫理的なルールが人々に染み付いても、「この人間は食肉用だから」「戸籍も持たない“頭”と呼ばれる存在だから」と論理を盾に非人道的なことができるでしょう。
印象に残ったのが、2部に書かれた狩猟家の話でした。
この話は最近世界が震撼したとある事件を彷彿とさせました。
あの事件も「食人があった可能性がある」と言われていましたが、結局どこまで真実だったのでしょうね。
小説の中で狩猟家が行ってたことは、もう現代でも行われている可能性があると思ってしまいます。
ひたすら狂気の世界を語られる中、どうしても現実と関係ないありえない世界の話とは思えませんでした。
どうかこの小説のような世界にならないよう、環境問題だけでも自分ができることをやっていこう…と思わされた作品でした。
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Posted by ブクログ
動物を媒介としたウイルスによるパンデミックが世界を変えた。
人類は生き残るためにペットも家畜も動物を全て殺処分し、摂取できなくなった動物性タンパク質が恋しくなり共食いをするようになり、合法的に人間を食べるようになる。
恐らく未来のアルゼンチンが舞台のディストピアSF。
主人公は、認知症の父親を介護施設で診てもらうために食肉処理工場の幹部を務め、つい最近幼い息子を亡くし、そのショックで妻は実家で療養している。
彼を通して見る世界は、灰色で、くぐもっていて、疲れきっている。
本書を読んでいくと、倫理観というのはただただその時生きている環境に左右されて生じているのだと感じる。人権という単語の概念が音を立てて崩れる。
様々に出てくる登場人物の中で、主人公はまともそうに見えるが果たして。
というか、まともとは。
ラストで主人公が発するセリフに、この世界のまともな人が抱く価値観の全てが詰まっていた。 -
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ネタバレ世界観の設定が怖かったです。世界的に動物性ウィルスが蔓延して食糧危機に陥った世界です。舞台は近未来のアルゼンチンとされています。食糧危機になってしまい、人間も家畜化されて「人肉食」が世界的に合法化されています。その世界での話ですから、道徳的・倫理的な問題というのが出てくると思います。
この本を読み進めていくと、「食肉処理工場の人間」と「飼育場で働く人間」との関係が主に書かれています。それが面白いところがあって、最後の方になると主人公の父親(老人ホームで暮らしていた)が亡くなってしまうところもあり、いろんな意味で印象に残る小説でした。
「家畜」というレッテルを貼られてしまうと無意識な差別を受けるということがわかったような気がします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ翻訳ものは苦手なのにスルスル読めた。未来の人間を家畜とし育て人間の肉を食べることを合法化した世界。肉工場のマルコス・テホや、工場で働く人々が狂っていく様子が冷静に描かれ惨状が浮かぶのに読みたい欲が勝る。テホは子を失い妻と別居、父の介護費用に取り繕い屋の妹、様々の問題を抱えながら更に「頭(家畜化された人間)」を飼育せずジャスミンと名付け妊娠させる。そこから潮目が変わるのか、ではなく出産したジャスミンを「家畜なのに人間みたいな目をした」事で殺める。読みながらクールー病、狂牛病を調べた…ここまで日常とかけ離れると本当に読書で気分転換できる。
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Posted by ブクログ
けっこうグロテスク。動物虐待のシーンもあるので注意かも。
致死性のウイルスが蔓延し、動物の肉が食べられなくなってしまったと世界いう設定。カニバリズムなのだが、生きた動物を殺してその肉を食らうということを日々受け入れていた自分には強く刺さった。生物多様性や食糧難への備え等もろもろ考慮した上でヴィーガンを選択することはできるが、それはあくまでも後付けの言い訳でしかなく、美味しい美味しいと言いながら毎日食べる様々な肉について、私たちが行っていることを想像しながら食べるしかないという重みが残る作品だった。ディストピアSFと評されているが、これがSFではない人もいるんだよなと再認識。 -
Posted by ブクログ
恐ろしいけど面白い。動物が疫病で死滅した後に、人間の家畜化が合法化された世界を描くディストピア小説。作者がヴィーガンらしく、肉を食べる周りの人達を見ながら考案したであろう、思考実験的な内容で、本当に世界がこうなったら恐ろしい。
人間の部位を遠回しに呼んで不快感を和らげる工夫だったり、人間の肉をランク付けしたり、ルールメイクだったり、凄まじいリアリティ。
全体で200P程度しかないので時間はあまりかかりませんが、ただひたすら暗い憂鬱な世界観が進んでいき、最後どうなるんだろうと気になったところに、衝撃の最後の一行で急に裏切られ、ひっくり返ります。「1984年」以来の衝撃です。
まあただ皆さんにお薦めは出来ませんね。 -
Posted by ブクログ
ニク ニク ニックン
ニク ニク ニックン
ニク ニク ニックン
ニク ニク ニックン
肉大好き〜♪
お肉大好き1Qです!
みなさんクリスマスにチキンは食べましたか?
もしかしたら、鶏肉が食べれるのは今のうちだけかもしれませんよ
いや、鶏肉だけに限らず牛に豚にあらゆる肉が食べれるのは今のうちかもしれませんよ
なぜなら近い将来、世界がこのような状況に陥るかもしれないからです
①世界規模で動物に致死性のウイルスが蔓延
②人間への感染が疑われるためあらゆる動物
が殺戮
③この世界から肉がなくなる
④人々は動物性たんぱく質を欲しがる
⑤だけど肉がない
⑥と、思ったら肉あるやん
そこら中に人間の肉あるやん
⑦肉を求めての共食いが始まる
⑧各国政府は共食いを止めるべく人間の
家畜化、人肉食を合法化する
⑨肉不足解消でめでたしめでたし
こんなショッキングな世界に興味ないです?
興味があるならぜひ本書を読んでみてください( ̄ー ̄)ニヤリ
あっ!
それと、人肉って美味しいんですかね?
誰か食べたことある人いたら教えてくださ〜い -
Posted by ブクログ
ネタバレパンデミックにより動物がほぼ淘汰され、人間を食肉用として家畜化することが合法化された近未来、食肉処理会社で働く男の姿を通して描かれたディストピアSFホラー。常識、倫理観、感情を激しく揺さぶられる一作。
動物感染症の蔓延によって畜肉の食用が不可能となってかつてない食糧危機が世界を襲う。動物性蛋白質を求めた一部の間で移民や貧民を狙う人肉の闇取引が横行する。食肉需要を充たそうとする圧力に押され、食肉用としてヒトを飼育・繁殖・屠畜することが合法化され、それらのヒトは〈頭〉と呼ばれていた。主人公マルコスは〈頭〉を解体し加工した〈特級肉〉を卸す食肉処理工場の重役だったが、待望の赤ん坊を喪い、妻とは距離が生れ、父親は認知症を患うなど私生活で鬱屈したものを抱えていた。ある日マルコスは最高級のメスの〈頭〉を家庭飼育用として譲り受けるが、彼はそのメスをジャスミンと名付け“人間扱い”するようになる。それはこの世界に於いて非合法であり禁忌であった……。
マルコスが働く様子を描く中で、〈頭〉が屠畜され、解体されて食用肉として加工されていく描写が詳細に描写される。〈頭〉は声帯を切除され、人間とのコミュニケーションは不可能とされており、また遺伝子操作と成長促進剤を投与を受けているものが多いが、それらを受けずに飼育されたものは〈純粋第一世代(PGP)〉としてその肉は〈特級肉〉として高値が付けられる。後半では〈頭〉を動物実験に用いる医学研究所や、〈頭〉ではない人間(負債など訳アリ)を狩りの対象にする狩猟場やハンターが登場する。人間が人間に対して行うから残虐行為でありホラーと捉えられるのだが、考えてみればそれらは現在の世界において人間が家畜その他の動物に対して普通に行っていることであり、今日自分達が口にした肉はそれと同じ過程で生産、加工されて食卓に上ったものなのだ。
また人間として生活している者であっても、法に触れれば最悪の場合自身も処理場に送られる―即ち食用肉とされる社会であり、さらには信徒の中から希望者を自ら食肉用に提供しようとする〈生贄教会〉や、流通させられない質の肉や非合法な肉を漁るアウトサイダーな集団〈腐肉業者〉なども描かれる。
マルコスは子どもを喪った後肉が食べられなくなったこと、人肉食そのものに批判的な思いを抱えている等が記されているが、彼が〈頭〉であったジャスミンと出会ったことで、そのような諦観と絶望に覆われた世界にどのように対峙していくのかと思いきや……描かれるラストはかなり衝撃的なもの。
作者A・バステリカはヴィーガンだという訳者あとがきを読んで腑に落ちたが、コロナ禍前の2017年発表というのはやや意外でもあった。何れにしてもエンターテインメント作品として愉しめるSFホラー作品というよりも、現代社会―就中消費と飽食が蔓延する資本主義社会に真正面から強烈な皮肉と警句を突き付けた現代文学、という印象を持った。