庵野ゆきのレビュー一覧
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ラノベ界のゆでたまご、庵野ゆき先生のシリーズ第3弾。
うーん、やっぱりシリーズ化したか。面白いし出版社が手放さんな。
魔法のない世界の竜という設定と、キャラ立てが秀逸。竜は環境である。それがいろんなメタファーになってるのが上手い。
何分深みがないのはしょうがないが、もう正直面白い。
最大最古の竜王の元に、なんと若い龍が托卵やってしまう。
生まれた、むっちゃ可愛い幼竜。面白くないわけがない。
人に対する医療と看護のメッセージみたいなんが時々我にかえらせるのと、変に詩的な表現が出るのが個人的には引くところがある。
まずはやっぱり、主人公の一人称という文体で、本人の文学的能力と表現が合ってないのが一番気持ち悪いところ。
何にしても面白い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ子竜チューダの翼の治療法を学ぶため、竜の医療先進国のイヅルにやってきたリョウたち。そこで片翼に異常があり骨接ぎ治療で飛べるようになった竜アルワンを見ます。
チューダの治療に希望を見出すリョウ。
イヅルの医療長官で英雄、リョウと同じヤポネ人のクズリの技術に感嘆するも、「優るる生」のため「断種」をしようとしているクズリの考え方に戸惑います。
アルワンの手術をとめようとするリョウたちは間に合うのか ―― 。
人間が自然に逆らい生きる個体を選んで良いのか、考えさせられます。確かに飛べない翼をもった竜が生まれるのは不幸かもしれないし、それによって人間が受ける被害も甚大なのかもしれませんが…。
でもチューダが元気に飛ぶ姿を見られたら、それはとても嬉しいことだと思うのです。チューダの為にカランバス国に来てくれたアルワン、ありがとう! -
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ネタバレイヅル行ったかー
今回は「医療の思想」がテーマなようだ。
「優るる生」を残し「断種」。その線引きは「誰」が、なんの「権利」があって下すものなのか。
まさに「優勢保護法による断種」が行われた日本の問題でもある。
医療は「生」を巡り常に矛盾を抱える。「生かす事が目的」だからではないか。慢性疾患、先天性の疾患の治療に追われる中で、それが最善かどうか。医師は常に問われ続ける。
それならいっそ「病の種」を断つ方が楽じゃん!と思っても不思議ではない。
「優るる生」の定義は「病がない事」なのか。「血統」「純血である事」「名家の血筋」なのか。それは作中ではわからない。しかし、どちらにしろ人間のちっぽけな脳が考え出した傲慢な思想だ。
グズリ医師が「羊たちの沈黙」に出てくるレスター教授のようで、時期をみていつか脱獄する予感。楽しみである。
それはそれとして、早くお爺ちゃんと赤ちゃんの話が読みたい!
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Posted by ブクログ
ネタバレ読み始める前、うら表紙に、「医療と人とのあり方を問う」と書いてあって、
あれ、今までそんな話だったっけ?
と少し意外だった。
この物語は、医療を通じて、リョウの人としての成長を描いているけれども……?
でも、読み進めたら、この巻はまさにそのとおりの内容だった。
奇跡の赤ちゃん竜・テューダの羽根の治療のため、竜医療先進国であるイヅル国へやってきた一行。
ニーナ先生が、竜の目を持つリョウを交渉のネタにしたため、リョウ、レオ、リリは留学という名目で同行している。
実際にやって来たイヅル国は、医療の技術も医師のレベルも高く、リョウたちは驚き感心するばかりだが、この国にも独特な民族差別・階級差別があった。
ヤポネ一族で竜の目をもつことが最上位の階級に位置づけられるため、竜の目を持つ子どもが生まれやすい遺伝子の結婚相手を国が推奨しているのだ。
天才外科医・クズリ医師はそのピラミッドの頂点におり、リョウのことを気に入って、ある勧誘をしてくる……。
――なるほど、人間にデザイナーズベイビー論を適用させている国では、竜の命すら選別しようという発想が出てくるんだねー。
クズリ医師は、イヅル国の在り方を是としているわけではない。むしろ、憎んでいるかのような空気を感じた。が、イヅル国で優遇されてきた自分に、国を批判する資格はない。その程度には、クズリ医師はフェアだ。根っからの独裁者気質だけれども。
「医療とは患者のため」程度の言葉では、この巻のそれぞれの医師たちの逸脱は説明できない。
誰もが、自分こそは「患者のための理想の医療」を考えているつもりなのだから。
「真に患者のための医療とはどんなものか」という問いに自縄自縛になりそうなリョウに、だからこそ、最後のニーナ医師の喝破が、ほんとうにスカッとした。
やっぱ、ニーナ先生、最高!
この物語は、じつはオトナがかっこいい。
今回、ナスターシャお嬢様の伯父・サイラト外交官も、ひじょうにかっこよかった。
リョウから見れば「悪代官みたい」なこの2人は、180度価値観の異なる国でも、己の足場を失わず、かつ柔軟性を保っている。
そして、お子ちゃまたちはみんな一生懸命がんばってる!
今回は、特権階級と差別される者の立場がひっくり返った。
リョウは生まれて初めて尊重され、優先扱いを受ける立場になった。それはそれで居心地悪いものなのだと知った。レオは、その場にいないものとして扱われたのは初めてだろうし、ナスターシャお嬢様は耳を隠さずに自然体で過ごせた。まあ、リリはいつもどおりだけどもw
リリとナスターシャが仲良くなって、わちゃわちゃしているところが、今回の癒しだった♪
そして、やっぱり圧巻はエピローグ。
ああ、この世界はやはり竜のものなのだなあ、と実感させられる。
「青のアスラン」と山吹色の赤ちゃんテューダの愛情あふれる邂逅に、うるっときた。
そう、医療はこのためにある。
病を克服した者が、次の患者に希望を渡すために。 -
Posted by ブクログ
シリーズ第4弾
チューダの翼の治療法を求め、最先端の竜医療国イヅルへ
イズルでも最高峰の技術を持つとクズリが寄せるリョウへの関心
イズルでの「優れた生」の思想、カランバスのヤボネだ虐げられてきた理由など、今回も考えさせられるテーマが描かれている
クズリが傾倒した「優れた生」の考えも、イズルでの「見える者」を生み出すために血統という考えが根底にあるのだろう
今回は舞台がイズルのため、チューダの出番が少なくて残念だが、その代わり青のアルワンが登場
次巻はどんな竜が登場してくるのか、チューダの治療はどうなるのか、続きが楽しみ
違和感としては、キャラクター紹介のクズリが若く描かれていること(笑)