ユーザーレビュー
Posted by ブクログ 2020年09月07日
これは好みドンピシャ!
女の人たちが皆カッコいい!
何より世界観がいい。丹導術という魔法が出てくるが、これはこの世界のエネルギー学とでもいうべき学問。
風、水、土、火、光などの分野があり…といえばありきたりに聞こえるが、これらは属性ではない。
例えば風使いは、風そのものを操るのではなく、振動や気...続きを読む圧、波動などの専門家。
その専門知識を元にして「比求式」という物理数式みたいなものを練り上げ、気圧などの自然現象を操作して、風を起こす。
風よ出でよ、といえば風が吹く、といった単純な話ではないところが面白い。
さらに水は、特殊な性質を持つ物体なので、操るのは至難の技なんだそうだ。
この水を巧みに操る方法を編み出した部族がいて、その描写も面白い。
実際、現実世界でも、水はかなり特殊な物質。
なのでこの設定には説得力がある。
物理トリビアが隠されていてワクワクする。
呪文を知っていて魔力があれば使える、というわけではなく、知識とセンスと閃きがモノを言うと言う点で、数学や将棋を思わせる。
自然、魔法合戦は知能合戦の様相を呈する。
戦う科学者といった感じだ。
戦いに冒険に陰謀劇に友情物語に師弟愛に…(読みようによっては百合にBLに)…となかなかのてんこもりっぷり。(笑)
人によっては散漫に思われるかな。
私はそのサービス精神、嫌いじゃないです。
引きずり込まれる異世界
蒲公英・椿 2020年07月18日
読み応えのある濃厚な作品。本文のイメージ通りの禅之助さんのイラストが素晴らしいが、この物語は光景が目に浮かぶところも秀逸だ。また、比求式と舞によって力が生み出されるというメカニズムをはじめ、理論上の裏付けがあるかと勘違いするほど、丹念な科学的検証がなされている。庵野ゆきさんはフォトグラファーと医師の...続きを読む共同ペンネームだそうだが、アニメで観たいと思わせるビジュアルと科学的なアプローチは、この組み合わせの賜物なのだろう。
そして、多彩な登場人物を見事に描き分けている。読者によって「推しメン」が割れるのではないか。私はウルーシャに入れ込んで読んだ。だから帯に書かれたウルーシャの紹介には断固抗議したい。(「調子のいい性格」と書かれている。)ミイアの偉そうな口調が何とも可愛く、難しい言葉をひらがなで喋っているのも微笑ましい。しかし「ミイア推し」の人には、サブキャラに主役の座を脅かされた感があって、物足りなかったかもしれない。次作以降でのミイアの大活躍を期待しよう。ミイアとタータ、タータとラセルタ、ウルーシャとハマーヌなどの掛け合いが面白くて、声に出して笑うことも度々だった。全員の口調が違うという、セリフの書き分けも見事だ。
これがデビュー作ということだが、ここまで綿密に異世界を構築するのに何年を要したのだろう。どこにも破綻がないので、あっという間に異世界に引きずり込まれた。読み終わって、ハマーヌとミイアが関わらなかったことや、アリアの登場シーンがほとんどなかったことなど、いささか未消化の部分もあると感じたが、続編(幻影の戦)が出ると聞いて合点がいった。描いていない部分があったのは、これがシリーズの第一作だったからなのだ。
ずっと続いてくれることを願っている。
楽しかった
adeletheshoeless 2020年07月18日
化学と物理学と魔法が合わさったような術を操る人々のお話。世界や歴史を様々な部族の視点から描いている。戦闘マンガ風に軽く読むこともできるが、よくよく読めばジェンダー論的な考察もあり。色々な読み解き方ができる。おすすめ。
Posted by ブクログ 2020年04月04日
ミイアとアリア姉妹。水蜘蛛族の女タータとラセルタ。ハマーヌとウルーシャの風と光の男術者コンビ。
それぞれが個性的で面白いんだけれど、一番好きなのはハマーヌ。男は黙って… なところがいいと思う。
Posted by ブクログ 2020年07月02日
水蜘蛛族の設定が面白くて、もっと掘り下げてくれても良かった。
ハマーヌのキャラクターがタータに対応するために作られた感ありすぎなのが欠点といえば欠点。
Posted by ブクログ 2020年05月24日
術式の設定が大変に魅力的で、それを生かした彫り師周辺の描写とか展開はすごく、わくわくした。
ハマーヌとウルーシャの二人がとても好きなんだけど、この二人がこの話に必要だったのか?と言われると謎に思ってしまう。
別の話にするか、二話構成の方がスッキリした気がする。
Posted by ブクログ 2020年09月02日
キャラクターは魅力的。ストーリーは既視感のあるものの継ぎ合わせのようで据わりが悪く、キャラクターが多い分とり散らかった印象を受ける。力についての説明はくだくだしい割にすごいからすごいとしか読めず。読むのにちょっと疲れたが、今後のアラーニャの女王ぶりは気になる。
Posted by ブクログ 2020年06月25日
砂漠の国、水使いの森、古き歴史を頼りに生きる人々。
世界観を見事に作り上げている。魔法の原理とビジュアルはやや想像しづらかった。