庵野ゆきのレビュー一覧
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ネタバレイヅル行ったかー
今回は「医療の思想」がテーマなようだ。
「優るる生」を残し「断種」。その線引きは「誰」が、なんの「権利」があって下すものなのか。
まさに「優勢保護法による断種」が行われた日本の問題でもある。
医療は「生」を巡り常に矛盾を抱える。「生かす事が目的」だからではないか。慢性疾患、先天性の疾患の治療に追われる中で、それが最善かどうか。医師は常に問われ続ける。
それならいっそ「病の種」を断つ方が楽じゃん!と思っても不思議ではない。
「優るる生」の定義は「病がない事」なのか。「血統」「純血である事」「名家の血筋」なのか。それは作中ではわからない。しかし、どちらにしろ人間のちっぽけな脳が考 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み始める前、うら表紙に、「医療と人とのあり方を問う」と書いてあって、
あれ、今までそんな話だったっけ?
と少し意外だった。
この物語は、医療を通じて、リョウの人としての成長を描いているけれども……?
でも、読み進めたら、この巻はまさにそのとおりの内容だった。
奇跡の赤ちゃん竜・テューダの羽根の治療のため、竜医療先進国であるイヅル国へやってきた一行。
ニーナ先生が、竜の目を持つリョウを交渉のネタにしたため、リョウ、レオ、リリは留学という名目で同行している。
実際にやって来たイヅル国は、医療の技術も医師のレベルも高く、リョウたちは驚き感心するばかりだが、この国にも独特な民族差別・階級差別があ -
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シリーズ第4弾
チューダの翼の治療法を求め、最先端の竜医療国イヅルへ
イズルでも最高峰の技術を持つとクズリが寄せるリョウへの関心
イズルでの「優れた生」の思想、カランバスのヤボネだ虐げられてきた理由など、今回も考えさせられるテーマが描かれている
クズリが傾倒した「優れた生」の考えも、イズルでの「見える者」を生み出すために血統という考えが根底にあるのだろう
今回は舞台がイズルのため、チューダの出番が少なくて残念だが、その代わり青のアルワンが登場
次巻はどんな竜が登場してくるのか、チューダの治療はどうなるのか、続きが楽しみ
違和感としては、キャラクター紹介のクズリが若く描かれていること( -
Posted by ブクログ
ネタバレ途中までは主人公たちと共に赤ん坊のチューダの可愛らしさを愛でるばかりで、飛べない竜を厭う人たちの考えがさっぱり分からなかったけれど、
ナスターシャの生い立ちが明かされることで、患者本人の健康とは別に、社会的な理由で疎まれる障害や疾患の存在に気付かされる。
ある種資源と捉えられている竜が機能不全であると分かった場合、人類が竜をどう見るかという視点を通して、現実の人間社会でも幸福な出産ばかりでないことを確かに思い出させられ、
そして、これまで描かれてきたディドウスの性格や、<竜は愛の生きもの>という設定を通して提示される、「悠久なる竜と同じように、万物を迷いなく愛せたなら」という思いに目頭が熱くな