川野芽生のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
なんか最近、アンソロジーばっか読んでるような…。
2019年12月刊行の日本SFアンソロジー。短編7編とエッセイ2編が載っています。
第1集の『一万年の午後』のレビューで書いたのですが、ちょっと良いレストランで頼む「おまかせコース」がまさにアンソロジーだと思います。
「おまかせ」とは言え、オードブルからデザートまで全てパイ包み焼きだったらイヤだし、全部がココナッツ風味だったらもっとイヤな訳です(笑 たとえ、どれも単品としては超美味しかったとしても!
その意味では編集者(本著エッセイで言うところの「アンソロジスト」)の役割は非常に大きく、しかも料理とは違って、「これはケーキだからデザート」的な -
Posted by ブクログ
同僚の教員が生徒に推薦していたので手に取りました。
ページはそれほど多くないのですが、登場人物一人ひとりの思考を読み解くのが難解でした。
ライトな読み口の小説を読むことが多いので、まるで実社会のように悩み葛藤する登場人物の姿を追いかけるのは、少し骨が折れます。
もう少し丁寧に時間をかけて登場人物それぞれの名前と性別、互いの人間関係を整理しながら読み進めればよかったのかもしれませんが、男だと思っていた登場人物がおんなだったり、またその逆もあったり、混乱する場面もありました。
「相手を思いやっているように見える行動も、自分の選択を自身に納得させるために他者を利用しているだけ」という指摘や、一人 -
Posted by ブクログ
感想
トランスジェンダーの手術費用の捻出、貧困、鬱に自殺率の増加、就職までに、カミングアウトの問題。色々問題山積みなんだな。
性に対する問題を垣間見た。
あらすじ
学校の演劇部。
人魚が王子に恋をする物語。滝内という女性のオリジナル脚本。
その脚本の内容や時代背景について議論する。
演劇部では性のあり方について悩むメンバーがいた。
それから数年経ち、大学生になったメンバーが再会する。マサはコロナでバイトができず、性転換できなかったことで見た目通りのまま男として生きていくことを余儀なくされていた。
人魚姫の人間になりたい願望の中での不完全さとマサのトランスジェンダーとしての心と身 -
Posted by ブクログ
表紙の絵から連想するような、何とも奇妙な世界が本の中に広がっている。
物語は絵画に例えると、まるでダリやヒエロニムス・ボスの絵のようだ。
それぞれの語は奇病という共通点でゆるく繋がっている。
あるものは鉤爪が生え、あるものは角が、あるものは翼が生える。
そのものたちがたどった人生。
隠れたもの、旅するもの、自由を得たもの。
物語ははっきりと終わりもしないし、始まりもしない。幽玄、奇想、なんという言葉がぴったりだろう?
著者の言葉の選び方はわかりやすさとは正反対のところにある。
それがまた、この独特で奇妙な世界を作り上げている。
正解を、わかりやすい結末を求める読者には何を言っているかわから -
Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物は一般的によく使われる喋り方や立ち振る舞いをしていないから、読みにくい部分がある。
そういう人物たちが活動する高校の演劇部が前半の舞台である。
主人公のトランスジェンダー女性、真砂は主役と して劇に出る。
しかし、大学入学後、真砂は女性として生きるのをやめてしまう。
そのきっかけの一つとなった葉月の話を読んで、なかなか難しいなと思った。
真砂(後に眞靑になる)はなりたい性別として生きられる社会を望んでいる。でも、葉月が葉月のやりたいように生きることを肯定できない。
誰にも迷惑をかけていないと言っても、誰かがある生き方を選択することで、その人以外にも影響があるかもしれない。何より、 -
-
Posted by ブクログ
冒頭、演劇部の部員が会話しているシーンで混乱する。一人称が「僕」だったり「わし」だったり
複数の男女が会話しているかのように見えるが、実際は(外見は)女性ばかり。
そもそも私は物語の登場人物の性自認がどうあれ嫌悪感はないが、どこかで薄らと(この人は女性の見た目だが元は男性)等と答えを知りたくなってしまう。
そのことが悪いことなのか分からないが、やはり決めつけようとするのは良くないのだろう。
真砂が性転換手術をしようとしたとき、両親は止めた。止めた理由がそれらしい理由なので、何となく納得してしまったし、実際真砂も止めてしまったのだが、何かモヤモヤした感じが残った。
踏み切って手術していれば、真