Blue

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1,650円 (税込)

8pt

【第170回 芥川賞候補作】
割りあてられた「男」という性別から解放され、高校の演劇部で人魚姫役を演じきった。
そんな真砂(まさご)が「女の子として生きようとすること」をやめざるをえなかったのは――。

『人魚姫』を翻案したオリジナル脚本『姫と人魚姫』を高校の文化祭で上演することになり、人魚姫を演じることになった真砂は、個性豊かな演劇部のメンバーと議論を交わし劇をつくりあげていく。しかし数年後、大学生になった当時の部員たちに再演の話が舞い込むも、真砂は「主演は他をあたって」と固辞してしまい……。

自分で選んだはずの生き方、しかし選択肢なんてなかった生き方。
社会規範によって揺さぶられる若きたましいを痛切に映しだす、いま最も読みたいトランスジェンダーの物語。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    登場人物が苗字やニックネーム、外見の特徴は徐々に分かるようになっており、性別を曖昧にしたところに作者の優しさを感じた。真砂を受け止めてくれる滝上や宇内がいるのに、他人の優しさに触れる度、自分に対する違和感が強くなり、変えられない身体に悩む真砂だった。高校の時は、まだ、限られた人しか関わらないため、自

    0
    2025年06月20日

    Posted by ブクログ

    最近好きな作家さんが芥川賞候補になってて嬉しい。物語の底に流れてる空気感が合うのかな。心理描写としてTwitterの投稿使うの、好きだな。私はコロナ禍をびよびよに生きて潜り抜けて謳歌してるけれど、時間が流れてしまったことで取り戻せないものってきっとたくさんあった。

    0
    2025年04月29日

    Posted by ブクログ

    高校の演劇部の5人を描いた前半から、卒業後に再会した時の関係を描く後半まで、トランスジェンダーである真砂の視点から描く。アンデルセンの人魚姫をモチーフに、マイノリティの精神的な苦悩ばかりでなく社会的な差別や圧倒的な不利益までを赤裸々に著し、読む者を深く考えさせる傑作。

    0
    2025年01月04日

    Posted by ブクログ

    青色が好きで、青に纏わる物語なら読んでみたいと思ったのが購入のきっかけ。でも、ページをめくり始めると最初に目に飛び込んでくる注意書き。読んでみると確かに昨今話題のテーマ。でもそれだけではなくて、人としての優しさとか葛藤とか、いろんなものが詰まっていた。
    個人的に滝上がとても好きなキャラ。私とは真逆な

    0
    2024年12月03日

    Posted by ブクログ

    自分の頭なの中みたい。登場人物たち全員に、知ってる。考えたことある。見たことある。どうしたらいいんだろうね。と思いながら読んだ。

    0
    2024年03月19日

    Posted by ブクログ

    第170回芥川賞候補作。

    主人公は身体が男性のトランスジェンダー。
    高校生の時にいったんは女性として生きていこうとするが、大学生になって男性に戻ってしまう。
    とても切なさが残る物語。

    作中に多様な性のあり方談義が飛び交う。
    シスジェンダーでヘテロセクシャルで、それこそが唯一の普通だと思い込んで育

    0
    2024年03月06日

    Posted by ブクログ

    現代もなお、ジェンダーに囚われている社会だが、狭い世界に属している間くらいは「自分の性」であろうとする高校生たちの暗黙の結束のようなものを感じる物語だった。同性を好きになってもいいし(もちろん叶うとは限らない)一人称も僕、俺、私、どれであってもかまわない。恐るべき迫害という行為はなくとも、若い人達を

    0
    2024年03月03日

    Posted by ブクログ

    「いま の わたしたちはそれをtransformと呼ぶべきではないようにかんじているわたしは ずっとそれであったのだからtransformではない」という一文に襟を正された。この作品はジェンダーについて本音と本音をぶつけた作品だと思う。最初に引用した文章にあるように“トランスジェンダー”という単語自

    0
    2024年02月12日

    Posted by ブクログ

    滝上の書いた人魚姫全編まとめて読ませてくれ…!めっちゃくちゃ繊細な文章で愛についての物語であの人魚姫読みたすぎるよ…
    愛とは?から自分とは?何を持って自分とするのか?みたいな根源的なテーマを読みやすく書いてあった。高校生が「好きになるってどういうこと?」みたいなの語ってるのすごいいいなーと思った。個

    0
    2025年08月06日

    Posted by ブクログ

    演劇がモチーフとされている作品だが、そうでなくても、美しい舞台を観ているような感覚にとらわれる作品だった。植物園で咲く花々を、遠くからだったり近くからだったり見て回るような、素敵な世界観だった。
    青というよりは、透き通った銀色かな、と思う。

    0
    2025年04月07日

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