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舷(ふなばた)から墜ちていった少年の名は、白菫(しろすみれ)といった。船は純真無垢な少年たちと智慧ある導師を乗せ、楽園を目指して天空の旅をしていた。かれの墜落死は不運な事故とされた。この希望に溢れた船上に、みずから身を投げる理由などあるはずがなかったから。けれど、親友の矢車菊(やぐるまぎく)には気がかりなことがあった……。幻想文学の新鋭による初の小説集。/【目次】無垢なる花たちのためのユートピア/白昼夢通信/人形街/最果ての実り/いつか明ける夜を/卒業の終わり/解説=石井千湖
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年01月08日
ひとつひとつの物語が、まるで私だけのために書かれたかのように、私の記憶や、心の奥にしまわれていた想いを思い出させる。
このような感想を抱くのは私だけなのだろうか?ふとそんな疑問を抱き、この感想を書いている。
もしあなたも同じような感想を抱いたのならば、この本は本物の奇跡でできているのかもしれない...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月13日
様々な世界観と雰囲気を持つ、それでいて作者の一本芯の通ったような、ロジカルな作風(文体ではなく世界観などの構成が)の幻想奇譚短編集。
全部で6篇ある。
全体的な感想としては、とても良い物語を読んだ!と全て読み終わってからしみじみ感動した。です。
ぜひぜひ作者さんには次回作を書いてほしい、書き続けてほ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月28日
真っ白な、それでいて少し仄暗いような世界に小さな銀色のホログラムの花びらが散っているような、
読んでいるとそんな感覚に包まれる、とっても惹き込まれる作品集。
とくに表題作と、対になる「卒業の終わり」が好き。
「最果ての実り」もお気に入りです。
全ての作品を通して、ことばも文章もとにかく美しい。
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Posted by ブクログ 2023年06月11日
表紙のような世界観の小説たち。最初と最後は対になっているかのような少年たちの話と少女たちの話。少し長め。
間の四つは短めの短編で、これまた独特の世界観。
表紙の内側、そでのところに幻想文学の新鋭とかかれていたけど、幻想!まさにその通りと思いました。
私は好みじゃないけど、こういう話が大好きな人はいそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月06日
歌人でもある著者による初の幻想小説集。雰囲気的にも文体的にも山尾悠子をややライトにしたような感じ。作品によってはSFファンタジー感もある。著者は、トールキンなどを研究している大学院生とのことで、少し納得してしまった。山尾悠子よりはさらりと読める分、少し物足りなさがないでもない。表題作も含め、全体的...続きを読む
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