トマス・ハリスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『羊たちの沈黙』などハンニバル・レクター博士シリーズでお馴染みのトマス・ハリス氏の新作『カリ・モーラ』が出版されたので読んでみました。
う~ん。まあまあ面白いんだけど、なにか満足感がないんだよね。
例えるなら、凄く面白い超大作の小説をむりやり2時間枠の映画に撮って、それを見せられた時に感じる心境って感じかな~。出来事がそれぞれ単発的に発生して、すぐに終わって、また次の出来事が起こって、そして終わるみたいな・・・。
ヒロインも登場する多数の悪役キャラクターもそれぞれ良いし、個々のエピソードも面白いんだけど、なんか全部さらっと駆け足でいってしまって心に残らないんですよね。
おしいな~、せめて本作は3部作にしてヒロインのカリ・モーラ以外の各キャラクターを掘り下げてほしかったなぁ。ちょっと残念。
では、読む価値がないかって言われたらそんなことはないですよ。
でてくるキャラクターがそれぞれ良い味を出しているからね。
特にヒロインのカリ・モーラの造形は秀逸。
コロンビアからの移民の彼女はアメリカのマイアミでの日々の生活に苦労しながらも獣医師を目指している25歳の美しき女性。
そして、彼女の周りに現れる登場人物が全員悪人(笑)。
本書のストーリーは簡単に言うとカリ・モーラがアルバイトで管理人を務めているいわく付きの大邸宅に隠された宝物をめぐって、海千山千の悪者達があの手この手を使ってその宝を奪おうとするというお話。
悪人の中には、ハンス・ペーター・シュナイダーというカリ・モーラ本人に異常で変態的な執着をみせる男もおり、シュナイダーのエロティックでグロテスクな想像力はこれでもかというくらい読者の神経を逆なでします。
もちろん、カリ・モーラも悪人達に黙ってやりたい放題させている訳ではない。そう、カリ・モーラにも実は隠された秘密があるのですよ。
と、物語はこんな感じなんだけどカリ・モーラの美しく、溌剌とした活躍は『トゥームレイダー』のララ・クロフトを彷彿とさせ、まさに手に汗握る冒険活劇と言っていいと思います。
まあ、本書は何となく終わってしまいますが、たぶん続編もできるでしょうから、今後のカリ・モーラの活躍を期待したいですね。 -
Posted by ブクログ
マイアミに暮らす美貌のカリ・モーラは25歳。
故国のコロンビアでの凄惨な過去を背負い、移民として働きながら、獣医になることを夢見ている。彼女は麻薬王の邸宅管理のバイトがきっかけで、屋敷に隠された金塊を狙う犯罪集団の作戦に巻き込まれ、彼らと対立する臓器密売商の猟奇殺人者シュナイダーの妄執の的になってしまう。
極色彩の恐怖と波乱の展開に震える傑作サイコ・スリラー。
(あらすじより)
羊たちの沈黙で有名なトマス・ハリスの13年ぶりの新作サイコ・スリラー。
女版ランボーの爆誕といった感じ。
故国コロンビアの内戦中に反政府ゲリラに拉致され、ゲリラ兵として過ごした暗い過去を持つ主人公兼ヒロイン。
ゆえに強すぎる(笑)
海兵隊上がりのマフィアより有能で、敵役の猟奇殺人者シュナイダーはヤバい奴だけど、タイマンになったら勝てなさそうな感じはしてた。
まぁ、ライオンがウサギの皮かぶってるんだから見破るの難しいし、初見殺しで決着でしたね。
ここで対決させずに今後も執拗に追ってくる感じで続けば良かったかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレうむむ。上巻の熱情に比べると、個人的には地味なように思う。というか、クラリスが都合のいい女になりすぎじゃないか? 男のロマンというか、マイ・フェア・レディというか。そうして作り出された彼女に私は魅力を感じなかった。
マーゴの方が興味深い。
(以下若干のネタバレあり)
しかし、概説を読むと、レクター博士シリーズとして、これまでと同じように、猟奇連続殺人事件を主軸として、レクター博士を絡ませて続けていく手法もあったはずだ。けれども、それをやめ、新たな方向性へ舵を切ったのは、確かに英断だしすごい。
あと、この物語が私にとって物足りないのは、私の心の中に抱いていた格好いいレクター博士から、より人間らしい、弱い一人の人間なのだと気づかされてしまったからかもしれない。確かに紳士かつ頭が良い天才で、狂気をはらみつつも性の危険性の無いおじさまっていうのは安全枠だ。
結局、美しいクラリスがチョロくお相手になるわけだがそれでいいのかって思う。レクター博士もそんな自分の作り上げた理想の美女相手に欲情しているなんて、単なるエロオヤジじゃないの!っていいたくなる。彼の破綻が見たい。あるいはクラリスの反逆が見たい。それは私のエゴなのだろう。
ハンニバル・ライジングはレクター博士の子供の頃の話。さて、どうなることやら。この先の時系列の物語を読むことが出来るのなら、それは幸せだろう。 -
Posted by ブクログ
何を考えてるかわからない怪物的なところがハンニバルの魅力だと思うのだけど、今回のでその魅力が減ったと考えるひとが多くいてもそれはしょうがないなぁと思える内容でした。
これは…うーん、そこまで衝撃の事実ってわけではない(実際あったらそりゃすごく辛いけど)想定内の展開と、特に魅力もないし誰が誰だか区別しづらいほど印象が薄い敵…それを淡々と始末していくという…なんだか物足りないような気がしてしまう。
文章もなんだか読みづらい部分が多かった。
あとやっぱ私も日本人なので気になるとこがちらほら。
ハンニバルの過去がどんなのであれ知りたいと思える人には面白いだろうけど、スリリングな展開や予想外の展開などを求めてる人には物足りない話、という感じでしょうか…