トマス・ハリスのレビュー一覧

  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    【2025年63冊目】
    誘拐された娘を救出するため、上院議員はレクター博士に面会し、取引の上で情報を引き出す。一方でクラリスは、訓練生としての地位が危うくなりつつも、独自の捜査を続けていた。再びレクター博士に面会したクラリスは、彼の発する言葉からヒントを得て、犯人の思考、過去の被害者の身辺に肉薄していく――。

    一気読みでした。映画のシーンを思い出しながらでしたが、クライマックスの建物内での描写にはハラハラさせられました。クラリスと犯人視点の両方が描かれてるのにシームレスに視点が切り替わるのが見事でした。翻訳者の方の腕も良かったのでしょう。

    しかし、レクター博士の滲み出る色気はなんなんでしょ

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    2025年06月08日
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)

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    【2025年62冊目】
    連続女性誘拐皮剥事件が世間を賑わすアメリカ。FBIの訓練生であるクラリス・スターリングは上部の要請で、ある一人の男を訪ねる。男の名はハンニバル・レクター。殺人を犯し、被害者の人肉を食べたことで精神異常犯罪者用病院に収監されている。クラリスは皮剥事件の犯人を割り出すため、レクター博士と応酬をすることになるが――。

    映画を見て「これは原作も読みたい!」と手に取った一冊。映画、結構原作に忠実に作られてたことがわかってまずはにっこりしています。映画でハンニバルを演じたアンソニー・ホプキンスを思い浮かべながら読んでいました。あの人、色気すごいですよね…。

    連続皮剥事件の犯人の

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    2025年06月07日
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    面白かった。
    「羊たちの沈黙」ではレクター博士がクラリスを癒して、「ハンニバル」ではクラリスがレクター博士を癒して、薬が使われたとはいえ幸せな終わりになった。
    FBIにとっては人材的に損失を被ってしまったけれど、評価されずに働いていたクラリスにとってこの結末は幸せなものだったのだろうか?
    いずれ洗脳が解けたとき、どちらかは死ぬことになるのか?
    ラストのグランドラーのシーンは今までされていた嫌がらせのことを考えてスッキリした。

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    2025年04月06日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    レクター博士らしいグロテスクな脱獄。
    そしてホテルでのしばしの安息と、クラリスに残したメッセージや新たに送った手紙など、良きキャラクター性。
    犯人も犯人で、母親の若き姿に憧れる洋裁が得意なオネエ寄りの男。愛犬を人質にとられ、愛犬のために髪の毛を諦めて頭から撃ち抜くか…と検討する。人間味も感じられ、個性的で好き。最期は呆気なかったが。
    クラリスが有能すぎるが、犯人の家を突き止めて偽名を名乗る犯人と対峙するところからワクワクする。


    子羊の悲鳴は止んだかい?クラリス

    クラリスの知る最も明敏な二人の人間のうち、一人は同時に彼女の知る最も堅実な人間であり、もう一人は最も恐ろしい人間だった。その二人

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    2024年10月09日
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    映画は好きで何回か見ているが、本書は思ったよりグロ表現が少なかった。それもあって、事件の凄惨さの割には読みやすい。
    やはり、レクター博士とクラリスの対話が一番面白い。話の流れは知っているものの、やっぱり面白くて一気に読めた。
    映画と比べて、クラリスの研修生として、男ばかりの中の女としての苦労などをより感じる。

    上巻はレクター博士に対し、協力してくれたら待遇を良くしてあげるとクラリスが説得したにも関わらず、実はそれを盗聴していたチルトンが横暴を働き、台無しにしてしまうまで。

    クラリスに精液をかけた房に入っている犯罪者に対し、レクター博士は言葉だけでそいつを自殺に追い込み、クラリスに謝罪するの

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    2024年10月02日
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    独特の緊張感が漂う。サイコスリラーというのかな? レクターという魅力的ではあるもののやはりただの人殺しであるという不思議な気分で読む事に。
    そこに見透かされるのか、興味が持続するかどうかという緊張感があり作品独自の面白さがそこにはあったと思う。

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    2024年04月19日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    映画(ハンニバルやレッドドラゴンは何回か観たけど、羊たち〜はいまだに観れていない……)もあってか、「ハンニバル・レクターの物語」という印象が強かったけど、あくまでほんの一部、「クラリス・スターリングの物語」なんだと実感した。

    上巻を読み、そして下巻を読んで、クラリスがさらに好きになった。

    読みながら、クレンドラー、チルトンには腑が煮え繰り返った……。

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    2023年03月25日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    ハンニバル•レクターがやはり大変魅力的な作品(魅力的と言ってしまうと俗っぽいが)。
    緊張感、レクター博士に出し抜かれる感覚、そして頭の中に映像が流れ込んでくるような緻密な情景描写。映像化に成功した作品としても頷ける。イイね!

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    2022年09月23日
  • 羊たちの沈黙(上下)合本版(新潮文庫)

    J

    購入済み

    映画のファンだから読んでみた

    良かった!先に映画を観てるのもあって、場面が容易に想像できて楽しめた。

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    2022年04月10日
  • ハンニバル・ライジング(上)(新潮文庫)

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    ハンニバル・レクターさんが「ハンニバル・カンニバル」になる事情が見えてくる幼少から青年時代のお話。
    とにかく文章の表現が美しい…と思いました。原語で読めばもっと味があるのでしょう。

    ハンニバル少年が影響を受ける日本人の叔母さんである紫夫人の日本人像がリアルな日本人からすると「フジヤマ・ゲイシャ」っぽいのだけど、日本文化への憧憬とリスペクトはきちんと感じられました。
    被爆した広島の禎子さんが血縁だったり、伊達政宗さんぽい人がご先祖だったりは、同じようなことを日本の小説でも外国人キャラに対してやっているのだろうからOK牧場です。
    海外の方にとって日本女性はかく神秘的なものであるのならば、らじ家の

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    2021年12月26日
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    この物語の最初にクラリスは「理解と共感は違う。その違いを知ることが大人になるということだ。」と言っていたけれど、前作の若い頃からクラリスはレクター博士を「理解」できていて、それが今作の最後では「共感」もできてしまったということなのかな。

    クラリスにとっては父親、レクター博士にとっては妹という心の大きな空洞があって、陰と陽が見事に噛み合ってしまった。もともと最初から自分たちは同族といった「理解」はあっただろうし、才色兼備な女性にありがちなクラリスの表層的な社会的鎧をレクター博士が薬と時間で溶かしてしまって、こういうラストになったのでしょう。

    共通の敵となって殺されたサディストが、食肉加工会社

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    2021年12月18日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    犯罪部分についてはこの本がこの手の内容では「金字塔」であるからか真新しさは感じない世代なのだけど、ちょっとした文章に深みを感じる作品でした。
    正直言って訳はイマイチだと思うけれどね。

    「羊たちの沈黙」は、クラリスが自分を高める努力を放棄したり、怠惰な暮らしで満足するようになってしまえば忘却されるのだろうけれど、クラリスがクラリスらしく生きていこうと限り、常にその静寂は破られていくのだろうね。

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    2021年12月12日
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)

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    アンソニー・ホプキンスさんのレクター博士のイメージはあるのだけど、お話の内容は全然覚えていないので再読。
    FBI訓練生のクラリスさんの成長が、連続殺人の被害者たちののどに押し込められた蛾の繭のイメージとリンクする感じ。
    今の自分から脱皮することは簡単ではないし、場合によっては脱皮の途中で死んでしまうほど危険なことでもあるけれど、やはり生物にとって物理的だろうが精神的だろうが「脱皮」は成長のために必要であり、潜在的な願望でもあるのだろうな。

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    2021年12月11日
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    原題 HANNIBAL

    7年の時を経て(作中で)再び回り出す歯車。

    レクターとスターリングは、たぶん二つの隣り合うパズルのピース。認識してるかしてないかの違いはあるけども…というのが最後の第六章「長いスプーン」を読んだ(ショックから立ち直った)後の、行き着いた感想。
    レクターもスターリングも、なぜそうなった?ではなく、もともとそういう〝存在〟だったと考えれば腑に落ちる…かな。

    それにしてもここで長いスプーンとは…天国と地獄、どっちだろ。

    なぜハンニバルという名前にしたかも気になって調べてみた。バアル(嵐と慈雨の神)の恵み、という意味があるみたい。悪(嵐)と善(慈雨)の恵み、としてみると

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    2021年02月13日
  • ハンニバル・ライジング(下)(新潮文庫)

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    映画の脚本がトマス・ハリスだというので観たい気もするけれど、勇気が出ないなぁ。レクター博士の生い立ちは壮絶でありながら文化・教養の素地も幼き頃に習得し、凶暴でありながら気品のある人物になったことがわかる。ただ、辛い生い立ちの有無に関係なくレクター博士は出来上がった気がする。凶暴性の現出は遺伝子とか自分で培えない持って生まれたものなのかなぁと。時間をおいて読み直すと新しい発見がありそうで楽しみ。

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    2021年01月24日
  • ハンニバル・ライジング(上)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    幼い頃から孤独な戦いが始まってた。日本とも所縁があることに驚いた。武士とか刀とか大東亜戦争とか、日本の文化や精神に、作者自身、並々ならぬ興味があるんだろうなぁ。紫夫人の浮世離れした雰囲気には、「日本人ってこんな風に描かれるのか」と驚いたが愛は感じる。レクターの幼少期に触れ、また『レッド・ドラゴン』から読み直したい気持ち。

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    2021年01月14日
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    再読。映画のラストシーンも記憶に鮮明に残っているのにハラハラドキドキ。もう読みたくないほど気持ち悪い場面も多いのに読む手を止められない。おそらくレクター博士のイタリアでの生活や山の中での生活様式が優雅で穏やかだからなのかなぁと。悪人というのは本当に魅力的で、だからこそ本当に危険。またどこかで読み直すであろう作品。

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    2020年11月08日
  • ハンニバル(上)(新潮文庫)

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    レクター博士は冷酷な食人鬼でありながら、冷静で知識教養があり、一人で生きていく力に満ち溢れている。そこがもうどうしようもないほどに魅力的に感じてしまう危険な人物。目を覆いたくなるような描写にうわぁ、と思うのに読むのを止められない。トマス・ハリス大好き!

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    2020年09月18日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    前回読んだ後は映画を観たけれど、今回は観たくないないかなぁ。グロテスクなものが観たくないからだけれど、本だとドキドキしてどんどん読めちゃう。レクター博士とクラリスのやり取りは事件関係なく日常生活が怖くなる。選ばれてしまった感というのか、気を抜くと背後にレクター博士が立っていそうな怖さ。社会に出しちゃいけない人が周到に用意し社会に放たれたままという絶望感。怖い。

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    2020年08月21日
  • ハンニバル・ライジング(下)(新潮文庫)

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    悲しい過去だけど、全員がレクターのようになるわけではない。なので、完成されたレクター博士に、どうしたらなるのか、もう少し知りたかった…

    紫とのやり取りは優雅で、知的だったし、あったまいいなーもう!本当に憎めないよ!という点は裏切られておらず、本当に満足だった。

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    2020年08月12日