トマス・ハリスのレビュー一覧

  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)

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    再読のはずなのにドキドキする。レクター博士とクラリス・スターリングのやり取りはウィル・グレアム(レッド・ドラゴン)に対してと同様に二人の共通点を探っているのではないかと思わせるところが怖い。早く下巻を読みたい。

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    2020年08月04日
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)

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    専門用語についての記載が多く、イマーゴゥという語を知った。中学生の頃に教科書で読んだエーミールの話はこのイメージで書かれたのかなと思った。

    心理学用語辞典を買いたくなった。

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    2020年07月19日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    ドラマ『クリミナル・マインド』でもそうなんだけど、残酷なことができる犯人には、もう生まれた時からの犯罪者と、成長していく過程での環境が影響しているタイプと、本当に精神的な病気を抱えている人などがいるけど、ガムはやっぱり過去に原因があったりして、こういう犯人は少しかわいそうだな、と思ってしまう。

    レクター博士はたぶん、生まれながらのタイプなんだろうけど、何というか、芸術的であって、知的だから、犯罪者なのに愛されるキャラになってしまう。魅力的すぎる!

    さて、続いて『ハンニバル』を読みます!

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    2020年03月29日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    映画は断片的にしか見たことがないので、読んで初めて知ったのだが、クラリスがまず捜査官ではあるものの教育実習生だったこと。
    これが頭にあって最初
    「この主人公でやっていけるのか?」という印象を持ってしまった。

    読んでて緊張したのは、捜査に抜擢されて優秀なベテラン捜査官のクロフォードの下でこなす任務に求められているレベルが高い。(少なくとも単純な、任務ではなく駆け引きを委ねられてる)
    そして、肝心のレクター博士とのやり取り、言葉の使い分けにまで気をつけなくてはならない。結構、押しが強いクラリス。失敗はできない。

    殺人鬼の造詣はさておき、タイムリミットが迫るのも緊張感につながり
    引き込まれたまま

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    2020年02月13日
  • カリ・モーラ(新潮文庫)

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    20200113 トマスハリスの新作。怪物と美女の対立構成はあるがどちらも現代風でテンポが早く、登場人物の名前と関係をメモしながら読まないとついていけなかった。そういう意味で本書は映画的なのだろう。読み終わりまで時間がかかったが読む時間の問題で結局は一気読みした快感が残る。

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    2020年01月13日
  • カリ・モーラ(新潮文庫)

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    積読で何となく手に取っていなかったけど、読み出したらサクッと一気。すぐに読めば良かった。グロテスクなんだけど、気を許せるところもあり。軽くなった。

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    2019年12月05日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    犯人は途中で分かっているので謎解き感は薄い
    犯人へどうたどりつくかの過程はスリリングで面白かった
    レクター博士が化けて逃げるところは定番の展開なので志村後ろ感があって楽しめた

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    2019年10月08日
  • カリ・モーラ(新潮文庫)

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    あのトマス・ハリスの「ヒロイン対サイコパスキラー」ものと期待して読むと肩透かしを食うかも。むしろ現代の冒険小説ものとして読むべき感じ。では、一連のレクターシリーズの続編のような期待値を差し引いても、サスペンスとしては中盤までの展開はいささか冗長に思う。一番の魅力はマイアミの港町の情緒感で、そのどこかゆったりした雰囲気の中に突発的に起きる殺伐とした現場のリアリティや、移民などの社会背景に詳しくない私は、そのへんにピンと来ていないのかも知れない。

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    2019年09月09日
  • カリ・モーラ(新潮文庫)

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    トマス・ハリスなので、もっとノワールなものを期待して読んだが…意外とスッキリした読後感。
    「羊たちの沈黙」で代表されるレクター博士ものとは一線を画した作品だった。
    カリ・モーラをヒロインとした連作ものにするのだろうか?
    作者には、もっと黒々とした重い作品を期待したいのだが

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    2019年08月14日
  • カリ・モーラ(新潮文庫)

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    ハンニバル・レクター博士を世に送り出した著者の新作を書店で見つけた時は、小躍りした。映画化もされた『羊たちの沈黙』でも女性が主人公だった。本作も女性が主人公であり、徐々に彼女の過去が語られつつ物語も進んでいく。本作品もいずれ映画化されるのではと、期待している。
    犯罪者がうごめくアメリカを舞台にした、容赦ない奴らの宝探しゲームに巻き込まれたヒロイン。最後のページまでハラハラ・ドキドキが止まらないスリラー小説。

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    2019年08月04日
  • カリ・モーラ(新潮文庫)

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    サイコスリラーというより、結構 ”活劇” だね。主人公カリがなかなか魅力的。この人の描く女性は、クラリスといいカリといい、クレバーでヤル女でカッコいい。悪者たちがちょっと物足りなかったかな。

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    2019年07月31日
  • カリ・モーラ(新潮文庫)

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    トマス・ハリス『カリ・モーラ』新潮文庫。

    まさかトマス・ハリスの新作が再び読めるとは思わなかった。『ハンニバル・ライジング』以来、13年ぶりの作品。タイトルの『カリ・モーラ』は主人公のマイアミで麻薬王の邸宅管理を行う25歳の美貌の女性の名前である。カリ・モーラが管理を任された邸宅に隠された金塊が眠る金庫を狙う変態的な臓器密売人のシュナイダーら犯罪集団が暗躍し、主人公のカリ・モーラも犯罪の渦中に巻き込まれるという一種のノワール小説。

    カリ・モーラの過去については本作の読みどころの一つなので、触れないようにしたい。カリ・モーラの活躍はまるで『羊たちの沈黙』のクラリス・スターリングのようで、変態

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    2019年07月29日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    種明かしの役割も担っているだけあって、上巻と比べると映画っぽい派手でアクション的な場面が増えます
    頭の中で映像が浮かんできそうな生々しさが凄い…

    タイトルの羊たち、そして表紙の蛾… これらのメタファー的役割に読み終えて初めて気づくとともに、伏線とその回収の凄さに舌を巻きました

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    2018年12月20日
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    途中やや退屈に感じる場面も多かったものの、レクター博士がメイスンにとらわれてからは怒涛の展開で面白かった。

    ただ、結末は映画のほうが好き。
    同調して共に歩んでいくことになるのならそれはそれでわかるのだけど、薬を射たれる前までのクラリスはレクター博士とあぁなることを望んでるようには見えなかったので、ちょっと唐突すぎるというか…。
    作者がクラリスを気に入ってるんだろうなという感じはするんだけど、あれではクラリスの人格だのなんだのを踏み躙りまくってるのでどう足掻いてもハッピーエンドではない。
    そこを狙って書いたのだとしたらあれはあれでいいバッドエンドなのかもしれないけど。

    個人的にはマーゴが好き

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    2018年05月15日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    このミス海外編1989年版1位。超有名な小説で題名は誰でも知ってるみたい。自分も昔映画で観たと思うんだけど全然覚えてなかった。やっぱ世界で読まれてる本は面白いです。翻訳ものは名前覚えるのがしんどかったりするのですが、これはかなり一気読み系で苦にならなかった。サイコパスとの心理戦、頭脳戦のやつ楽しいです。

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    2018年04月24日
  • ハンニバル(上)(新潮文庫)

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     満を持して、レクター博士を主軸に置いた物語である。
     冒頭を読むとアクション方面に風景が変わった?と驚くのだが、いやいやそれは猫だましのようなもので、アクションスリラーにはならない。大丈夫。

     バーニーの語るレクター博士像が美しい。
     「レクター博士は完璧なマナーを身につけていました。とはいっても、堅苦しいマナーではなく、優美で気取らないマナーを。あの頃自分(バーニー)はある通信教育のコースで学んでいたんですが、彼(レクター博士)はその学識をこちらに分け与えてくれた。といっても、チャンスと見たらこっちを殺そうという意思まで失くしていたわけじ一人の人間の中で人間のなかで、ある資質が別の資質を

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    2018年03月10日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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     みんな大好きレクター博士。品のある狂人ではなく、ものすごく怜悧かつ暴力的なのに意思が強くてそれを隠しているようなところが魅力的なんだろうか。正直、この事件の犯人よりレクター博士のほうが気になってしかたない。ある意味前作より犯人は不遇。

     あと、女性陣の生きてる、生き抜いてやるっていう命根性の汚さがすてきだ。男はロマンに生き、女はロマンを捨ててでも生きる。

     もちろん最後の台詞もいい……。

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    2018年03月05日
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)

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     みんなのアイドルレクター博士が活躍する作品。
     昔読んだ時も、羊たちの沈黙→レッドドラゴンの流れで読んだ気がする。ハンニバルも読んだのか、今の時点では若干うろ覚え。
     羊たちの沈黙は映画も見た。なので脳内で映像再生余裕である。

     昔の記憶よりも、クラリスが気丈でしたたか。
     そしてレクター博士が不気味過ぎる。やだ怖いこんなサイコパス。犯罪者でも人気者だなんてすごい。

     主軸となる事件よりも、レクター博士とクラリスのやりとりにはらはらする。いやクラリス自体に揺らぎがあり、彼女が誰かとやりとりするだけではらはらするのかも。いろんな意味で魅力的なヒロインだ。

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    2018年02月28日
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    感情と生命の飛沫が激しくぶつかり合う先に、何者をも沈黙させる果てない愛の深淵。

    ワインとトリュフの濃厚さかと思いきや、夜気に冷やされた絹のような感触。

    身体を全て相手に解かれ、眼の底や骨の髄まで感じ合う時間は、見る者にとっては異様ともとれますが、此れ程のまぼろしは愛の極致だと思います。

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    2017年05月12日
  • ハンニバル・ライジング(下)(新潮文庫)

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    医学部入学後。紫夫人との絶妙な距離感。翻訳フォローも入ってるんだろうけど、西洋の作家でここまで日本文化に寄り添った表現が多いのは珍しいように感じる。

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    2017年03月05日