トマス・ハリスのレビュー一覧

  • カリ・モーラ(新潮文庫)
    あのトマス・ハリスの「ヒロイン対サイコパスキラー」ものと期待して読むと肩透かしを食うかも。むしろ現代の冒険小説ものとして読むべき感じ。では、一連のレクターシリーズの続編のような期待値を差し引いても、サスペンスとしては中盤までの展開はいささか冗長に思う。一番の魅力はマイアミの港町の情緒感で、そのどこか...続きを読む
  • カリ・モーラ(新潮文庫)
    トマス・ハリスなので、もっとノワールなものを期待して読んだが…意外とスッキリした読後感。
    「羊たちの沈黙」で代表されるレクター博士ものとは一線を画した作品だった。
    カリ・モーラをヒロインとした連作ものにするのだろうか?
    作者には、もっと黒々とした重い作品を期待したいのだが
  • カリ・モーラ(新潮文庫)
    ハンニバル・レクター博士を世に送り出した著者の新作を書店で見つけた時は、小躍りした。映画化もされた『羊たちの沈黙』でも女性が主人公だった。本作も女性が主人公であり、徐々に彼女の過去が語られつつ物語も進んでいく。本作品もいずれ映画化されるのではと、期待している。
    犯罪者がうごめくアメリカを舞台にした、...続きを読む
  • カリ・モーラ(新潮文庫)
    サイコスリラーというより、結構 ”活劇” だね。主人公カリがなかなか魅力的。この人の描く女性は、クラリスといいカリといい、クレバーでヤル女でカッコいい。悪者たちがちょっと物足りなかったかな。
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)
    種明かしの役割も担っているだけあって、上巻と比べると映画っぽい派手でアクション的な場面が増えます
    頭の中で映像が浮かんできそうな生々しさが凄い…

    タイトルの羊たち、そして表紙の蛾… これらのメタファー的役割に読み終えて初めて気づくとともに、伏線とその回収の凄さに舌を巻きました
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)
    途中やや退屈に感じる場面も多かったものの、レクター博士がメイスンにとらわれてからは怒涛の展開で面白かった。

    ただ、結末は映画のほうが好き。
    同調して共に歩んでいくことになるのならそれはそれでわかるのだけど、薬を射たれる前までのクラリスはレクター博士とあぁなることを望んでるようには見えなかったので、...続きを読む
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)
    このミス海外編1989年版1位。超有名な小説で題名は誰でも知ってるみたい。自分も昔映画で観たと思うんだけど全然覚えてなかった。やっぱ世界で読まれてる本は面白いです。翻訳ものは名前覚えるのがしんどかったりするのですが、これはかなり一気読み系で苦にならなかった。サイコパスとの心理戦、頭脳戦のやつ楽しいで...続きを読む
  • ハンニバル(上)(新潮文庫)
     満を持して、レクター博士を主軸に置いた物語である。
     冒頭を読むとアクション方面に風景が変わった?と驚くのだが、いやいやそれは猫だましのようなもので、アクションスリラーにはならない。大丈夫。

     バーニーの語るレクター博士像が美しい。
     「レクター博士は完璧なマナーを身につけていました。とはいって...続きを読む
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)
     みんな大好きレクター博士。品のある狂人ではなく、ものすごく怜悧かつ暴力的なのに意思が強くてそれを隠しているようなところが魅力的なんだろうか。正直、この事件の犯人よりレクター博士のほうが気になってしかたない。ある意味前作より犯人は不遇。

     あと、女性陣の生きてる、生き抜いてやるっていう命根性の汚さ...続きを読む
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)
     みんなのアイドルレクター博士が活躍する作品。
     昔読んだ時も、羊たちの沈黙→レッドドラゴンの流れで読んだ気がする。ハンニバルも読んだのか、今の時点では若干うろ覚え。
     羊たちの沈黙は映画も見た。なので脳内で映像再生余裕である。

     昔の記憶よりも、クラリスが気丈でしたたか。
     そしてレクター博士が...続きを読む
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)
    感情と生命の飛沫が激しくぶつかり合う先に、何者をも沈黙させる果てない愛の深淵。

    ワインとトリュフの濃厚さかと思いきや、夜気に冷やされた絹のような感触。

    身体を全て相手に解かれ、眼の底や骨の髄まで感じ合う時間は、見る者にとっては異様ともとれますが、此れ程のまぼろしは愛の極致だと思います。
  • ハンニバル・ライジング(下)(新潮文庫)
    医学部入学後。紫夫人との絶妙な距離感。翻訳フォローも入ってるんだろうけど、西洋の作家でここまで日本文化に寄り添った表現が多いのは珍しいように感じる。
  • ハンニバル・ライジング(上)(新潮文庫)
    ハンニバルの反省、アメリカに渡る前の話。いかにしてハンニバルという人格が形成されたか。医学部入学前までの幼少期。
  • ハンニバル(上)(新潮文庫)
    映画は見てない。

    おい、レクターさん…というよりも、いやハリスおじさん…と言いたくなる。
    ハリスおじさんは、最後の章を描きたさにそもそもの初めから設定したんじゃないだろうか。
    クラリスは羊〜での活躍からFBI捜査官になれたわけだけど、ヒール役(もはや精神的SM相手)のクレンドラーの妨害なんかもあっ...続きを読む
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)
    映画は見てない。

    「ハンニバル」のほうになると作者のハリスおじさんの個人的嗜好がかなりすけて見えてくるのだが、羊たちの沈黙単体ではすごく出来の良い、良質なミステリーだと思う。

    2017年の時点で初めてこの本を読むと、さほど新しみは感じない(プロファイルとか、囚われの犯罪者との探り合いとか)けれど...続きを読む
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)
    読み終わってしまったー。
    ホラーでありミステリーでもあるのに、なに、この読後感の清々しさは!

    下巻ではレクター博士の出番は上巻ほどなかったけど、見せてくれるー。
    頭がよすぎて残酷極まりないキャラはすごいねー。

    もちろん、ジェイム•ガムの残虐さもすごいんだけど、レクター博士と頭の作りが違う。

    ...続きを読む
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)
    映画は見たことあるけど、原作を読むのは初めてー。
    やっぱり面白い!
    『レッドドラゴン』も好きだったけど、これも違った感じで好き。
    一気に読める。

    だいたい映画は原作を越えられないんだけど、
    このハンニバル•レクターの威圧感とオーラみたいなものは、映画のアンソニー•ホプキンスの方が小説のキャラよりも...続きを読む
  • ハンニバル(上)(新潮文庫)
    逃亡中のレクター博士とそれを追う人々の話。
    レクター博士だけでなく、それを追う周りの人たちのキャラもみんなたってて読みやすかった。
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)
    再読。
    久しぶりに読んでも面白い。新しい発見も多々あり、退屈することがない。ゆっくりと味わいながら読んでいるので少し時間はかかるけれど、下巻もじっくり味わいたい。
  • ハンニバル(上)(新潮文庫)
    レクター4部作のうち、3作目。前作の「羊たちの沈黙」では、監獄の中にいて、自由のない牢の中でも、精神的な自由を謳歌していたレクター博士。そんな彼が外の世界に飛び出し、肉体的にも自由な生活を営んでいたのが今作だ。その天才性を存分に発揮し、自らの欲望をとことんにまで追求していく彼の姿は、間違いなく「悪」...続きを読む