トマス・ハリスのレビュー一覧
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映画は断片的にしか見たことがないので、読んで初めて知ったのだが、クラリスがまず捜査官ではあるものの教育実習生だったこと。
これが頭にあって最初
「この主人公でやっていけるのか?」という印象を持ってしまった。
読んでて緊張したのは、捜査に抜擢されて優秀なベテラン捜査官のクロフォードの下でこなす任務に求められているレベルが高い。(少なくとも単純な、任務ではなく駆け引きを委ねられてる)
そして、肝心のレクター博士とのやり取り、言葉の使い分けにまで気をつけなくてはならない。結構、押しが強いクラリス。失敗はできない。
殺人鬼の造詣はさておき、タイムリミットが迫るのも緊張感につながり
引き込まれたまま -
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トマス・ハリス『カリ・モーラ』新潮文庫。
まさかトマス・ハリスの新作が再び読めるとは思わなかった。『ハンニバル・ライジング』以来、13年ぶりの作品。タイトルの『カリ・モーラ』は主人公のマイアミで麻薬王の邸宅管理を行う25歳の美貌の女性の名前である。カリ・モーラが管理を任された邸宅に隠された金塊が眠る金庫を狙う変態的な臓器密売人のシュナイダーら犯罪集団が暗躍し、主人公のカリ・モーラも犯罪の渦中に巻き込まれるという一種のノワール小説。
カリ・モーラの過去については本作の読みどころの一つなので、触れないようにしたい。カリ・モーラの活躍はまるで『羊たちの沈黙』のクラリス・スターリングのようで、変態 -
Posted by ブクログ
ネタバレ途中やや退屈に感じる場面も多かったものの、レクター博士がメイスンにとらわれてからは怒涛の展開で面白かった。
ただ、結末は映画のほうが好き。
同調して共に歩んでいくことになるのならそれはそれでわかるのだけど、薬を射たれる前までのクラリスはレクター博士とあぁなることを望んでるようには見えなかったので、ちょっと唐突すぎるというか…。
作者がクラリスを気に入ってるんだろうなという感じはするんだけど、あれではクラリスの人格だのなんだのを踏み躙りまくってるのでどう足掻いてもハッピーエンドではない。
そこを狙って書いたのだとしたらあれはあれでいいバッドエンドなのかもしれないけど。
個人的にはマーゴが好き -
Posted by ブクログ
満を持して、レクター博士を主軸に置いた物語である。
冒頭を読むとアクション方面に風景が変わった?と驚くのだが、いやいやそれは猫だましのようなもので、アクションスリラーにはならない。大丈夫。
バーニーの語るレクター博士像が美しい。
「レクター博士は完璧なマナーを身につけていました。とはいっても、堅苦しいマナーではなく、優美で気取らないマナーを。あの頃自分(バーニー)はある通信教育のコースで学んでいたんですが、彼(レクター博士)はその学識をこちらに分け与えてくれた。といっても、チャンスと見たらこっちを殺そうという意思まで失くしていたわけじ一人の人間の中で人間のなかで、ある資質が別の資質を -
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みんなのアイドルレクター博士が活躍する作品。
昔読んだ時も、羊たちの沈黙→レッドドラゴンの流れで読んだ気がする。ハンニバルも読んだのか、今の時点では若干うろ覚え。
羊たちの沈黙は映画も見た。なので脳内で映像再生余裕である。
昔の記憶よりも、クラリスが気丈でしたたか。
そしてレクター博士が不気味過ぎる。やだ怖いこんなサイコパス。犯罪者でも人気者だなんてすごい。
主軸となる事件よりも、レクター博士とクラリスのやりとりにはらはらする。いやクラリス自体に揺らぎがあり、彼女が誰かとやりとりするだけではらはらするのかも。いろんな意味で魅力的なヒロインだ。