トマス・ハリスのレビュー一覧

  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    自分の切なる祈りが一部しか聞き届けられなかったこのとき以来、ハンニバル・レクターが神の意図について思いを凝らすことは絶えてなかった。例外があったとすれば、神による殺戮に比べれば自分のなす殺戮など何程のものでもない、と思い知ったときくらいだろう。まこと神はその皮肉において比類なく、その気まぐれな悪意において計りがたい存在と言えよう。(p.72)

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    2020年07月15日
  • ハンニバル(上)(新潮文庫)

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    出だし、前回にも増して引き込まれて、物語の先が気になってしかたなかった。
    クレンドラーやメイソンという、ハンニバルに劣らないアクの強いキャラクターが登場したのも面白かった。
    フィレンツェという舞台も良い。そういえば、前作ではハンニバルが、自分の記憶だけにもとづいてフィレンツェの風景をスケッチしたシーンがあり、その時点で既に今作の伏線が出来ていたのかと驚いた。
    フィレンツェまではハンニバルの凄みが充分に発揮されていて、とてもスリリングだったのだけれども、なぜか、アメリカに戻ってから突然精彩を欠いてしまったのが残念。
    あれほど周到だったハンニバルの行動が、なぜか杜撰になり、あっけなく捕らえられてし

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    2020年07月15日
  • ハンニバル・ライジング(上)(新潮文庫)

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    「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士の生い立ちが明かされるという内容ですね。映画化もされるようです。


    レビューは下巻にて。

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    2009年10月04日
  • ハンニバル・ライジング(下)(新潮文庫)

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    【注)ネタバレ】


    日本をこんなに作中に取り入れてくれない方が、私としては楽しめたような気もします。特に、和歌は…ちょっと唐突でしたね。


    なんとなく、序盤にして復讐劇なんだろうなということは予測がつき、驚くべきであろう最後のポイントも博士の嗜好を知っていると想像がついたので、博士に魅力を残しながらどれだけ残忍な復讐方法をとらせることができるのかを楽しんで読ませてもらいました。

    終盤、血みどろになっての告白の場面は、復讐を果たしたことに加えて、当然の結果とはいえ彼女に否定されたことで彼が完成したのかと思うと、やはり淋しい。


    一気に読ませる面白さは十分あると思います。

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    2009年10月04日
  • ハンニバル・ライジング(上)(新潮文庫)

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    幼少期から青年期、戦争を通じ彼は地獄を経験します。犯した禁忌が彼を完成された”怪物”に..そして 開かれた扉が彼を無限の闇へと導いていくのです。これは始まりであって ”完成されたハンニバル・レクター”が誕生するのはこれから...そう思いたいですね。
    日本を絡めて書いて頂いたのはのはとてもありがたいのですが 特に日本でなくても
    良かった気がします。

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    2009年10月04日