トマス・ハリスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
出だし、前回にも増して引き込まれて、物語の先が気になってしかたなかった。
クレンドラーやメイソンという、ハンニバルに劣らないアクの強いキャラクターが登場したのも面白かった。
フィレンツェという舞台も良い。そういえば、前作ではハンニバルが、自分の記憶だけにもとづいてフィレンツェの風景をスケッチしたシーンがあり、その時点で既に今作の伏線が出来ていたのかと驚いた。
フィレンツェまではハンニバルの凄みが充分に発揮されていて、とてもスリリングだったのだけれども、なぜか、アメリカに戻ってから突然精彩を欠いてしまったのが残念。
あれほど周到だったハンニバルの行動が、なぜか杜撰になり、あっけなく捕らえられてし -
Posted by ブクログ
【注)ネタバレ】
日本をこんなに作中に取り入れてくれない方が、私としては楽しめたような気もします。特に、和歌は…ちょっと唐突でしたね。
なんとなく、序盤にして復讐劇なんだろうなということは予測がつき、驚くべきであろう最後のポイントも博士の嗜好を知っていると想像がついたので、博士に魅力を残しながらどれだけ残忍な復讐方法をとらせることができるのかを楽しんで読ませてもらいました。
終盤、血みどろになっての告白の場面は、復讐を果たしたことに加えて、当然の結果とはいえ彼女に否定されたことで彼が完成したのかと思うと、やはり淋しい。
一気に読ませる面白さは十分あると思います。