茂木健一郎のレビュー一覧
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非常に抽象的な内容なので理解が難しかったが、理解に苦しむことなどない身近な内容。
本書のキーワードになるのが、「偶有性」
第1章 脳は体験を整理し、知を創造する
第2章 生きて死ぬ人間の知恵
第3章 不確実な時代こそ脳が生きる
第4章 偶有性が脳を鍛える
第5章 偶然の幸運をつかむ脳の使い方
第6章 「自分」を離れて世界を見つめる
第7章 「他人」との関係から脳が育むもの
第8章 主語を入れ替えて考えてみる
第9章 脳に勇気を植えつける
その偶有性について
P.34 一回性の出来事は、半ば規則的で、半ば偶然であるという「偶有性」に満ちています。
第1章で著者は一回限りの出来事を脳 -
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人生の愛で方(いかに生きるか)を、最新の脳科学を引き合いに出しながらの小論集。
まえがきに「人生という具体の海に飛び込まなければならない」とあったんですが、このまえがきだけは、後から読み返してみてもさっぱりわかりません。こんなことで、以後、どこまで付き合えるか心配でしたが、本文の方は、全テーマ2〜3ページに要領よくまとめてあり、わかりやすかったです。
印象に残ったお話として、
1.京都で有名な「哲学の道」を歩いても閃かなかったのは何故か?
2.最近、よく目にするようになったセレンディビティという言葉の意味。使い方。
3.「世界は誰のものか」と問うてみる人間性
4.日本の科学離れは、いたずらに -
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まず、脳はクオリアっていうユニークな質感を感じて、それをポインタで指示する。このポインタを含めたクオリアの相互関係が「心」である、と言うようなことが書いてあったんだと思うんですが・・・難しくて・・・。それに著者も指摘しているように、「ポインタが指示する」ということは、「指示する何か(ホムンクルス)」が脳内に「存在する」ということなのか?という疑問もあります。そして、それこそが「心」なのではないかと。とすれば、これは心について書かれた本ではなく、心の材料について書かれた本であるようにも思うわけです。誤読の可能性、大いにあります。私が言えることは、「心についてはよくわからん」ということがわかった、
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他人との絶えざる競争の中、自信を失い、自分には創造性どころか、そもそも能力はないだ、と思いこんでいる人たちも多いのではないか。そのような思い込みを捨てることからしか、自らの中に眠る創造性を解放するプロセスは始まらない。後に見るように、生み出されたものが傑作であろうがなかろうが、天才的であろうがどうだろうが、そんなことは生きる現場においては2次的な意味しか持たないのである。人々が、それぞれの生きる現場において、自らが置かれた文脈を引き受けて様々な工夫を凝らす時、そこで生み出されたものは必ずや生において切実な意味を持つし、価値を持つ。それが他人から傑作として評価されるかどうかは、いわば「宝くじに当
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過去に自分がひらめいた瞬間がどういう環境であったかを反芻していたのですが、そうした瞬間というのは、自宅から最寄り駅に行く道や、いつも歩き慣れている道をリラックスして歩いている時がもっとも多かったのです。歩き慣れていない京都の「哲学の道」を歩くと、私はキョロキョロと周りの風景に目を奪われてしまって、脳がリラックス出来なくなってしまいます。つまりリアルタイム・オンラインで、時々刻々と周囲から入ってくる情報の処理に脳が手いっぱいの状態になっている。そんな時にひらめく余裕はさすがに誰の脳にもありません。(p.52)
ひらめきで重要なことの一つに、「メタ認知」というものがあります。
メタ認知とは、自分