ハン・ガンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
純文学にハマるきっかけになりそう
今まで純文学の楽しみ方の一つの「文章の手触り」みたいな部分全く魅力を感じていなかったけど、この本読んで雰囲気を掴めた気がする。
プロローグの時点で、
「滴り落ちる時間のしずくの一滴一滴は、カミソリの刃で作った玉のよう」とか想像を掻き立てる文章だ思ったし、
寒くなって霜が降りてきたら「木々は葉を落として次第に軽くなる。石や建物などの固いものたちは、微妙に重くなったように見える」みたいな何となくわかるけどそんなこと思ったことなかったなみたいな感覚が楽しみ方なんだろうなと思えた。
まだ当然よくわかんねーみたいなとこが大半だったけど↑の感覚が得られただけで読んで -
Posted by ブクログ
詩のような回顧録のような。
不思議な構成。
著者はとつとつと白いものについて綴る。
真っ白ではない。
もやのような。
グレーがかった…そんな白。
純粋や清らかさを表現した白ではなく、哀しみに包まれたような白。
冬のワルシャワ。
低く雲が垂れこめた世界は冷たい空気と静寂に包まれていて…。
著者は生後すぐに故郷で亡くなった姉に想いを馳せる。
若くして赤ん坊を亡くした彼女の母親にも。
それからこの地に残された大戦の爪痕からその哀しみに触れては言葉を紡ぐ。
それはまるで、白いものたちにさげる鎮魂歌のよう
タイトルのあとには、読者たちはどのような言葉を続けようとするのだろう
吟味されつくした訳文 -
Posted by ブクログ
彼女の著作は何冊か読んできたけれど、今回がもっとも理解しやすかった。このぐらい余白があって文字組みがゆったりしているとちょうどよい。
とはいえやっぱり抽象的な表現が多いので、気を緩めるとすぐに置いていかれてしまうのだけど。
「いちばん暗い夜にも」と題されたノーベル文学賞受賞所感がやけに胸に残った。
〈降りしきる雨脚を眺め、腕やふくらはぎを包む湿気を感じながら待っていたその一瞬、突然気づいたのです。私と肩をくっつけ合って立っている仲間たちも、向かいのビルの前にいるあの人たちも、その全員が全く同じように、「私」として生きているのだという事実を。私が雨を見ているのと同じように、あの人たち一人一人も