ハン・ガンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恥ずかしながら、本作を読むまで、済州島4.3事件のことは知りませんでした。夢なのか現実なのか分からない状態の中でのキョンハとインソンの語らいは淡々としているようでいて、心に深く染み入って来ます。作中で丁寧に描写されている雪の様子や、キョンハが思い浮かべる深海の様子とも深く重なるように感じました。読み進めるのは辛い内容であったけれど、この本を通じて事件のことを知れたことをありがたく思います。またこの事件に限らず、歴史上人が人に行ってきた残虐な行いを忘れないこと、過去のことにせず考え続けること(別れを告げないこと)の大切さを改めて感じることができました。
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Posted by ブクログ
一読しただけでは理解が及ばず、ユリイカの特集を読み再読。でもやっぱり難しかった。
二人の主人公はそれぞれ、言葉を失い、視力を失いつつある。私には本の最後、二人の物理的な距離は重なり合ったものの、心の距離が縮まることがないのではと感じられた。ギリシャ語講師は言葉を失った女を理解しないままだし、女はやっと言葉を取り戻したばかり。今後女が言葉を尽くしたとして、ギリシャ語講師は女を視力を失ったその目で見ようとするだろうか。私はそうは思わない。初恋の相手に綴った手紙のように想いが一方的で、簡単に過去を美化してしまうから。
どうしてこの物語がハン・ガンにとって「生きていくということに対する、私の最も明るい -
Posted by ブクログ
繊細だけれどとても鋭い、傷ついたり傷つけたりしてしまいそうな文章。そんな文章でしか書けない傷や悲しみ苦しさ、人生がある。それらの殆どの人生、物語には最後に光がさす、希望が垣間見える。前に進めるように開いた小説たち。それらは回復を促すように書かれたのかもしれない。
だけれど、ある短編の登場人物が「私を回復させないで欲しい」と願うように、残しておきたい傷や忘れるべきではない悲しみ苦しさもある。回復とは忘却にも近い。傷や悲しみ苦しさを忘れないために書き残された、そんな風にも思えた。
回復も忘却も、時間を使って人生が行使する必要な力だ。だけど、それに抗うように傷を悲し -
Posted by ブクログ
目が見えないこと、言葉が話せないこと。
それは死に半分くらい足を浸しているようなものだろう。
深い深い森の中にひとり生きているようなものだろう。
決して他人が理解できるものではない。
("そんなに簡単なことではありません")
闇の深さを、底に何かが横たわっていることを
かすかに伺い知れるのみ。
出会いとはすれ違いのことなのかもしれない。
面と向かってすれ違うことが出会うということなのかもしれない。
あなたは私の過去を知らない。私もあなたの過去を知らない。
ぼんやりとした暗闇の輪郭をなぞる。
触れ合うとは理解し合うことではないのだと初めて思った。
輪郭に触れる、輪郭を形成 -
Posted by ブクログ
私にとって、なんとも言えないくらい、とても衝撃を受けた本でした。落ち着いた場所で、静かに読むべき本のように思いました。じっくりと読んでも1度では足りないようにも思いました。
自分の目の前でその情景を見ているような感じがしました。登場人物の心の中の細かい描写に吸い込まれそうな感じを受けたときもありました。人の繊細な部分の表現の仕方が秀逸に思えました。身体の傷、心の傷、両方とも回復を願うだけではないときがあることを知りました。ハン・ガンさんがどういう思いでこの本を書いたのか、知りたいと思いました。(あとがきに訳者の説明がありました。)
今は、私よりもきちんとこの本を理解した方のレビューが読みた -
Posted by ブクログ
まだ成熟しききっていない韓国文学で、「韓国人」アイデンティティを萌芽させた第一人者として著者がいるのかもしれない。だからノーベル賞を受賞したのかなと思ったり、、まだこの作品しか読んでないから分かんないけど^_^
正直、他ノーベル受賞者の作品を読んだときのような世界観の壮大さや思想哲学に触れた感覚は受けない。けれど古代から中国という大国の影響を受け続け、日本に支配され、k-popで世界に繰り出す歴史を歩む、まさに「これから」を創り上げている国に生まれた作家なのだという印象。(ちなみに作品内容は全く関係ない)
急遽いくことになった韓国旅行で、ずっと読みたかったハンガンデビューできて嬉しかったな