ハン・ガンのレビュー一覧

  • 別れを告げない

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    ネタバレ

    「愛」についてのお話。
    翻訳者の力もあるのだろうけど、表現が独特で文章が美しかった。
    こちらでありあちらでもあり、この世でありあの世でもあり、現実であり夢でもあり、今であり過去でもある。象徴的に使われている(あとがきより)鳥や雪のように、寄るべなくふわりふわりと行きつ戻りつしながら話は進む。

    私は映画で光州事件や軍事政権をちらりと知るだけだったので、済州島四・三事件はもちろん知らず、あまりの惨事に驚いたけれど、韓国人ならみんな知っているはずなので、事件の衝撃性はこのお話のメインではないんだよね。

    兄の遺骨は見つからず、鳥も死んでたし、物語はちっともうまく進まないんだけれど、いろんな人が語る

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    2025年11月10日
  • 別れを告げない

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    夏に読んだのに、自分の吐く息が白く思えた。見えないもの、二度とさわれないものを強く思うひとびとの眼差しに触れた。

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    2025年10月22日
  • 別れを告げない

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    長いこと韓国語学習書のデザインしていたにも関わらず、済州島四・三事件を詳しく知らなかったので、恥ずかしくもあり、かなり勉強にもなりました。

    友人インソンさんが制作した1948済州島モノクロドキュメント映画のシーンがかなり衝撃的なのか、トラウマのように回想する、主人公のキョンハ。

    かなり高度な文学書だと思います。
    現在と回想シーンを、いったりきたり、
    現実と夢の中を、いったりきたり、
    喋り言葉と心の言葉の境目がなく、
    とにかく読み慣れるまで時間かかりましたが、キョンハの心の中と読み手側の心の中が少しずつ近づいていきます。

    大事に飼われていた二匹の鳥、アミとアマ。
    途中でアミが死んでしまった

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    2025年10月10日
  • ギリシャ語の時間

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    上白石萌音ちゃんが、紹介していて、今まで読んだ事のない本に出会いました。中動態については、あまり理解出来ておらず、ギリシャ語も無知なので、すらすらと頭には入ってこなかったのですが、愛する人を想う、心の表現がとても美しかったです。難聴の友達が、どんな景色を見て、どんな心境だったか想像する事が出来ました。もっとじっくり、読んでみます。

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    2025年09月11日
  • 回復する人間

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    「明るくなる前に」と「火とかげ」が好きだった。
    ハン・ガンが書く物語には結婚生活が破綻している人しか出てこないが、本人も離婚しているので何か自身の経験に基づくものがあるのだろうと考えた。

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    2025年08月02日
  • 回復する人間

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    もっと韓国という国、韓国人という独自性を全面に打ち出した内容かと思っていたが、日本人作家が書いたと言われても全く違和感がない現代性、普遍性。生きづらさに直面して足掻く人たちの物語で、どれも心をざわつかせて落ち着かない心持ちにさせた。

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    2025年07月04日
  • 回復する人間

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    ハン・ガン氏の小説は少し曇天の澄んだ空気を持つ初冬の朝をイメージさせる。不安定で漠然とした「何らかのものたち」を柔和で静謐な文章で書き表していく。人と人とが織り成す関係を丁寧に解きほぐして再構築する文体が印象的。失ったものもしくは失いつつあるものからの回復。記述的ではないけど抽象的でもない。「回復する人間」と「火とかげ」が個人的好み。

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    2025年06月24日
  • 回復する人間

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    登場人物たちはみな生きることに大層疲れている。生きていくことはなんて困難なことだろうと思った。それでも人間は回復する力がある。静かだが確かな力が。きっと自分にもあるんだと信じたい。自信はないけど。
    最後まで燃える心臓、フンザ、「黄色い模様のヨンウォン」など、主人公たちに力を与えるものがみな印象的で美しくとても素敵だった。ハン・ガンの文章はいつも映像が頭に浮かぶ。静寂で美しい時間だった。

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    2025年05月30日
  • 回復する人間

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    短編集。
    明るくなる前に
    回復する人間
    エウロパ
    フンザ
    青い石
    左手
    人とかげ

    危うさと脆さ、ギリギリのラインに立つ人、どの作品にも痛みがあり苦しい。でも、なんだろうか。生への思いが強く静かに届いてくる。

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    2025年05月02日
  • 回復する人間

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    ネタバレ

    初めての韓国文学で、初めてのハン・ガン。
    静謐な文体。読むうちに心が沈黙して、無我の境地になる。喪失からの静かな、みずからはそれと気づかないほどの細い細い糸のような回復。希望がほんのりと差し込んでくる。
    「時間とは流れるものではないのかもしれない」(p.141「青い石」)
    「私たちももともとはああだったけど、そのあとにいろいろプログラムされて、本来の状態を忘れて暮らしてるんじゃないかと思うわ」(p.261「火とかげ」)
    失ったものは取り戻せないけれど、それを置いてきた時間にいつでも戻れる。そこから回復の一歩を踏み出す。

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    2025年04月09日
  • 回復する人間

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    「火とかげ」に圧倒された。途中出てくるTears In Heavenのエピソード知らなかったので、改めて聴いて心に沁みた。「左手」だけ他の作品と違った作風だったが、先が気になりグングン読んだ。どの作品も人が傷つき回復する様が丁寧に描かれていた。自分が辛い時に読んだらきっと、もっとハマると思う。そんな時、この本を思い出して、また読みたいと思う

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    2025年01月25日
  • 回復する人間

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    繊細だけれどとても鋭い、傷ついたり傷つけたりしてしまいそうな文章。そんな文章でしか書けない傷や悲しみ苦しさ、人生がある。それらの殆どの人生、物語には最後に光がさす、希望が垣間見える。前に進めるように開いた小説たち。それらは回復を促すように書かれたのかもしれない。
    だけれど、ある短編の登場人物が「私を回復させないで欲しい」と願うように、残しておきたい傷や忘れるべきではない悲しみ苦しさもある。回復とは忘却にも近い。傷や悲しみ苦しさを忘れないために書き残された、そんな風にも思えた。
    回復も忘却も、時間を使って人生が行使する必要な力だ。だけど、それに抗うように傷を悲し

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    2025年01月11日
  • すべての、白いものたちの

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    ハン・ガン『すべての、白いものたちの』(斎藤真理子訳、河出文庫)読書ノート

    2024年ノーベル文学賞受賞作。韓国人として、アジアの女性作家としても初めての受賞である。

    書誌と構成
    原題『흰』(2016年)。65の短い断章。三部構成。
    「1 私」
    「2 彼女」
    「3 すべての、白いものたちの」
    白いものの目録から始まる。おくるみ、うぶぎ、しお、ゆき、こおり、つき、こめ、なみ、はくもくれん、しろいとり、しろくわらう、はくし、しろいいぬ、はくはつ、寿衣。誕生から死までの弧を、白いものでなぞっている。

    語り手は破壊と再建を繰り返した街(ワルシャワを思わせる)に滞在する。母が22歳のとき一人で産ん

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    2026年08月21日
  • 私の女の実

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    息をのむほどに美しく
    どこかヒリヒリとした痛みが伴う
    圧倒的な文学の世界に酔いしれました♡

    ハンガンさん好きだわ〜♡



    表題作をはじめ収録されているのは
    生きることの息苦しさや
    人間関係のなかで傷を抱えた人々の
    静かな営みを描いた物語_

    ハンガンさんの紡ぐ言葉は
    とてもひんやりとしていて静謐…
    登場人物たちの「孤独」や「生」の痛みが
    リアルに胸に刺さりました!



    ある日突然
    植物になっていく妻を描いた世界観など
    現実と幻想のあわいを漂うような
    不思議で切ない余韻がたまらなく良かった〜!

    生きることは
    きっと傷を負うことと同義なのかも…
    これからもハンガンさんの作品を
    追いかけ

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    2026年08月20日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    まず著者名が良い。これだけで半分勝利したようなもの。アンマン、ガンマン、「ハン・ガン」。完璧な4文字。漢字も「韓江」で象徴的だ。更にノーベル文学賞受賞――もはや読まずとも名作。次にあえて読点で区切った意味深長なタイトル。これで興味を惹かないわけがない。駄目押しの神秘的かつ微妙に慈愛を醸し出している表紙は、目にした時点でうっすら感動するだろう。でも「ノーベル賞受賞」の帯は最高にダサい。せっかくのオーラを打ち消している。

    詩のようで日記のようで私小説でありそれら全てを成す、流麗で無駄のない文章は惹き込まれる。
    しかしある種のコンセプトが見えてくると、少しつまづく。
    中途半端に意図が解るために、説

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    2026年08月16日
  • すべての、白いものたちの

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    読み終わった後の訳者の解説で読み方がわかった
    また再読したら大分印象が変わると思う

    ここまで抽象的に感じる小説ははじめて
    文章が綺麗だなと思った、けど、綺麗を感じる文章が原文で読めないのはすこしもどかしかった
    ネイティブじゃないと本当の綺麗さはわからないから難しいけども

    「もう少し経ったら、残りの部分も完全に透き通ってしまうだろう。翼はもはや翼ではないものになり、蝶はもはや蝶でないものになるだろう。」

    「産着が寿衣になった。おくるみがひつぎになった。」

    アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつな

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    2026年08月06日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    まっしろな「ハヤン」ではなく生と死の寂しさをたたえる「ヒン」を題材として、生後2時間で亡くなった姉の死と私の生について描かれた本。
    あとがきを読むまでわからなかった。第2章に出てきた「彼女」は、第1章にでてきた「私」の生を受けて歩いている姉の姿だと。

    感性が研ぎ澄まされないと理解しにくく、殺伐とした通勤電車の中で読むには難しい本。それでもソウルやワルシャワの街の風景や生活が綺麗だと思った。

    詩のような

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    2026年08月02日
  • すべての、白いものたちの

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    2026/45
    「白」のお話
    おくるみの話が生命を感じられて好き
    私は2月生まれなので、生まれた時の季節を感じられるのも良い
    あなたは大切な人であり、あなたは清潔な眠りに守られるべきで、あなたが生きてることは恥ではない(p85)
    「흰(ヒン)」ってなんだろう?と思ったけど、生と死の寂しさの色について書いていたのね
    余白が印象的で、無音の中で読みたくなる作品でした

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    2026年07月27日
  • ギリシャ語の時間

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    ネタバレ

    NHKあさいちで、上白石萌音さんが紹介していた本。タイトルも気になり、手に取った。
    視力を失っていく男性と、言葉が話せなくなった女性のお話。
    内容はちょっと難しく、わかりにくく感じた。主語が明確ではないので、誰が話をしているのかわからない。誰が話しているんだろう?と常に考えながら読まなければいけない。

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    2026年07月26日
  • すべての、白いものたちの

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    エッセイのように感じた
    ずっと冷たい冬の中の世界
    亡くなったひとへの記憶と白いものたちへの繋がり
    こういうのってずっと記憶に残るんだろうな
    ハン・ガンさん初めて読んだけど言葉選びが好きだった(訳によるのかもだけれど)

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    2026年07月18日