ハン・ガンのレビュー一覧
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ネタバレ「愛」についてのお話。
翻訳者の力もあるのだろうけど、表現が独特で文章が美しかった。
こちらでありあちらでもあり、この世でありあの世でもあり、現実であり夢でもあり、今であり過去でもある。象徴的に使われている(あとがきより)鳥や雪のように、寄るべなくふわりふわりと行きつ戻りつしながら話は進む。
私は映画で光州事件や軍事政権をちらりと知るだけだったので、済州島四・三事件はもちろん知らず、あまりの惨事に驚いたけれど、韓国人ならみんな知っているはずなので、事件の衝撃性はこのお話のメインではないんだよね。
兄の遺骨は見つからず、鳥も死んでたし、物語はちっともうまく進まないんだけれど、いろんな人が語る -
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長いこと韓国語学習書のデザインしていたにも関わらず、済州島四・三事件を詳しく知らなかったので、恥ずかしくもあり、かなり勉強にもなりました。
友人インソンさんが制作した1948済州島モノクロドキュメント映画のシーンがかなり衝撃的なのか、トラウマのように回想する、主人公のキョンハ。
かなり高度な文学書だと思います。
現在と回想シーンを、いったりきたり、
現実と夢の中を、いったりきたり、
喋り言葉と心の言葉の境目がなく、
とにかく読み慣れるまで時間かかりましたが、キョンハの心の中と読み手側の心の中が少しずつ近づいていきます。
大事に飼われていた二匹の鳥、アミとアマ。
途中でアミが死んでしまった -
Posted by ブクログ
繊細だけれどとても鋭い、傷ついたり傷つけたりしてしまいそうな文章。そんな文章でしか書けない傷や悲しみ苦しさ、人生がある。それらの殆どの人生、物語には最後に光がさす、希望が垣間見える。前に進めるように開いた小説たち。それらは回復を促すように書かれたのかもしれない。
だけれど、ある短編の登場人物が「私を回復させないで欲しい」と願うように、残しておきたい傷や忘れるべきではない悲しみ苦しさもある。回復とは忘却にも近い。傷や悲しみ苦しさを忘れないために書き残された、そんな風にも思えた。
回復も忘却も、時間を使って人生が行使する必要な力だ。だけど、それに抗うように傷を悲し -
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ハン・ガン『すべての、白いものたちの』(斎藤真理子訳、河出文庫)読書ノート
2024年ノーベル文学賞受賞作。韓国人として、アジアの女性作家としても初めての受賞である。
書誌と構成
原題『흰』(2016年)。65の短い断章。三部構成。
「1 私」
「2 彼女」
「3 すべての、白いものたちの」
白いものの目録から始まる。おくるみ、うぶぎ、しお、ゆき、こおり、つき、こめ、なみ、はくもくれん、しろいとり、しろくわらう、はくし、しろいいぬ、はくはつ、寿衣。誕生から死までの弧を、白いものでなぞっている。
語り手は破壊と再建を繰り返した街(ワルシャワを思わせる)に滞在する。母が22歳のとき一人で産ん -
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息をのむほどに美しく
どこかヒリヒリとした痛みが伴う
圧倒的な文学の世界に酔いしれました♡
ハンガンさん好きだわ〜♡
表題作をはじめ収録されているのは
生きることの息苦しさや
人間関係のなかで傷を抱えた人々の
静かな営みを描いた物語_
ハンガンさんの紡ぐ言葉は
とてもひんやりとしていて静謐…
登場人物たちの「孤独」や「生」の痛みが
リアルに胸に刺さりました!
ある日突然
植物になっていく妻を描いた世界観など
現実と幻想のあわいを漂うような
不思議で切ない余韻がたまらなく良かった〜!
生きることは
きっと傷を負うことと同義なのかも…
これからもハンガンさんの作品を
追いかけ -
Posted by ブクログ
ネタバレまず著者名が良い。これだけで半分勝利したようなもの。アンマン、ガンマン、「ハン・ガン」。完璧な4文字。漢字も「韓江」で象徴的だ。更にノーベル文学賞受賞――もはや読まずとも名作。次にあえて読点で区切った意味深長なタイトル。これで興味を惹かないわけがない。駄目押しの神秘的かつ微妙に慈愛を醸し出している表紙は、目にした時点でうっすら感動するだろう。でも「ノーベル賞受賞」の帯は最高にダサい。せっかくのオーラを打ち消している。
詩のようで日記のようで私小説でありそれら全てを成す、流麗で無駄のない文章は惹き込まれる。
しかしある種のコンセプトが見えてくると、少しつまづく。
中途半端に意図が解るために、説 -
Posted by ブクログ
読み終わった後の訳者の解説で読み方がわかった
また再読したら大分印象が変わると思う
ここまで抽象的に感じる小説ははじめて
文章が綺麗だなと思った、けど、綺麗を感じる文章が原文で読めないのはすこしもどかしかった
ネイティブじゃないと本当の綺麗さはわからないから難しいけども
「もう少し経ったら、残りの部分も完全に透き通ってしまうだろう。翼はもはや翼ではないものになり、蝶はもはや蝶でないものになるだろう。」
「産着が寿衣になった。おくるみがひつぎになった。」
アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつな