ハン・ガンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ祝ハン・ガン、ノーベル文学賞受賞!ちょうど『すべての、白いものたちの』を読み終え、本作『ギリシャ語の時間』を読み出したところだった。Youtubeで発表会見を見ていて、South Korean author Han Kangと読み上げられ、ハン・ガン?!とテンション上がりました。そのテンションであっという間に読んだ。
訳者あとがきでよく解説されているのだが、
...彼女のテーマが徐々に、恢復と再生の方向へ向かって変化してきたことがわかる。
とあるように、著者自身が「この本は、生きていくということに対する、私の最も明るい答え」とあるように、あとがきに戻るが
...繁栄と孤独が背中合わせになった -
Posted by ブクログ
ネタバレ「回復する人間」というタイトルがぴったりの、7つの短編集。
さまざまな種類の痛みが描かれていた。
私の経験にかなり近い感覚を登場人物たちの中に見たり、語られる言葉によって気付かされることもあり、興味深いながら苦しい読書でもあった。まるで自分の抱えた問題のようにも感じられてくる。他人事と切り捨てることはできない。
折り合いをつけて生きようとする女性たちの、揺れている心が魅力的に見える瞬間もあった。真剣に向き合いながら傷ついている姿は痛ましいはずなのに。
この中では「左手」という作品の印象が強い。自らを追い詰めていく主人公に、ひとつの救いも用意されていなかったからかもしれない。ひとつ間違えば、自分 -
Posted by ブクログ
ネタバレノーベル文学賞で話題になったハン・ガンの作品を2025年最初に読んでみました…
とにかく…すごかった←
#別れを告げない
幻想的で静謐な語り口で、一九四八年に済州島で起きた虐殺事件について掘り下げていく。人が人にたいしてなし得るもっとも残酷なことを、語り手の女性と、その友人は、生死の境があいまいな空間で話し続ける。
すごく不思議な世界観の中で残虐的な歴史が解説されていくのが…少し読みにくいと感じたりもしたけど…一回読んだだけではこの本の半分も理解出来なかったんだと思うけど…訳文がものすごく美しく…そして悲しくてせつなくて…こんな歴史があったんだなと…読めてよかったと思いました。 -
Posted by ブクログ
2024年のノーベル文学賞受賞ということで、韓国の作家さんはあまり読んだことがないのもあり、読んでみた。
初めに言っておきたいのだが、「かなり持っていかれる」ので、疲れていたり、沈んでいたり…はもちろんだけれど、そもそも痛いことやグロいことが苦手という方は、慎重に手に取った方がいい、と思う。
初めの2ページあたりまでで、実は数ヶ月読むのをやめていた。なんとなく、感じるのよね…読書が好きな方ならわかると思うけれど、本から吹いてくる風のようなもの…それがどんな種類で、それを受けると自分がどうなるか…匂い、重み、後味…
なかなか簡単ではないです。
作者のハン・ガンさんが自ら語ったところによる