ハン・ガンのレビュー一覧

  • ギリシャ語の時間

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    訳者あとがきにあった「和解のできなさ」という言葉がしっくりきた。世界と和解できないまま生きていくことの苦しみが、とても美しい文章で描かれている。引用される古代ギリシャ語、哲学などのエピソードも作品にうまく融和していて、特に「かすかな光でも存在しないところにイデアはない」という部分が好きだった。
    「和解のできなさ」を抱えたままでも光はある。そう信じたい。

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    2024年12月30日
  • ギリシャ語の時間

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    言葉を話せなくなった女と視力を失いつつある男の話し。

    社会の矛盾や歪みを一手に引き受けたような2人が出会い、言葉や論理以前の世界を直接的に経験をする。再生への希望をほんのりと感じるラストが素敵でした。

    とても内省的で瞑想的な思考で進んでいき、詩的で哲学的で幻想的な、とても静かな小説。

    マイノリティなんて生優しい話しではなく、もはや点になってしまった人の再生の話し。

    設定は全然違うけど「菜食主義者」の続編と言っても良いような流れを感じる。

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    2024年12月04日
  • ギリシャ語の時間

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    「誰もが必ず自分の体の分だけ物理的な空間を占有するが、声はそれよりもはるかに広がる。彼女はただ、声で場所を取るのが嫌いだった」母親を亡くし、息子の親権も失い失語症になったギリシャ語受講生の女性。「目の炎症が目を破壊して見えなくさせ、錆が鉄を破壊して完全に粉々にしてしまう。そうであれば人間の魂はなぜ、内なる愚かな、悪しき属性によって破壊されないのでしょうか?」遺伝性の疾患により視力を失いつつある講師の男性。二人は互いに抱える苦しみにより近づき、それぞれの傷付いたフラジャイルな魂に手を差し伸べる。他の作品と同じように、物語の中に散りばめられた詩や比喩や悪夢が二人の心象風景を仄暗く浮かび上がらせる。

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    2024年12月02日
  • ギリシャ語の時間

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    「未来散歩練習」を読んでから、韓国の女性作家の本をもっと読みたいという気持ちになって、ずっと積読してあった「ギリシャ語の時間」に手を伸ばした(ノーベル文学賞もあったし!)。
    ぼんやりとした暗闇と、それと対をなすみたいなギリシャ語の教室の蛍光灯(私にはそんな印象)の明るさが、印象に残る。私はこの暗さも明るさも知っているようだなと思った。暗さの方がかえって、自分にとって正しいと感じられることをわからせてくれる、底力のような明るさがある感じ。ギリシャ語講師の男が、明るすぎるよりよく見えると言っていたのはもしかして、そういうことかなとも思った。
    途中まではこの話はどこへ行くんだろうとチロチロ進んでいく

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    2024年11月17日
  • 回復する人間

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    私にとって、なんとも言えないくらい、とても衝撃を受けた本でした。落ち着いた場所で、静かに読むべき本のように思いました。じっくりと読んでも1度では足りないようにも思いました。

    自分の目の前でその情景を見ているような感じがしました。登場人物の心の中の細かい描写に吸い込まれそうな感じを受けたときもありました。人の繊細な部分の表現の仕方が秀逸に思えました。身体の傷、心の傷、両方とも回復を願うだけではないときがあることを知りました。ハン・ガンさんがどういう思いでこの本を書いたのか、知りたいと思いました。(あとがきに訳者の説明がありました。)

    今は、私よりもきちんとこの本を理解した方のレビューが読みた

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    2024年11月11日
  • 回復する人間

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    受賞後に読み始め、3冊目。
    左手、が特に印象的だった。
    自分が無意識に抑圧してきたことや
    傷ついてきたこと
    それらを無かったことにしないで、自分の一部として大切にして良いのだと感じつつある。
    影が深まることで、光がより明瞭に感じられて。

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    2024年10月16日
  • 回復する人間

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    最初はとっつきにくい印象を受けたが、とても詩的で美しい物語。孤独と刹那さに打ちのめされそうでありながら、微かな光が必ずあって、作者の方は凄く繊細で表現力が豊かな方なのだと感動した。

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    2024年06月07日
  • ギリシャ語の時間

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    自分もテレビで上白石萌音さんが勧めていたので
    読んでみました
    初めての韓国文学
    ハンガンさんは詩人でもあるということで詩的な表現にも納得
    ただ内容はあまり入ってこなかったというのが正直なところ

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    2026年02月15日
  • 光と糸

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    彼女の著作は何冊か読んできたけれど、今回がもっとも理解しやすかった。このぐらい余白があって文字組みがゆったりしているとちょうどよい。
    とはいえやっぱり抽象的な表現が多いので、気を緩めるとすぐに置いていかれてしまうのだけど。
    「いちばん暗い夜にも」と題されたノーベル文学賞受賞所感がやけに胸に残った。

    〈降りしきる雨脚を眺め、腕やふくらはぎを包む湿気を感じながら待っていたその一瞬、突然気づいたのです。私と肩をくっつけ合って立っている仲間たちも、向かいのビルの前にいるあの人たちも、その全員が全く同じように、「私」として生きているのだという事実を。私が雨を見ているのと同じように、あの人たち一人一人も

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    2026年02月12日
  • 光と糸

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    これはあまり内容が無い。

    特に後半の日記は流し読み状態。

    作者を知る上では良いが作品の業過としては?

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    2026年02月11日
  • 光と糸

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    何と感想を書けばいいのだろう。
    ただひたすら丁寧に真摯に言葉を紡いでいることが伝わる。
    装丁、栞なども素敵。
    とても丁寧な作品だった。

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    2026年02月05日
  • すべての、白いものたちの

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    今の自分に刺さるところがあったわけではないが、静かな余韻のある世界が広がっていた。
    寒い日に寒さを感じる本であった。

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    2026年02月01日
  • すべての、白いものたちの

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    冒頭『白いものについて書こうと決めた。』から始まる。

    おくるみ
    うぶき
    しお
    ゆき
    こおり



    作者の日記のような内容。
    それを自分から生まれてすぐに亡くなった姉が生きていたらと見立てて進んでいく。
    私自身これまで馴染みのない作品だった。
    確かに他の方のレビューにもある様に文章は美しかったが残念ながらグッとくるものがなかった。

    初読みの作家さんというより韓国の方の作品は初めて。
    そういう事もあり、これにめげず他の韓国文学も挑戦はしたい。

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    2026年01月31日
  • すべての、白いものたちの

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    ぎゅっとなる言葉が多い
    ふわっとした白とぎゅっとしてしまう真逆の事柄
    翻訳の方もよっぽど空気感を大切に丁寧に紡がれたのだろうなとほわっとする

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    2026年01月28日
  • ギリシャ語の時間

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    視力とともに世界の温もりを失いつつある男と、温もりある世界とともに言葉を失った女。似て非なる孤独を抱え向き合うとき、死した古代ギリシャ語に似た儚い温もりがほのかに漂う。立ち尽くす身を包む美しく孤独な薄明は、宵の口か夜明け前か。静かに響く作品。

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    2026年01月24日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    読んでいると自然と情景が目の前に広がり不思議と白いものたちが頭の中に浮かんでくる。
    白いものたちの神聖さや寂しさが込み上げてくる文章の中で自分自身の壊れたものを積み上げ、死や生と向き合う時間になった。

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    2026年01月23日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    短編集。いえ、もっと短い散文集?
    「白いものたち」に対する作者のイメージが簡潔で詩的な文章で綴られています。
    静かだけど思いは深い、そんな印象を受けました。
    特に何度も繰り返される物語に、作者の思いの深さが表れている気がしました。

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    2026年01月22日
  • すべての、白いものたちの

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    訳者のあとがきや書評にもある通り、これは詩だと感じた。ひとつのストーリーの中で切り取った「힌」にまつわるシーンを、それぞれの詩で紡いでいるような感じ。
    恐らく著者の狙い通り、2章で混乱して集中力がとぎれた。一度読んだだけでは魅力が伝わりきらなかったのかもしれない。時間をおいて再読してみたい。

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    2026年01月17日
  • 光と糸

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    池袋西武内三省堂でジャケ買い。
    ハンガンの小説が読みたくなった。
    「別れを告げない」「少年が来る」
    そしてテマリカンボクとライラックの苗を植えたくなった。

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    2026年01月16日
  • 別れを告げない

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    光州事件に済州島四・三事件。天寿を全うできない歴代大統領。振れ幅極端。ただ、世界を眺めて見れば今もジェノサイドが。「究極の愛についての小説」というが、理解できなかった。夢の世界…でも、スッキリした結末期待したが。国際的な賞のレベルについていけない、残念な自分。

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    2025年12月30日