ハン・ガンのレビュー一覧

  • 別れを告げない

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    やっと読めたノーベル賞作家。とはいえ、最初に気になったのは受賞前のフリスタで、そこから読みたいとは思っていた作品。煽り調子の訳でなし、目まぐるしい展開があるのでもないんだけど、なんだかページを繰る手が止まらず、どんどん先を読まされる。題材選定やら、それに合う文体やら、諸要素が重なってのことだと思うんだけど、なかなかその正体が見えない。そんなちょっとしたモヤモヤも含めての文学なのかもしれないけど、言語化しにくいものだけに、得意とか好きになりにくいのかもしれない。文学を味わうにおいての自身の課題。

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    2025年12月19日
  • 光と糸

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    ハンガンのノーベル文学賞受賞スピーチ他、詩や庭にまつわるエッセイ等まとめた一冊。

    「過去が現在を助けることはできるか? 
    死者が生者を救うことはできるのか?」

    いつか答えは出るのかな。

    この美しい本を書店で手に取った時、通りかかった親子が「ギリシャ語の時間」を買って行くのを目にした。

    糸は繋がってる。

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    2025年12月19日
  • すべての、白いものたちの

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    ものすごく静謐で、読んでいると自分の体も本と一緒に音のない場所に沈んでいくかのような感覚があった。なるべく静かな場所で、できれば冬読むのがおすすめ。
    小説というよりは詩集に近く、映像が頭に浮かんでくるので、美術館で白にまつわるインスタレーションを見ているようでもある。
    特に雪の描写が多かった印象。今年から雪国に引っ越したので、ハン・ガンさんの紡ぐ美しく真摯な言葉を通してこれから雪や冬を感じられるというのは嬉しいことだ。外を歩く時、たまにはイヤホンを外して、自分でも五感を働かせて繊細に世界を感じてみたいとも思った。
    物語の構造?仕掛け?はあとがきを読んでからわかったのだけど、文学でしか表現できな

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    2025年12月09日
  • すべての、白いものたちの

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    作家として親として妹として書かれたエッセイのようであり、亡き姉をその身に宿すためのフィクションでもある、とても不思議な小説だった。
    切実ながら白く爽やかでもあるその読後感は唯一。

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    2025年11月24日
  • 別れを告げない

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    韓国済州島というと観光地としてのイメージしかありませんでした。韓国の歴史、済州の歴史を知ってこそこの作品を理解出来るのだろうと思います。この作品の底流に流れるもの、シンシンと降り積もりつづく雪は単に空から降り積もっているのみならず、心の中にも積もり続けているんだろう。

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    2025年11月21日
  • すべての、白いものたちの

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    自分の記憶にある白いものはなんだろうか。最初に見た白はなんだったか。そして印象に残った白はなんだったか。白い机、白い帽子、白い雲、白い歯。机も帽子も雲も歯も白いをつけると、白く染まっていく。白い黒はどんなイメージなのか。

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    2025年11月16日
  • ギリシャ語の時間

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    言葉を話せなくなった彼女とギリシャ語講師以外の登場人物や、物語の中での「私」や「彼女」が誰のことなのか、誰が語っているのか、その場面ごとになかなか把握できなかったこともあり、感想を書けるほど読み深めることはできなかったけれど、ハン・ガン氏の抒情的な世界の一端に触れる良い経験になった。

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    2025年11月15日
  • すべての、白いものたちの

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    解説がないとどんな本なのか理解できなかった。
    ただ文章が素敵で、詩を読んでるみたいだけど小難しくなくて、とても良かった。本棚に置いておきたい本。

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    2025年11月10日
  • ギリシャ語の時間

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    今まであまり読んだことのないスタイルの本で、小説であるものの詩的な表現に溢れており、現実と夢を行ったり来たりして、静謐で多層的な世界観を堪能しました。
    何日かに分けて読みましたが、一気に読むともっとこの世界に浸れそうな気がします。

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    2025年11月07日
  • ギリシャ語の時間

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    何か問題を抱える人たちの心情が表されており、イメージしやすい本であった。
    当たり前のように生きれている自分には想像することはできるものの、本当の意味での理解は難しいのではないかと感じた。

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    2025年11月06日
  • 別れを告げない

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    ネタバレ

    「愛」についてのお話。
    翻訳者の力もあるのだろうけど、表現が独特で文章が美しかった。
    こちらでありあちらでもあり、この世でありあの世でもあり、現実であり夢でもあり、今であり過去でもある。象徴的に使われている(あとがきより)鳥や雪のように、寄るべなくふわりふわりと行きつ戻りつしながら話は進む。

    私は映画で光州事件や軍事政権をちらりと知るだけだったので、済州島四・三事件はもちろん知らず、あまりの惨事に驚いたけれど、韓国人ならみんな知っているはずなので、事件の衝撃性はこのお話のメインではないんだよね。

    兄の遺骨は見つからず、鳥も死んでたし、物語はちっともうまく進まないんだけれど、いろんな人が語る

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    2025年11月10日
  • すべての、白いものたちの

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    読み終えた後、訳者による訳者補足、平野氏の解説が続く。訳者補足にはこの補足を読んでから本書をお読みになってください。と書いてあったが、そんなことは分からず頭から読んでしまった。そして訳者補足を読み、そうなのか!となりすぐまた読み返す。先に補足を読まなくてもいいのです!再読する嬉しさ!
    ハン・ガンにしか書けない生と死(喪失と恢復?)のお話でした。第2章は死んでしまった姉に自分の体を貸与するのだけど、それは今までの彼女の作品でも見られるような死者との会話だと思う。そこがハン・ガンの本当にすごいところだと思う。

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    2025年10月31日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    読んでいる最中はあまり、
    深く状況を理解することができなかったが、
    巻末の「作者の言葉」を読むことによって、
    理解することができた。
    「生」を「白」というものを使いうまく表現しており、作者の経験を現状に反映するような形はとても特殊だと感じました。
    また、時間がたったらもう一回読みたい本だと思いました。

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    2025年10月26日
  • 別れを告げない

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    夏に読んだのに、自分の吐く息が白く思えた。見えないもの、二度とさわれないものを強く思うひとびとの眼差しに触れた。

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    2025年10月22日
  • すべての、白いものたちの

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    読書備忘録。

    小説成分を摂取するために
    詳細な前情報なしに購入した本、その2。

    とは言え、
    最近このタイトルをよく目に、耳にしていた。
    著者のハン・ガンさんのことは、
    「ああ、最近ノーベル文学賞を獲った人だ!」と、この本の帯を見て思い出した。
    ちなみに私が韓国の作家さんの翻訳本を読むのは「アーモンド」以来の2作目。

    結論から言うと、
    「私が思っていた小説とは全然テイストが違っていたよ、その2」
    …ということになった。

    まず、作品の冒頭でタイトル通りおもむろにいろいろな「白いもの」が挙げられていく。
    最初はいわゆる「主人公」が著者自身だということにも確信がもてなかったので、
    変わった

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    2025年10月16日
  • 別れを告げない

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    長いこと韓国語学習書のデザインしていたにも関わらず、済州島四・三事件を詳しく知らなかったので、恥ずかしくもあり、かなり勉強にもなりました。

    友人インソンさんが制作した1948済州島モノクロドキュメント映画のシーンがかなり衝撃的なのか、トラウマのように回想する、主人公のキョンハ。

    かなり高度な文学書だと思います。
    現在と回想シーンを、いったりきたり、
    現実と夢の中を、いったりきたり、
    喋り言葉と心の言葉の境目がなく、
    とにかく読み慣れるまで時間かかりましたが、キョンハの心の中と読み手側の心の中が少しずつ近づいていきます。

    大事に飼われていた二匹の鳥、アミとアマ。
    途中でアミが死んでしまった

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    2025年10月10日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    愛しいものについて語る本だと思っていたが全く違った。死と生が大きな主題だった。生を受けて2時間足らずで死んだ姉を想う散文が連なる。無力だった母と父の悔しさを幾たびも感じる。
    吹雪の夜、ソウルを歩く彼女。激しく打ち付ける雪と風に凍えながらもそれを美しいと感じる。辛く長い冬でも雪の純粋性を感じることには共感する。

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    2025年10月04日
  • 別れを告げない

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    4.3事件のことを何も知らなかったので衝撃を受けた。
    同じ民族同士でこのような虐殺があったんだ。
    日本でも何かがまかりまちがえば、同じようなことが起きるのかな。
    今のように分断を誰かに意図的に煽られている状況だと、起こるのかもしれない。

    地球に隕石が落ちて世界中が火の海になった時、鳥類だけが飛び続け生き残り。。という話がなぜか心に刻まれた。

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    2025年09月23日
  • 別れを告げない

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    この本を手に取るまで、済州島四・三事件についてひとつも知らなかった。知らなかったことにショックを受けるような衝撃的な事件だった。

    何も知らずに「済州島旅行行きたいなあ」なんて行っていた過去の自分が恥ずかしくなった。

    第二次世界大戦で日本が負けた後、朝鮮の人々としては「やっと朝鮮半島でも独立国家をつくれる…!」と考えていた矢先に、ソ連とアメリカがやってきて、朝鮮半島を勝手に北と南の2つに分割して、社会主義と民主主義の国をつくった。
    済州島の人々は、朝鮮半島の人々よりも独立の意思が強く、初めての南側だけでの選挙が行われることに反対して、350人程度が武装蜂起して警官たちを襲ったり、選挙をボイコ

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    2025年09月20日
  • 別れを告げない

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    人間が人間に何にしようが、もう驚きそうにない状態を通過しても、哀悼を終わりにしない。歴史の中で繰り返し続ける ジェノサイドについて、目を背けたくなるけれど、考えることをやめない。
    今もまだ世界のあちこちで、いや これからの日本でだってあり得ること。苦しくとも、哀悼をやめない、問いかけ続ける、その大切さを感じた。

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    2025年09月18日