ハン・ガンのレビュー一覧

  • ギリシャ語の時間

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    今まであまり読んだことのないスタイルの本で、小説であるものの詩的な表現に溢れており、現実と夢を行ったり来たりして、静謐で多層的な世界観を堪能しました。
    何日かに分けて読みましたが、一気に読むともっとこの世界に浸れそうな気がします。

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    2025年11月07日
  • ギリシャ語の時間

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    何か問題を抱える人たちの心情が表されており、イメージしやすい本であった。
    当たり前のように生きれている自分には想像することはできるものの、本当の意味での理解は難しいのではないかと感じた。

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    2025年11月06日
  • 別れを告げない

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    ネタバレ

    「愛」についてのお話。
    翻訳者の力もあるのだろうけど、表現が独特で文章が美しかった。
    こちらでありあちらでもあり、この世でありあの世でもあり、現実であり夢でもあり、今であり過去でもある。象徴的に使われている(あとがきより)鳥や雪のように、寄るべなくふわりふわりと行きつ戻りつしながら話は進む。

    私は映画で光州事件や軍事政権をちらりと知るだけだったので、済州島四・三事件はもちろん知らず、あまりの惨事に驚いたけれど、韓国人ならみんな知っているはずなので、事件の衝撃性はこのお話のメインではないんだよね。

    兄の遺骨は見つからず、鳥も死んでたし、物語はちっともうまく進まないんだけれど、いろんな人が語る

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    2025年11月10日
  • すべての、白いものたちの

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    読み終えた後、訳者による訳者補足、平野氏の解説が続く。訳者補足にはこの補足を読んでから本書をお読みになってください。と書いてあったが、そんなことは分からず頭から読んでしまった。そして訳者補足を読み、そうなのか!となりすぐまた読み返す。先に補足を読まなくてもいいのです!再読する嬉しさ!
    ハン・ガンにしか書けない生と死(喪失と恢復?)のお話でした。第2章は死んでしまった姉に自分の体を貸与するのだけど、それは今までの彼女の作品でも見られるような死者との会話だと思う。そこがハン・ガンの本当にすごいところだと思う。

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    2025年10月31日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    読んでいる最中はあまり、
    深く状況を理解することができなかったが、
    巻末の「作者の言葉」を読むことによって、
    理解することができた。
    「生」を「白」というものを使いうまく表現しており、作者の経験を現状に反映するような形はとても特殊だと感じました。
    また、時間がたったらもう一回読みたい本だと思いました。

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    2025年10月26日
  • 別れを告げない

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    夏に読んだのに、自分の吐く息が白く思えた。見えないもの、二度とさわれないものを強く思うひとびとの眼差しに触れた。

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    2025年10月22日
  • すべての、白いものたちの

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    読書備忘録。

    小説成分を摂取するために
    詳細な前情報なしに購入した本、その2。

    とは言え、
    最近このタイトルをよく目に、耳にしていた。
    著者のハン・ガンさんのことは、
    「ああ、最近ノーベル文学賞を獲った人だ!」と、この本の帯を見て思い出した。
    ちなみに私が韓国の作家さんの翻訳本を読むのは「アーモンド」以来の2作目。

    結論から言うと、
    「私が思っていた小説とは全然テイストが違っていたよ、その2」
    …ということになった。

    まず、作品の冒頭でタイトル通りおもむろにいろいろな「白いもの」が挙げられていく。
    最初はいわゆる「主人公」が著者自身だということにも確信がもてなかったので、
    変わった

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    2025年10月16日
  • 別れを告げない

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    長いこと韓国語学習書のデザインしていたにも関わらず、済州島四・三事件を詳しく知らなかったので、恥ずかしくもあり、かなり勉強にもなりました。

    友人インソンさんが制作した1948済州島モノクロドキュメント映画のシーンがかなり衝撃的なのか、トラウマのように回想する、主人公のキョンハ。

    かなり高度な文学書だと思います。
    現在と回想シーンを、いったりきたり、
    現実と夢の中を、いったりきたり、
    喋り言葉と心の言葉の境目がなく、
    とにかく読み慣れるまで時間かかりましたが、キョンハの心の中と読み手側の心の中が少しずつ近づいていきます。

    大事に飼われていた二匹の鳥、アミとアマ。
    途中でアミが死んでしまった

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    2025年10月10日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    愛しいものについて語る本だと思っていたが全く違った。死と生が大きな主題だった。生を受けて2時間足らずで死んだ姉を想う散文が連なる。無力だった母と父の悔しさを幾たびも感じる。
    吹雪の夜、ソウルを歩く彼女。激しく打ち付ける雪と風に凍えながらもそれを美しいと感じる。辛く長い冬でも雪の純粋性を感じることには共感する。

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    2025年10月04日
  • すべての、白いものたちの

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    はんぱなくいい、
    全然意味わからんかったから再読必須やな。
    よく考えろ。意味わからんのにいいってことは、相当いいんやぞ。
    絶対再読しろよ。そのときは理解できるはずだ。

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    2025年10月03日
  • 別れを告げない

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    4.3事件のことを何も知らなかったので衝撃を受けた。
    同じ民族同士でこのような虐殺があったんだ。
    日本でも何かがまかりまちがえば、同じようなことが起きるのかな。
    今のように分断を誰かに意図的に煽られている状況だと、起こるのかもしれない。

    地球に隕石が落ちて世界中が火の海になった時、鳥類だけが飛び続け生き残り。。という話がなぜか心に刻まれた。

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    2025年09月23日
  • 別れを告げない

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    この本を手に取るまで、済州島四・三事件についてひとつも知らなかった。知らなかったことにショックを受けるような衝撃的な事件だった。

    何も知らずに「済州島旅行行きたいなあ」なんて行っていた過去の自分が恥ずかしくなった。

    第二次世界大戦で日本が負けた後、朝鮮の人々としては「やっと朝鮮半島でも独立国家をつくれる…!」と考えていた矢先に、ソ連とアメリカがやってきて、朝鮮半島を勝手に北と南の2つに分割して、社会主義と民主主義の国をつくった。
    済州島の人々は、朝鮮半島の人々よりも独立の意思が強く、初めての南側だけでの選挙が行われることに反対して、350人程度が武装蜂起して警官たちを襲ったり、選挙をボイコ

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    2025年09月20日
  • すべての、白いものたちの

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    ここしばらく、本を読んでも感想を書く気になれなかったのだけど、この本はなんかうわーっと出てきた気がした。少し落ち込むことがあったときに読んでたんだけど、雪が少しずつ降り積もってチョコレートケーキの上の粉砂糖みたいにケーキを隠してしまうように、言葉が心にシンシンと積もっていく感じがした。言葉に、癒されているのを感じた。
    とき解されて心が柔らかくなって、やがて何も無かったかのように。
    著者自身による本を描いた背景が面白い。

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    2025年09月19日
  • すべての、白いものたちの

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    うーーーん 最後のヒントがなかったらこの本の良さが分かったか怪しい!!!読解力!!なのか?
    2回楽しめる本。

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    2025年09月19日
  • 別れを告げない

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    人間が人間に何にしようが、もう驚きそうにない状態を通過しても、哀悼を終わりにしない。歴史の中で繰り返し続ける ジェノサイドについて、目を背けたくなるけれど、考えることをやめない。
    今もまだ世界のあちこちで、いや これからの日本でだってあり得ること。苦しくとも、哀悼をやめない、問いかけ続ける、その大切さを感じた。

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    2025年09月18日
  • 別れを告げない

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    恥ずかしながら、本作を読むまで、済州島4.3事件のことは知りませんでした。夢なのか現実なのか分からない状態の中でのキョンハとインソンの語らいは淡々としているようでいて、心に深く染み入って来ます。作中で丁寧に描写されている雪の様子や、キョンハが思い浮かべる深海の様子とも深く重なるように感じました。読み進めるのは辛い内容であったけれど、この本を通じて事件のことを知れたことをありがたく思います。またこの事件に限らず、歴史上人が人に行ってきた残虐な行いを忘れないこと、過去のことにせず考え続けること(別れを告げないこと)の大切さを改めて感じることができました。

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    2025年09月13日
  • ギリシャ語の時間

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    上白石萌音ちゃんが、紹介していて、今まで読んだ事のない本に出会いました。中動態については、あまり理解出来ておらず、ギリシャ語も無知なので、すらすらと頭には入ってこなかったのですが、愛する人を想う、心の表現がとても美しかったです。難聴の友達が、どんな景色を見て、どんな心境だったか想像する事が出来ました。もっとじっくり、読んでみます。

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    2025年09月11日
  • 別れを告げない

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    済州島の虐殺について恥ずかしながらこの本で初めて知った 人間が大人や子供関係なく殺していくシーンが目に浮かんだ インソンの母が語る父の話 インソンが調べた事実 友達のキョンハがみた現実と過去が溶け合う不思議な光景に救いがあるのか

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    2025年08月25日
  • 別れを告げない

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    恐るべき作品に出合った。まぎれもない世界文学。そして、現代的でもある。
    全体を理解したとはとても思えないけれども、心に残る。
    雪や鳥、痛み、悲しみ。
    味わい深い名作。

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    2025年08月05日
  • 回復する人間

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    「明るくなる前に」と「火とかげ」が好きだった。
    ハン・ガンが書く物語には結婚生活が破綻している人しか出てこないが、本人も離婚しているので何か自身の経験に基づくものがあるのだろうと考えた。

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    2025年08月02日