ハン・ガンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今ではすっかりリゾート観光地として有名な済州島。80年弱前のその島で、怖ろしい虐殺事件が起こっていたことをうかがわせる影はまるで無いように見えてしまう。
けれどそうではなく、実際に今もなお数知れないほどの遺体が土の下や海の底に埋もれたままで、縁者を探す人、真実を求める人たちがいる。そのことを、この本を通じて、そしていくらか調べることで、きっとほんのわずかにすぎないだろうけれど知った。知れて、良かったと思った。
私小説に近い体裁で綴られる二人の女性の物語の現在では、しんしんと重苦しく雪が降り続ける。あらゆる生命の活動を抑えつけるような圧迫感のある静かな雪は、一方であたたかな命を持つ頬では他愛 -
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この本は、訳者あとがきに書かれているとおり、ノーベル文学賞受賞記念講演「光と糸」を含む受賞関連の文章三つと、単行本未収録の詩と散文、そして庭仕事を通しての暮らしと心境を綴った「北向きの庭」と「庭の日記」から成っています。
韓国のつらい歴史に対しての疑問と葛藤、そして愛についても考え、悩み、自分と向き合いながら小説が完成するまでの葛藤の日々がこの本に綴られていました。
彼女が八歳のときに書いた一編の詩の始まりで、感性豊かな子どもだったこともわかりました。かわいいハングルの直筆の写真もありました。
「庭の日記」では彼女が庭の木々を慈しむ日々が書かれていました。表紙の写真も、ハン・ガンさん自身 -
Posted by ブクログ
ハン・ガンさんの著書を読むと強く感じることがある。
言葉が生きていて、自分の身体の内部に浸透すると。
言葉を読まされているのではなく、読み進めたいと欲する感覚はなかなか味わえない。
エッセイや詩、ノーベル文学賞受賞記念講演事の言葉達。
冒頭からの過去作への制作過程や心情を知ると、間違いなく全部読みたくなります。
ハン・ガンさんが人に対する愚かさや残酷さを考え絶望すると同時に、それでも美しさや愛を考え希望を探して生きていることに心うたれました。
過去を想い知ることで、今を生きる喜びや意味を見つけたくなりました。
ハン・ガンさんの綴る言葉には温かさと冷たさが混じっていて、闇がないと光もないのだ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「愛」についてのお話。
翻訳者の力もあるのだろうけど、表現が独特で文章が美しかった。
こちらでありあちらでもあり、この世でありあの世でもあり、現実であり夢でもあり、今であり過去でもある。象徴的に使われている(あとがきより)鳥や雪のように、寄るべなくふわりふわりと行きつ戻りつしながら話は進む。
私は映画で光州事件や軍事政権をちらりと知るだけだったので、済州島四・三事件はもちろん知らず、あまりの惨事に驚いたけれど、韓国人ならみんな知っているはずなので、事件の衝撃性はこのお話のメインではないんだよね。
兄の遺骨は見つからず、鳥も死んでたし、物語はちっともうまく進まないんだけれど、いろんな人が語る