ハン・ガンのレビュー一覧

  • 別れを告げない

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    夏に読んだのに、自分の吐く息が白く思えた。見えないもの、二度とさわれないものを強く思うひとびとの眼差しに触れた。

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    2025年10月22日
  • 別れを告げない

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    長いこと韓国語学習書のデザインしていたにも関わらず、済州島四・三事件を詳しく知らなかったので、恥ずかしくもあり、かなり勉強にもなりました。

    友人インソンさんが制作した1948済州島モノクロドキュメント映画のシーンがかなり衝撃的なのか、トラウマのように回想する、主人公のキョンハ。

    かなり高度な文学書だと思います。
    現在と回想シーンを、いったりきたり、
    現実と夢の中を、いったりきたり、
    喋り言葉と心の言葉の境目がなく、
    とにかく読み慣れるまで時間かかりましたが、キョンハの心の中と読み手側の心の中が少しずつ近づいていきます。

    大事に飼われていた二匹の鳥、アミとアマ。
    途中でアミが死んでしまった

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    2025年10月10日
  • 別れを告げない

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    4.3事件のことを何も知らなかったので衝撃を受けた。
    同じ民族同士でこのような虐殺があったんだ。
    日本でも何かがまかりまちがえば、同じようなことが起きるのかな。
    今のように分断を誰かに意図的に煽られている状況だと、起こるのかもしれない。

    地球に隕石が落ちて世界中が火の海になった時、鳥類だけが飛び続け生き残り。。という話がなぜか心に刻まれた。

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    2025年09月23日
  • 別れを告げない

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    この本を手に取るまで、済州島四・三事件についてひとつも知らなかった。知らなかったことにショックを受けるような衝撃的な事件だった。

    何も知らずに「済州島旅行行きたいなあ」なんて行っていた過去の自分が恥ずかしくなった。

    第二次世界大戦で日本が負けた後、朝鮮の人々としては「やっと朝鮮半島でも独立国家をつくれる…!」と考えていた矢先に、ソ連とアメリカがやってきて、朝鮮半島を勝手に北と南の2つに分割して、社会主義と民主主義の国をつくった。
    済州島の人々は、朝鮮半島の人々よりも独立の意思が強く、初めての南側だけでの選挙が行われることに反対して、350人程度が武装蜂起して警官たちを襲ったり、選挙をボイコ

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    2025年09月20日
  • 別れを告げない

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    人間が人間に何にしようが、もう驚きそうにない状態を通過しても、哀悼を終わりにしない。歴史の中で繰り返し続ける ジェノサイドについて、目を背けたくなるけれど、考えることをやめない。
    今もまだ世界のあちこちで、いや これからの日本でだってあり得ること。苦しくとも、哀悼をやめない、問いかけ続ける、その大切さを感じた。

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    2025年09月18日
  • 別れを告げない

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    恥ずかしながら、本作を読むまで、済州島4.3事件のことは知りませんでした。夢なのか現実なのか分からない状態の中でのキョンハとインソンの語らいは淡々としているようでいて、心に深く染み入って来ます。作中で丁寧に描写されている雪の様子や、キョンハが思い浮かべる深海の様子とも深く重なるように感じました。読み進めるのは辛い内容であったけれど、この本を通じて事件のことを知れたことをありがたく思います。またこの事件に限らず、歴史上人が人に行ってきた残虐な行いを忘れないこと、過去のことにせず考え続けること(別れを告げないこと)の大切さを改めて感じることができました。

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    2025年09月13日
  • ギリシャ語の時間

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    上白石萌音ちゃんが、紹介していて、今まで読んだ事のない本に出会いました。中動態については、あまり理解出来ておらず、ギリシャ語も無知なので、すらすらと頭には入ってこなかったのですが、愛する人を想う、心の表現がとても美しかったです。難聴の友達が、どんな景色を見て、どんな心境だったか想像する事が出来ました。もっとじっくり、読んでみます。

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    2025年09月11日
  • 別れを告げない

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    済州島の虐殺について恥ずかしながらこの本で初めて知った 人間が大人や子供関係なく殺していくシーンが目に浮かんだ インソンの母が語る父の話 インソンが調べた事実 友達のキョンハがみた現実と過去が溶け合う不思議な光景に救いがあるのか

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    2025年08月25日
  • 別れを告げない

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    恐るべき作品に出合った。まぎれもない世界文学。そして、現代的でもある。
    全体を理解したとはとても思えないけれども、心に残る。
    雪や鳥、痛み、悲しみ。
    味わい深い名作。

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    2025年08月05日
  • 回復する人間

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    「明るくなる前に」と「火とかげ」が好きだった。
    ハン・ガンが書く物語には結婚生活が破綻している人しか出てこないが、本人も離婚しているので何か自身の経験に基づくものがあるのだろうと考えた。

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    2025年08月02日
  • 回復する人間

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    もっと韓国という国、韓国人という独自性を全面に打ち出した内容かと思っていたが、日本人作家が書いたと言われても全く違和感がない現代性、普遍性。生きづらさに直面して足掻く人たちの物語で、どれも心をざわつかせて落ち着かない心持ちにさせた。

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    2025年07月04日
  • 回復する人間

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    ハン・ガン氏の小説は少し曇天の澄んだ空気を持つ初冬の朝をイメージさせる。不安定で漠然とした「何らかのものたち」を柔和で静謐な文章で書き表していく。人と人とが織り成す関係を丁寧に解きほぐして再構築する文体が印象的。失ったものもしくは失いつつあるものからの回復。記述的ではないけど抽象的でもない。「回復する人間」と「火とかげ」が個人的好み。

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    2025年06月24日
  • 回復する人間

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    登場人物たちはみな生きることに大層疲れている。生きていくことはなんて困難なことだろうと思った。それでも人間は回復する力がある。静かだが確かな力が。きっと自分にもあるんだと信じたい。自信はないけど。
    最後まで燃える心臓、フンザ、「黄色い模様のヨンウォン」など、主人公たちに力を与えるものがみな印象的で美しくとても素敵だった。ハン・ガンの文章はいつも映像が頭に浮かぶ。静寂で美しい時間だった。

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    2025年05月30日
  • 回復する人間

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    短編集。
    明るくなる前に
    回復する人間
    エウロパ
    フンザ
    青い石
    左手
    人とかげ

    危うさと脆さ、ギリギリのラインに立つ人、どの作品にも痛みがあり苦しい。でも、なんだろうか。生への思いが強く静かに届いてくる。

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    2025年05月02日
  • 回復する人間

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    ネタバレ

    初めての韓国文学で、初めてのハン・ガン。
    静謐な文体。読むうちに心が沈黙して、無我の境地になる。喪失からの静かな、みずからはそれと気づかないほどの細い細い糸のような回復。希望がほんのりと差し込んでくる。
    「時間とは流れるものではないのかもしれない」(p.141「青い石」)
    「私たちももともとはああだったけど、そのあとにいろいろプログラムされて、本来の状態を忘れて暮らしてるんじゃないかと思うわ」(p.261「火とかげ」)
    失ったものは取り戻せないけれど、それを置いてきた時間にいつでも戻れる。そこから回復の一歩を踏み出す。

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    2025年04月09日
  • ギリシャ語の時間

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    一読しただけでは理解が及ばず、ユリイカの特集を読み再読。でもやっぱり難しかった。
    二人の主人公はそれぞれ、言葉を失い、視力を失いつつある。私には本の最後、二人の物理的な距離は重なり合ったものの、心の距離が縮まることがないのではと感じられた。ギリシャ語講師は言葉を失った女を理解しないままだし、女はやっと言葉を取り戻したばかり。今後女が言葉を尽くしたとして、ギリシャ語講師は女を視力を失ったその目で見ようとするだろうか。私はそうは思わない。初恋の相手に綴った手紙のように想いが一方的で、簡単に過去を美化してしまうから。
    どうしてこの物語がハン・ガンにとって「生きていくということに対する、私の最も明るい

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    2025年03月14日
  • ギリシャ語の時間

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    喪失とは。
    失って得るものがあり、気付くこともある。また、生きていくとは同時に失っていくことでもある。

    夜の森を歩けば目は役に立たず、視覚以外の全てを研ぎ澄ますだろう。
    愛が失われていくなら、より繊細にそれを伝えるだろう。

    突然奪われ失うこともある。そこでは何が得られ何を気付くことごできるのか? その喪失には、回復と再生が必要になるはずだ。まずは手探りでその糸口を探さなければならないのだろう。

    それは時間、時だったり、熱だったり…

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    2025年02月08日
  • 回復する人間

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    「火とかげ」に圧倒された。途中出てくるTears In Heavenのエピソード知らなかったので、改めて聴いて心に沁みた。「左手」だけ他の作品と違った作風だったが、先が気になりグングン読んだ。どの作品も人が傷つき回復する様が丁寧に描かれていた。自分が辛い時に読んだらきっと、もっとハマると思う。そんな時、この本を思い出して、また読みたいと思う

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    2025年01月25日
  • 回復する人間

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    繊細だけれどとても鋭い、傷ついたり傷つけたりしてしまいそうな文章。そんな文章でしか書けない傷や悲しみ苦しさ、人生がある。それらの殆どの人生、物語には最後に光がさす、希望が垣間見える。前に進めるように開いた小説たち。それらは回復を促すように書かれたのかもしれない。
    だけれど、ある短編の登場人物が「私を回復させないで欲しい」と願うように、残しておきたい傷や忘れるべきではない悲しみ苦しさもある。回復とは忘却にも近い。傷や悲しみ苦しさを忘れないために書き残された、そんな風にも思えた。
    回復も忘却も、時間を使って人生が行使する必要な力だ。だけど、それに抗うように傷を悲し

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    2025年01月11日
  • ギリシャ語の時間

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    目が見えないこと、言葉が話せないこと。
    それは死に半分くらい足を浸しているようなものだろう。
    深い深い森の中にひとり生きているようなものだろう。

    決して他人が理解できるものではない。
    ("そんなに簡単なことではありません")
    闇の深さを、底に何かが横たわっていることを
    かすかに伺い知れるのみ。

    出会いとはすれ違いのことなのかもしれない。
    面と向かってすれ違うことが出会うということなのかもしれない。
    あなたは私の過去を知らない。私もあなたの過去を知らない。
    ぼんやりとした暗闇の輪郭をなぞる。
    触れ合うとは理解し合うことではないのだと初めて思った。
    輪郭に触れる、輪郭を形成

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    2025年01月05日