ハン・ガンのレビュー一覧

  • ギリシャ語の時間

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    はじめて読んだ韓国文学。
    韓国語とギリシャ語の、言葉の美しさを感じることができたけれど、掴みきれなかったというのが本音。
    きっとまた読み返すと思う。

    独特の作品世界には魅了された。

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    2026年01月31日
  • 光と糸

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    散文短編であるかのようだが ひと繋がりの作品でもあるように感じた 人が人を虐殺する恐ろしく血生臭い事件を掘り下げ自分も血を流しながら書いていながらも 世界はなんて美しいのだろうと感じてしまう そして日が当たらない北向きの小さな庭に鏡で光を当てその成長を見守る ハンガンという人にどんどん引き込まれてしまう

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    2026年01月31日
  • 光と糸

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    8歳にしてあれほど胸を打つ詩を書けるとは。
    本の出版前に、ネット記事で偶然出会ったこの詩を、紙の本の上で眺められることが純粋に嬉しい。

    近頃はディストピア小説の話かと疑うほど、悲惨なニュースを目にすることの多い世の中だが、せめて平和を求める皆さんと金の糸で繋がっていたい。

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    2026年01月16日
  • 光と糸

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    ハン・ガンの言葉は、純度の高い結晶のような透明感があるように感じる。文学に誠実に向き合い、文学、言葉の力を信じ、人間への信頼を模索し、人間の二面性について考え続けてきた、ハン・ガンの誠実さをこの一冊を通して感じることができる。
    暴力によって、人間の尊厳が破壊されてきた歴史を描きながら、同時に、「愛とは」という問いを絶えず読者にも語りかけてきた。
    私は、ハンガンの文学を通して、愛を与えられてきたんだとこの一冊を通して思った。ハンガンの誠実さ、人と人が繋がることができることを信じる強さ、文学によってそれを実現しようとする力を、ハンガンは文学を通して伝えてくれるように感じる。
    「北向きの庭」「庭日記

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    2026年01月07日
  • 回復する人間

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    よしもとばななの「キッチン」は喪失をシェアすることで慰めをくれるけれど、ハンガンは違う。彼女は、ほら見て私もここに傷があるの、でも美しいでしょ、と静かに目を見つめて言ってくる。

    痛々しい。でもなぜか目を離せない。
    先を読むのが怖い。でも読まずにはいられない。

    傷は放っておいてもいい。でも、看過ごせない傷はじわじわと"私"を侵食し、やがて自分の一部になる。

    時間が解決する、とは本当だろうか。この世界には自然治癒力が働く場所と、そうでない場所がある。勝手に治る傷ばかりではない。自ら回復に向かっていくことで、人はしなやかに強くなっていく。

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    2026年01月05日
  • 光と糸

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    ノーベル文学賞受賞記念講演「光と糸」全文のほか、創作についてのエッセイ、5編の詩、光を求めて枝葉を伸ばす植物をめぐる庭の日記で構成される。

    創作のため、常に自問自答するための問いを立てていたというが、それよりもずっと昔の少女が愛についての詩を残していたということと、その問いは少女の詩に帰結するという気付きがいまのハン・ガンを作り上げたという。その気付きと庭仕事はどこか生命の営みとしてつながるように思う。美しい本だった。

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    2026年01月03日
  • 光と糸

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    過去が現在を助けることはできるか?
    死者が生者を救うことはできるのか?(P19)
     

    『光と糸』ハン・ガン

    ハン・ガンさんの紡ぐ言葉は、
    心を捻じ切られるような痛みに満ちていながら、
    なぜか最後には、すべてが包み込まれるような静けさを残す。

    暴力と涙が当たり前のように繰り返されるこの世界で、
    彼女の描く世界だけは、どこまでも白く、静謐だ。



    国があり、人種があり、過去と未来がある。
    そこには必ず境界が生まれ、諍いが生まれ、
    そして虐殺が繰り返されてきた。

    けれど本書を読んでいると、
    「言葉」と「知ること」が、
    その境界線を静かに滲ませていくように感じられる。

    断絶の向こう側に、

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    2026年01月01日
  • 回復する人間

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    一つ一つの文が、とにかく美しい。なのに、ヒリヒリとして、切なくもなる。
    ハン・ガンの作品は、私を全く違う場所へと連れて行ってくれる。
    喪失感が襲ってきた時、きっとこの本で描かれていた人達を思い浮かべ、また歩き出すのだろう。

    青い石と火とかげが特に好き。

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    2025年12月21日
  • 別れを告げない

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    1948年済州島の4・3事件をモチーフに、作家と事件のサバイバーの娘との友情を超えた愛の物語

    歴史を乗り越えて今、を生きる2人の結びつきに感嘆してしまいました…

    そして事件の哀悼を終わらせないメッセージをじっくりと受け止めました

    主人公キョンハの片頭痛の発作の痛みと娘インソンの切断された指の医療措置に呼応する、不思議なあらすじの枠組みも印象的でしたし、

    雪の描写が択一で、あくまで静かなのに、哀悼がしんしんと迫るような感じがやはり素晴らしかったです

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    2025年12月05日
  • ギリシャ語の時間

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    哲学の先生の推薦があって読んだ。一度目に読んだ時には今ひとつ主題がつかみきれなかったが、それでも、中動態という今は失われた文法様式を持つ古典ギリシャ語が読解の鍵なのかな、と思った。それで、國分功一郎氏の『中動態の世界』を読んで、再度、読んだ。今度は、ストーリーが自分の中で、クッキリと浮き上がってくるようにわかった。

    言葉=聴覚、映像=視覚によるコミニケーション、それぞれに、意思疎通の限界を越えて、いかにして互いに理解しあって行くか、そんなことが小説のテーマとしてあるのかな、と感じた。

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    2025年11月27日
  • 別れを告げない

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    「少年が来る」がどうしても読み進められなくて、迷ったけど、帯の文章の描写をじっくりと読みたくなって購入。幻影?のような内容の文章は苦手だけど、差し出されている事実の重さを読み続けていると美しい描写で救われていく。だから最後まで読めた。愛と痛みと忘れないことの話だと思った。解説までが一冊の本だと感じた。

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    2025年11月24日
  • 別れを告げない

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    読んでよかった。

    ごく個人的な感想。
    こんなにも柔らかく感覚に染み渡るように「虐殺」のことを書けるのかと、「少年が来る」以上に鋭利で鮮烈で仔細にわたった描写に感嘆してしまう。歴史のことを書いていながら物語であることを諦めていず、出来事ではなく人を描くことに終始する姿勢には尊敬しかない。こんなふうに書けるんだと。そしてこの感覚的な作家が決して内省的な物語としてではなく現代社会と地続きの、今もなお人類というものが抱える悪魔的な部分として描き続けていることに、そしてそういう作家が評価されているということに、ほんの少しの光を見た思いだった。

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    2025年11月20日
  • すべての、白いものたちの

    匿名

    購入済み

    美しい世界

    白をテーマにして次々に繰り出される白い世界。
    失ったものを抱えながら白い世界に吸い込まれていくような感覚。
    何よりもこれが翻訳された作品とはまったく感じずに本の世界に入り込むことができました。

    #エモい #切ない

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    2025年11月12日
  • 別れを告げない

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    主軸になってる済州島3.4事件をよく知らないので、読みながら調べたら、書かれていることの重みが増した。
    太平洋戦争の後に朝鮮戦争が起こったことは知っていたけど、朝鮮半島が今のように落ち着く(?)までにはかなり長い時間がかかったということが分かった。
    最後はきれいな形で終わるけど、読後感はなにやら引きずります

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    2025年11月07日
  • ギリシャ語の時間

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    詩の素晴らしさに出逢わせてもらい星5。
    この本を通して教えてもらったこと。↓


    詩においては“美しい”とは、そのものの(あるものや事柄)について良さを表さない。台無しにする言葉でもある。
    “美しい”と言う一言はかけがえのなさを表せる。唯一無二のそのものの様子やあらゆるどんな比喩を失うほどの完璧さを表すのだけれど。それ故にディテールや本来持つ個性を表現しないが故に大切な物を同時に失わせてる。

    そこにこの言葉の素晴らしさと残酷さと完璧さが表現できる。とても深い想いを巡らせられている言葉だと感じました。

    光に彩色色彩が。その様な表現の様。
    ですが、私は“美しい”を知っています。

    とても大切な

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    2025年10月09日
  • 別れを告げない

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    ネタバレ

    背中がゾゾゾとなるほどの、すごい読書体験だった。

    雪国出身なのと、著者の描写の巧みさで、雪景色が手に取るように想像できた。

    思いが強ければ、同時に遠くにも存在できる……認知できていないだけで、確かにそうなのかもしれない。

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    2025年09月30日
  • ギリシャ語の時間

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    以下、ネタバレ含みます。




    最初の三分の一くらい、視点の切り替わりが分からなくて、書かれているものが分からなくて、読み飛ばすように急いでしまった。

    合わなかったかな、と思いかけて。
    ギリシャ語講師が、登山とスイスに訪れるくだりを読みながら、夏目漱石の『門』を思い出した。

    彼は、そこに救いを求めていたのだろう。
    けれど、もともと、救いなんて、誰かが与えるものではないのかもしれない。
    かと言って、自分で見出せるものでも、ないのかもしれない。

    「中動態」という表現がしっくりくる。
    することと、されることで、分かたれない世界。

    そこで、私自身の立ち位置が決まったのか、エンディングに向けて

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    2025年09月24日
  • 別れを告げない

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    舞い散る雪が、死者たちの頬にうっすらと積もり、白く覆ってゆく。
    等しく生者の頬にも降る雪は、刺すような痛みの感覚を残して、溶け去ってゆく。

    痛みと熱が生の証というならば、死は痛みの喪失と引き換えに、無限の沈黙の中に消えるということなのか。
    いや、例え肉体が凍りつき、もはや唇は閉ざされたままだとしても、死者には消えぬ痛みの記憶が残っている。
    死者には、語るべき言葉がある。
    だから、別れを告げない。

    雪は溶けて海へと流れ、空に昇って雲となり再び一ひらの雪片として地上へ戻ってくる。
    過去と未来は循環し、死と生は共にある。
    そんな地点ををつなぐのは、悲しみと嘆きの言葉だけじゃない。
    「あなたにはわ

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    2025年09月13日
  • ギリシャ語の時間

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    一度読んだだけでは到底理解は出来ない。
    視力を失っていくギリシャ語講師(男)の回想と
    ある時から言葉を発することが出来なくなったギリシャ語受講生(女)の回想が続いて行く。
    冒頭と結末が同じなので二人がいかに交わっていくのかという話ではあるのだが、恋愛模様とは全く違う。
    哲学論と詩のような文体が入ることにより、物語より深い不思議な体験を味わえる。
    始めはそれが、読みにくいし、全く理解出来ず苦痛だったのが、慣れとともに心地良くなり次第には独特な言葉の禅体験をしたような晴れやかな気持ちになっていた。
    傷を抱えた者が世の中に馴染めず、かといって落としどころを見つけて合わせて生きていくのも苦しい。
    二分

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    2025年09月12日
  • 回復する人間

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    読みながら少したじろぐ。なぜハン•ガンさんは、異郷のゆかりもない僕に対して、抱え込んだ孤独を、疼き続ける痛みを告白するのかと。
    僕には、受け止めるだけの度量も、分かち合う優しさもないというのに。

    だが、彼女は決して弱音を吐いて、己の傷や悲しみを嘆き訴えているのではなかった。
    むしろ、誰からも助けの手が差し伸べられなく、独りで耐えるしかない痛みに押し潰されたときでさえも、消え去ることのない強さが人の内には秘められている、そう静かに告げていたのだ。


    人は自らの意志で、身体や生活を律して前へ進んでいるいると思い込んでいるけれど、果たしてそうだろうか。
    心がたとえ悲しみを求めていても、
    理性が抑

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    2025年09月04日