小山内園子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
キム・イルは、知能が少し下回るためクラスメイトや
両親からも「ばか」と言われている。
ただ、聴く力だけは誰にも負けなかった。
〈見ないでいることはできるし話さないでいることもできるが、
聞かないでいることはできない〉
P146
周りの大人たちがキム・イルを追い詰めていく。
「スリーカップゲーム」大会を開催し
・客足が途絶えがちな市場を盛り上げよう。
・スリーカップ大会を放送し視聴率を稼ぐ。
・聴力がずば抜けている息子を大会に出場させ
賞金を手にしようと目論む両親。
無言で孤独なキム・イル。
反対に、大いに盛り上がり、そして堕ちていく大人たち。
違う世界で生きられたら、救われていただろう -
Posted by ブクログ
『老害』というワードが世間で囁かれる様になって幾久しい。 ニュース等で盛んに取り上げられているのは高齢ドライバーによる事故、これは池袋の事故以降、緩やかに減少してはいるらしいが、それでも後を絶ちはしない(口を開いたまま虚な目で操作する姿を見てはゾッとする)。
必ずしも傲岸不遜と言う訳では無い、悪人ではない…が、押し並べて思うのは『お年寄りだから許されるだろう』といった意識に根差したルールやモラル、エチケットなどの軽視だ。
考えてみて欲しい。
今や私を含めた60歳前後の人間を含めると人口の大凡3人に1人が老人と言っていい国で、その圧倒的なボリュームを占めるその世代が社会性を顧みない稚戯と思 -
-
Posted by ブクログ
舞台は近未来の韓国。少子化問題の深刻化の行き着いた先、ここでは何らかの事情で生みの親に育てられなかった子どもたちを国家が育てる、NC(ナショナル・チルドレン)センターという施設が全国的に機能している。センターの子どもたちは、十三歳になると、父母面接を重ねて親を選ぶ権利を持つ。家族になることが決まれば施設を出ることができ、そのときNC出身であるという記録は抹消される。二十歳までに親が決まらない場合、保護者の無いNC出身者として社会に出ていくことになるが、NC出身者への差別は根深い。
タイトルになっている「ペイント」とは、父母面接=ペアレンツ・インタビューを縮めた非公式の呼称。「ペイントする」