小山内園子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2026年5月再読
同名ミュージカルの原作ということで手に取りました。(新国立劇場2026年3月7日(土)~22日(日))小説も舞台も韓国発。
読みにくいと感じた方もいたようですが、自分は割と好きな文体でした。
主人公は60代の女殺し屋チョガク。老いにまつわる描写や心情が肌にじわじわ吸い付くような感覚で描かれる。自分も60代を目前に控えているせいか、感覚的にわかる部分がたくさんあった。失われていくことへのもどかしさ、怖さ、焦り、諦め…
いまはもういない、心を寄せた人への想いが昇華できず、ずっと思い出のあの人と心で対話している。しかしそれは自負の脳内が作り出したもの。結局自分と対話している -
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すごく良い本だった。8つの短編集が入っている。
人間をクラゲにする変種のクラゲが大量発生したり、家に帰ると知らない人が木になっていたり、知らないおじさんの冬眠を手伝ったり、死んだ後幽霊になってこの世を去る前の時間が与えられる世界だったり、変わった設定の話が多い。
だけどどの短編も、永遠に続くかと思われる、苦しくて息が詰まるような毎日に、奇妙な変化が訪れて、その変化によって主人公の心が少しだけ前進するような瞬間を描いている。
特に最初の「幽霊の心で」がとても好きだった。
ある日、自分の感情を映す自分とそっくりの幽霊があらわれる話。事故で意識のなくなった恋人に接するうちに、重苦しい毎日に感情 -
Posted by ブクログ
チョ・ナムジュさん、『82年生まれ、キム・ジヨン』に次いで2冊目。韓国社会の性差別問題を扱った『キム・ジヨン』は、#Me Too運動からフェミニズムへと社会の潮目を変える契機となったとか…。本作はその延長線上にある短編集です。
60人余りの様々な年代の女性への取材をもとにした、「私」の一人称で展開する物語です。『キム・ジヨン』よりも更に視野が広がったこと、そして女性たちが目の前の難題に抗い、声を上げ行動している描写が印象に残ります。
4章立てで、次第に年齢層が上がり、立場や社会的責任の異なる28人の女性が紹介される構成になっています。"目の前の難題"は多様で、深刻 -
Posted by ブクログ
ネタバレ非情であるべき殺し屋のベテランにしては、爪角は感情の揺れが大きすぎて、そんなんで45年もよくやってこられたねぇ…と訝ってしまうけど、それを差し引いても最後まで引き込まれるように読み切ったのは、爪角が自身の生き方にどんな風にケリをつけるのか見届けたいと強く思わされたから…でしょうか。
ここに描かれている爪角は、甘いし、ゆるいし、迂闊だし、そんなんじゃダメでしょ⁈ってツッコミどころはたくさんあります。が、それが老いの結果ということなのだとしたら、人間とはかくも愛おしいものなのか…と思ってしまいました。ノアール小説でこんな風に思うなんて、とても不思議です。でも、自分に置き換えると、57歳で未経験の -
Posted by ブクログ
ここのところの姑の体調不良を見ているせいか、どうも年を取ることに対して臆病になっている自分がいる。60を越えた自分の顔を鏡で見るたびがっかりするし、鏡よりひどいのは写真に写った自分の姿。がっかりなんてもんじゃないので、なるべく撮らないようにしている。
息子はもう自立しているし、細々やりたいことはあれど、やらなきゃならないこともない。もうこの辺でいいかなあなんて思ってみたりする。こんなことを書くと怒られるかもしれないが、私は、自分の命の最後は自分で決めていいと思っているので。病院でたくさんの管に繋がれて生き延びるなんて絶対やだ。
と思っていたら、この本に出てくる卒寿に近いおばあさんが、
「長~