小山内園子のレビュー一覧

  • 失われた賃金を求めて

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    男性である事と女性である事。その違いだけで、賃金をはじめ多くの機会や権利に大きな差が生じている事に改めて衝撃を受けた。

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    2023年01月08日
  • 大丈夫な人

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    短編集9編
    どの物語もそう突飛なことではなくありえることばかりながら、怖さがじわじわと忍び寄ってきて、しかも最後になっても答えのないままに読者は放り出される。そこに至るまでの主人公たちの心理描写が巧みで、彼らとともに不安で不穏で妄想か現実の境もあやふやになって抜け出せない泥沼にいるような気がした。

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    2022年08月31日
  • ペイント

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    作者の後書きにグッときた。
    子育ては突然本番がやってくる。

    子どもが親を選べるなら…
    私がこの世界に立った時、自分に合う完璧な親を探し選ぶだろうかと一度は考えた。そう思い至った時に、私の中には家族との思い出がたくさん浮かんできた。そのどれもが楽しいものばかりではない。家族とは決して最初から今まで完璧ではなかった。時にぶつかり合い、怒り、悲しみ、どうして自分を分かってくれないのかと嫌になることもあった。しかし、そんな家族との時間で自分を知り、相手を知ったことは、他の何者にも変え難い時間と感じた。

    子どもも親も、その立場での自分自身を知るには努力と時間がいる。子どものためにという思いの本質には

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    2022年08月13日
  • 私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない

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    男性である自分が読んだ感想です。
    まず、女性が声を上げることに対する反発に対する作者の大きな怒りを感じ、男性側が内容についてとやかく言ってはいけないとまず感じました。
    文中に何度も出てくる、女性の話を遮り差別をなくす男性像は生々しく、自分も同じことをやっていたなと反省しかありません。
    「なにが差別なのかは自分で決める」、「差別される側の経験を否定されると差別がなかったことにされる」といった言葉は重く、それを受けて自分を含めた男性側が変わらなければ社会が変わっていかないと感じました。
    そう思った男性に対する処方箋も本書の中には用意されています。まずは、女性に教えを乞い、いままで見過ごしていた周囲

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    2022年07月15日
  • 私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない

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    マジョリティには、マイノリティのことを学ぶ責任がある。学びもせずに検討外れな意見をしてくる連中など無視しよう。差別には怒りの声をあげよう。私たちはもう黙らない。

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    2022年08月20日
  • ペイント

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    親子とは?家族とは?その非対称的になりがちな関係についての思考実験。「親ガチャ」を語る場からは、よい意味でも悪い意味でも遠いところにある。もちろん、通り一遍の道徳的な家族論でもない。韓国では中学生の課題図書(必読書)になっているらしいが、それにふさわしい作品であることは間違いない。皮肉でなく。よい本です。

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    2022年04月02日
  • 女の答えはピッチにある:女子サッカーが私に教えてくれたこと

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    筆者は韓国のアマチュア女子サッカー選手。別に学生時代にサッカーをやっていたわけではなく、30代になってから突然サッカーをやりたくなり、ある女子サッカーチームに全くの素人として入団する。本書は、筆者が入団してから約1年間の彼女にサッカーライフを自ら語ったエッセイ。
    本書には2つの側面があるように感じた。
    一つはフェミニズム的な側面。韓国も日本と同様、あるいは、日本以上に女性の社会進出が遅れている国である。そのような国で、「男のスポーツ」と考えられているサッカーをプレーすると、ある種の不愉快な経験をすることになりがちである。筆者も、そのような経験をすることになるが、意に介さず好きなサッカーをし続け

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    2022年04月01日
  • 私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない

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    作中でも「そう見えるかもしれない」と幾度か出てきていたが、若干女性と男性の対立をベースにして書かれた本というふうに読めてしまった。
    永遠に続いてきたかのような家父長制社会において女性を奮い立たせるため、言葉を口ごもらせず外に出させることを目的にして書かれた作品。そういう角度が必要なときもきっとある。

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    2022年03月15日
  • 私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない

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    女性の味方になってくれるような本だと思った。
    数字を示して論理を展開しているものではないし、読んだ後に自分の中にあった疑問が解決してすっきり、となるわけではない。だけど、女性であれば誰しもが感じたことがあるであろう、もやも体験が綺麗に言語化されていて、「やっぱりみんな同じく感じてたよね」と安心出来、大変だったら無理にわからない人に説明する必要はない、と言ってくれ、勇気を持って対話してみようと思う人向けには、そのための武器(言葉)を示してくれている。
    筆者が各シチュエーションで提案している反論の際の言葉の選び方はとても的確で、痛快。もちろん論理の筋を通すことも大切だが、相手に正確に考えを伝えるた

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    2022年02月01日
  • 私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない

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    フェミニズムについて男性と語るとき、なぜかこちらが説得しなきゃいけないような、言い訳めいた気持ちで話をすることが多かったけど、そもそもそれっておかしいことに気づけた。相手の態度が良かろうが悪かろうが、女性側に性差別を「知らない」相手に説明する義務なんて一切ないんだから、嫌なら話さなくていいということを強く主張し、いろいろな護"心"術を教えてくれる。
    男性とフェミニズムについて話したことがあり、もやもやしたことがある人には読んでみてほしい。

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    2021年11月16日
  • 私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない

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    理解する気もない人にわかってもらおうと言葉を尽くしてきたんじゃないか。わからないのはあなたの説明が悪いからじゃないよ。相手にわかる気が、ないんだよ。
    めっちゃ、納得した。

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    2021年11月11日
  • 女の答えはピッチにある:女子サッカーが私に教えてくれたこと

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    人生はなかなか大変で、急に良くなったりとても素敵なことはなかったりするけれど、ちょっとしたいいことはときどきある。読んでいてじーんとする。

    男尊女卑の日本と同様に韓国でも女性が置かれた立場や受ける待遇は大変なことが結構ある。本書でもマンスプレイニングや出産前後のサッカーとの関わり具合とか、あらためて感じることが多い。
    そんななかで、キャプテンが男子2号に対して行った行為は、とてもスカッとする。サッカー以外でもこういうことができればよいのだけれど、なかなか難しそう。

    本書に出てくる男性の振る舞いを、私自身がしないよう注意したい。

    内容は結構重いのだけれど、文章はそれを感じさせない面白さがあ

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    2021年01月14日
  • 大仏ホテルの幽霊

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    カン・ファギルさんの作品ももちろん面白いけど、訳者の小山内園子さんの翻訳本が好き。訳者あとがきが絶妙で、ここまで読んで翻訳作品って思ったのはこの方の翻訳本がはじめて。
    大仏ホテルの幽霊は時間軸がふたつ走っていて、そのひとつも本当か嘘かわからない…不思議な感じがちょっと難しかった。だけど、ページをめくる手は止まらない。

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    2026年05月11日
  • 破砕

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    ネタバレ

    爪角が爪角になる前の、室長との特訓の日々。日々のへとへとになる訓練のなかで、そこはかとなくただよう甘やかさもよかった。10代だもんねぇ。
    その後のインタビューも面白かったです。
    初めて読んだ韓国文学が破果でした。他のも読んでみようと思います。

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    2026年05月05日
  • 破果

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    ネタバレ

    苦手だった海外小説、韓国なら読めるかな?と思いトライ。出版区のYouTubeで色んな方が面白かった!と仰っていて、気になりました。

    横文字名前が苦手なわたくし、なんとか大丈夫でした!防疫業の設定が面白かった。
    ちょっとダークで、戦いのシーンは疾走感あるものの、それ以外の『暮らし』の部分の切実さというか、逆らえない『老い』の話がリアルで。仕事との相反関係が面白かったです。

    無用可愛かったのに可哀想すぎた…ぐすん。

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    2026年04月29日
  • 大丈夫な人

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    ポッドキャストで知って読みたいって思っていたのもあるけど、以前小山内園子さんの訳で読んだ韓国小説が読みやすくておもしろかったから、訳者にも注目して読んだ。
    解説がとても分かりやすい。作品は読んでいていまいち掴みきれない部分もあったんだけど、訳者の解説を読んで納得するところが多くて、それがよかった。

    不安と不穏をかきたてられる、明るい方への逃げ場がない、暗い作品なんだけど、でも読んじゃうし気になっちゃう。

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    2026年04月28日
  • 大丈夫な人

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    ネタバレ

    主に女性が遭遇する恐怖について書かれた本。
    韓国人の名前が男か女か読みでは判断できないので、じっくり読まなけれなならず苦労した。読んでもわからないこともあったが。

    村田沙耶香さんおすすめだったので読んでみた。
    それほどでもなかった。

    1. 湖 ―― 別の人:記憶の不一致
    2. ニコラ幼稚園 ―― 貴い人:組織内の排他性
    3. 大丈夫な人:親密な他者への不信
    4. 虫たち:日常の侵食
    5. あなたに似た歌:執着と投影
    6. 部屋:孤立と妄想
    7. 雪だるま:静かなる崩壊
    8. グル・マリクが記憶していること:存在の不確かさ
    9. 手:因習と肉体的違和感

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    2026年04月09日
  • 光っていません

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    色々な制約で息苦しく生きている主人公たちが、現状から少しずつ自由を取り戻していくような、短編集。
    表題作の、クラゲになってしまう感染症が流行している世界の「光っていません」、妊活に悩む「見知らぬ夜に、私たちは」が好き。
    韓国が舞台なので人とのやりとりや生活にその国を感じる。
    SFやファンタジーのような不思議な世界観だけど、なぜか心地いい。

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    2026年02月06日
  • ペイント

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    少子化対策として、国を挙げて子どもを養育、13歳以降に親子縁組を行うという、近未来的な設定です。なかなか特殊な設定に、馴染むまで少し時間がかかりました。

    あとがきにありましたが、韓国では多くの中学生が本作を読んでいるそうです。中学生の時に読んだら、この物語をどう捉えたのだろう。自分の親を思い浮かべて、面接したら何点かななどと思い描いたのでしょうか。

    今の私は親でも子でもない中途半端な状態ですが、家族について、子どもを産むことについて、考えさせられました。

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    2025年12月09日
  • ペイント

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    家族になるとか家族でいる、とはどういうことなんだろう。大人と子どもの違いに対して、或いは自身や他者の特性に対して、わたしは一方向の見方しかできないことを忘れてはいけない。区別と差別と自意識と赦しについて、多面的に考えることの難しさを改めて痛感する。

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    2025年12月07日