小山内園子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ本屋で何気なく目に止まり読んでみただけだったのだが、思いのほか良かった!私的には良作。
結局誰の話が正しいのか分からないことも面白かったが、「恨(ハン)」にまつわる韓国の有名なおとぎ話や、朝鮮戦争における韓国の歴史等詳しく知らないことが多く、とても興味深かった。
一番印象的だったのは、パク・ジウンはルェ・イハンをあまりに深く愛しすぎた為に、彼が死んだ後彼なしでも生きていけるように彼など愛していなかったというニセの心を作り出していた、という真相。悲しすぎるし辛すぎるけど、最愛の人を失ったらそういう風に生きることでしか自分の心を守ることが出来ない生き方があることが衝撃的だったし、想像しただけで辛かった。
また、「試練は人を強くしてくれるという言葉を信じていない」や、「誰もが母親を愛せるわけではないし、誰もが子どもを愛せるわけでもない」など、一般的に「そう思わなければならない」と思われている道徳観をやんわり否定してくれる描写が多くある。いわゆる一般的な道徳観から少し外れた感情を持ったときに心が苦しくなることもあるけど、そう思うことは自然でそんな自分を否定しなくても良いと思わせてくれる本だった。 -
Posted by ブクログ
「82年生まれキムジヨン」を数年前に読み、同じ作者の本を手に取った。
キムジヨンの話よりもより多くの世代・異なる時代を生きる女性がフォーカスされていて、それぞれの女性の生きづらさや時代による感覚の差などがありありと描かれている。
自身に置き換えて捉えてみても、学生時代女性の生きづらさや親との感覚の相違を感じ、声を大にしていたにも関らず、社会人として生きていくうちに少しずつ諦めが生じていくのを感じるとともに、その諦めがまた未来の女性を苦しめてしまうのではないかと奮い立たされる感覚がした。
また、同時にフェミニスト的考えを大切にしながらも、周りが見えなくなってしまわないように(男性として生きる生きづらさ、新しい時代や古い時代への理解を怠ること)気をつける必要があると感じた。 -
Posted by ブクログ
フェミ本として訳者や出版社は出したいのだろうし、作者もそういった意識はあるのだと思うが、そういった括りにしたくない本だと思う。ジェンダーは間違いなくあるし、不自由な思いをしている女性も多いことは理解してるが、新しいものに出会い、のめり込み、喜びを見出し、誰かに伝えたくなる。そういった喜びに満ちた本だと思う。
例えば、この同じ内容の本が、男性が手芸にハマるという内容出ても、多分面白いものになるのではないか。男性、女性にか変わらず、ジェンダーを含めた様々な問題が新しいことに挑戦すると湧き出してくる。それを乗り越え、少しの喜びを感じ、のめり込む。その様子を見るのは経験者からしたらとても嬉しく面白いものであることは間違いない。 -
Posted by ブクログ
人が子供を持たなくなった社会で国の管理下におかれる親のいない子供たち。
13歳以上のこどもたちが養子となる権利を持つ。国の補助を受けつつ
親になることを希望する夫婦はこどもを引き取ることができる。
何度も面接を重ね、彼らを親にするか、選ぶのはこどもたちだ。
SFめいた話かと思いきや、想像できる近未来のよう。
施設長をはじめ、こどもたちを管理する大人たちが
いい人すぎる一方で、親になる面接を望む外の世界の大人たちが
利己的にうつる。
親も完璧ではないし、生きていくかぎり100%幸せでリスクゼロの状態なんて
ない。人間同士だから、その日の気分で衝突することだってある。
そこに血は関係ないように思う。日々の暮らしをともにし、
顔をあわせて、空間を生きる。お互いを補いあって、支え合って
家族になっていく。 -
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作者の後書きにグッときた。
子育ては突然本番がやってくる。
子どもが親を選べるなら…
私がこの世界に立った時、自分に合う完璧な親を探し選ぶだろうかと一度は考えた。そう思い至った時に、私の中には家族との思い出がたくさん浮かんできた。そのどれもが楽しいものばかりではない。家族とは決して最初から今まで完璧ではなかった。時にぶつかり合い、怒り、悲しみ、どうして自分を分かってくれないのかと嫌になることもあった。しかし、そんな家族との時間で自分を知り、相手を知ったことは、他の何者にも変え難い時間と感じた。
子どもも親も、その立場での自分自身を知るには努力と時間がいる。子どものためにという思いの本質には、叶わなかった願いを叶える親のエゴがあるかもしれない。また、子どもが親に求める気持ちもあって当然だと思う。
ただ、家族というものは完璧でないもの同士が補い合って、お互いや自分自身を理解するためにあると思えば、今の親や子との関わり方が間違っているのではないかと悩む人たちも、きっと気が楽になるのかな、と思った。
あとは、私も親になった時に、完璧でなくちゃ!と気を張りすぎず、でも、命令せず子どもや自分に問いかけ反省できる人になりたいなと感じた。
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男性である自分が読んだ感想です。
まず、女性が声を上げることに対する反発に対する作者の大きな怒りを感じ、男性側が内容についてとやかく言ってはいけないとまず感じました。
文中に何度も出てくる、女性の話を遮り差別をなくす男性像は生々しく、自分も同じことをやっていたなと反省しかありません。
「なにが差別なのかは自分で決める」、「差別される側の経験を否定されると差別がなかったことにされる」といった言葉は重く、それを受けて自分を含めた男性側が変わらなければ社会が変わっていかないと感じました。
そう思った男性に対する処方箋も本書の中には用意されています。まずは、女性に教えを乞い、いままで見過ごしていた周囲の女性嫌悪的な発言を正すことで自分の周囲の差別だけでも減らすよう努力すべきというものです。できることは多くないですが、文中にあるとおりフェミニズムの主体は女性です。あまりでしゃばったり上から目線にならないよう注意深い行動が必要となることもわかりました。
以上、女性だけでなくジェンダー平等に興味のある男性でも読む価値のある本でした。 -
Posted by ブクログ
筆者は韓国のアマチュア女子サッカー選手。別に学生時代にサッカーをやっていたわけではなく、30代になってから突然サッカーをやりたくなり、ある女子サッカーチームに全くの素人として入団する。本書は、筆者が入団してから約1年間の彼女にサッカーライフを自ら語ったエッセイ。
本書には2つの側面があるように感じた。
一つはフェミニズム的な側面。韓国も日本と同様、あるいは、日本以上に女性の社会進出が遅れている国である。そのような国で、「男のスポーツ」と考えられているサッカーをプレーすると、ある種の不愉快な経験をすることになりがちである。筆者も、そのような経験をすることになるが、意に介さず好きなサッカーをし続けるところは、けっこう、読んでいて痛快である。
もう一つは、「ただのサッカー好き」という側面。何故か分からないけれども、サッカーをプレーするのが好きだという筆者の気持ちが本エッセイの至るところで描かれている。こちらの側面に注目して読んだ方が本書は楽しい。
私もサッカー好き(下手の横好き)で、いくつかのチームでプレーした経験もある。一番楽しかったのは、40歳過ぎてから加わったシニアチームでの経験だった。私がやっていたのは相当前の話だが、私が住んでいる場所では、当時からシニアサッカーは盛んで、私のチームも市のリーグ戦・カップ戦、県のリーグ戦・カップ戦に出場していたし、それ以外の大会にもいくつか参加、年に20-30試合はやっていた記憶がある。また、遠くのシニアの大きな大会に泊りがけで出かけ、試合も楽しみ、夜の飲みも楽しみということをやっていた。練習も週に1回やっていたし、そういったことが純粋に楽しかった。
二つの側面があるエッセイと書いたが、私は、筆者の「ただのサッカー好き」という側面を感じながら、とても楽しく読むことが出来た。 -
Posted by ブクログ
女性の味方になってくれるような本だと思った。
数字を示して論理を展開しているものではないし、読んだ後に自分の中にあった疑問が解決してすっきり、となるわけではない。だけど、女性であれば誰しもが感じたことがあるであろう、もやも体験が綺麗に言語化されていて、「やっぱりみんな同じく感じてたよね」と安心出来、大変だったら無理にわからない人に説明する必要はない、と言ってくれ、勇気を持って対話してみようと思う人向けには、そのための武器(言葉)を示してくれている。
筆者が各シチュエーションで提案している反論の際の言葉の選び方はとても的確で、痛快。もちろん論理の筋を通すことも大切だが、相手に正確に考えを伝えるために私に必要なのは、言語化の力を磨くことだな、と思った。
(筆者は言語が専門だということなので努力しても到底及ばないかもしれないけど笑)