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稼業ひとすじ45年.かつて名を馳せた腕利きの女殺し屋・爪角(チョガク)も老いからは逃れられず,ある日致命的なミスを犯してしまう.守るべきものはつくらない,を信条にハードな現場を生き抜いてきた彼女が心身の揺らぎを受け入れるとき,人生最後の死闘がはじまる.韓国文学史上最高の「キラー小説」,待望の日本上陸!
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Posted by ブクログ
先日読んだピエール・ルメートル『邪悪なる大蛇』と同じく、殺し屋の老婆が主人公。『邪悪なる大蛇』の方は前頭側頭型認知症かと思われる症状の出現により、反社会的行動が加速度的に増していっていたが、こちら『破果』の主人公爪角は歳を重ねたことによって、殺し屋として持つべきでない「情」の溢出を、どうしてもおさえ...続きを読むることができないでいる。これが何ともいい。 飼い犬のため家をこまやかに改造し、ターゲットを追わなきゃならない場面ではよろよろのおじいさんについ手を差し伸べずにはいられず、そして治療をしてくれた若き医師に淡い恋心を抱いてしまう…。ハードボイルドな女のこのいじらしさ、けなげさ!最高です。 しかし、何よりの白眉はバイオレンス・アクションシーン! ただならぬ緊迫感とスピード感、痛覚に直に訴えかけてくるようなヒリヒリした描写、その合間に挟み込まれる引きのアングルで見た時のなんとも言えない滑稽さ泥臭さ、そしてこれらの緩急がもたらす心地いいリズム感…。 もう、著者の筆力にただただ脱帽。 他にも、フェミニズム、エイジズム的観点や生い立ち回想シーンの重厚さなど、語りたくなるポイントは大量にあるが、とにかくさまざまな要素を全部詰め込みまくってがっつり超エンタメに仕上げてきたこのサービス精神の過剰さに、すっかり骨抜きにされてしまいました。 映画化もされたとのことで、日本での封切りが待ち遠しい!
諦めた人間がもう一度希望を持って前に進んでゆく話。 あとは失うだけの人生と悲観していた主人公が「守りたいもの」との出会いでどんどん前向きになっていく様子が素敵だった。
この作品を読んで、真っ先に思ったのが、イギリス映画みたいだ。イギリスの映画では、年配女性を主人公にした作品をよく目にする。はじめは、疑問を感じていたが熟練こその深みを感じる。 表紙に惹かれてこの本を手にし、爪角の静なる強さに魅力を感じたし、かっこいいと惚れ惚れした。何と言っても、ノアールおばあち...続きを読むゃんという新ジャンルが新鮮で、物語の世界にのめり込んでしまった。続編もあるようなので、続けて読んでみようと思う。
傷み、枯れ、何かを喪い、失い、それでも壊れないで生きていく ノワール小説で、しかもなかなかあり得ない話だけど、根底にあるのは人間の話なんだと思わされた。 生身の匂いがする(良い匂いも嫌な匂いも)物語だった。
私生活を含めてプロに徹してきたベテラン殺し屋爪角。 老いを意識すると同時に彼女の信条が揺らぐ。人間らしい感情が溢れでてしまうことが己の弱みになるのに。 それでも彼女の技は年老いたとはいえまだ現役。 若くてやり手の殺し屋トゥとの死闘は圧巻。(トゥは結局何を求めていたのか。爪角に己の存在を認識させて力...続きを読むを認めさせる=爪角を制圧すること?純粋なようで歪んだ彼の内面も考えさせるポイント) トゥに勝った代償は左腕と殺し屋稼業。 爪角はこれからどんな人生を送るのかな。 地味だけど上品にまとめた見た目に不釣り合いなその過去と、夜空の花火のような美しいネイルと一緒に。 「あたしはおたくのお母さんじゃないですよ」とあちこちで店員に言い返しながら ごく普通の幸せそうな初老の女性として、心置きなく身近なものに愛を注ぎながら生きていってほしいな。
久しぶりの外国小説。韓国の新進気鋭の別れによるノワールもの。組織ナンバーワンの「防除(=殺人)」人だが、すでに60歳を超え、体力の衰えだけでなく物忘れも気になり出した。引退がチラつくときに、なぜか若手の防除者が主人公に牙をむく。理由がわからない主人公は混乱するが、否応なく対決を迫られる。生きることの...続きを読む意味、家族や想いを寄せる人との付き合い、弱いものに強くあたる(韓国の)社会状況など、老女の様々な葛藤、感情の揺れ動きがよくわかる。韓国の、裏社会や社会の闇を扱った小説は本当に面白い。
韓国の女性の小説家ってすごいなと思うことが続いている。 出生率が日本より低いことから、家父長制とそれによる分断が、日本よりキツいのだろうなと、推測されるのですが、「自由を奪われている人は、自由を謳歌している人より余程、世の仕組みについて明確に知ることができる」と丸山眞男先生もおしゃっる通り、抑圧され...続きを読むた韓国の女性作家の小説からは。鋭い人間観察と深い人生観がバシバシ感じられます。 老境に入った女性が子どもを守るという設定は、映画の「グロリア」を思わせる。「グロリア」もメチャクチャいい映画だけど、この小説の主役「爪角」は「グロリア」よりも年齢はるかに上の65歳!なのに若い男に惚れちゃうし、急に気弱になって今までの信念を忘れちゃうし。プロとしては、ダメになっちゃったおばあちゃんなのですよ。 その設定が新鮮!確かに男ではそういう設定はあったのだけど、女では今までなかったですね。 エンターテイメント性を持ったノワール小説なのだけど、文学の香りが濃厚にする。 最強ではないでしょうか?
おどろおどろしい装画に手に取るのを一瞬ためらうほどです。ちょっと元気がない時は読むのを遠慮しちゃうかも。 ですが、カバーを外した本体をぜひ見ていただきたいのです…! カバーの怖さとは一転、何やら真っ黒ではない優しい雰囲気。 おそらく、桃色の紙にこげ茶色を印刷していると思うのですが、それが良い味を出...続きを読むしているのです。 経年劣化や摩擦で、印刷がはげて中のピンクがうっすら見えてくる。 まるで爪角が老いと共に見出した優しさや情けといった人間らしさをあらわしているよう。 もしくは、冷蔵庫の奥で忘れさられて腐った桃か。 そのどちらでも、読む人によって解釈を自由にできる装丁がすばらしいです。 触れるたびピンク色が増して優しさが滲み出る本。 読むだけじゃなく物語を追体験できる仕掛けがおもしろいと思いました。
岩波から出ている韓国文学なので何かあるかなと思い読んだが、普通のアクション系エンタメ小説だった。もちろんストーリー展開や情景描写は韓国映画を見ているようなシャープさでクオリティーは高いが、自分が求めているようなものではなかった。
読み終わってみるとストーリーはシンプル オチが気持ちいい ちょっと読みづらさを感じたけど、訳者あとがきを読んで納得
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破果
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ク・ビョンモ
小山内園子
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