あらすじ
舞台はテレビのサバイバル番組。抜群の聴力を持つ少年が出場し……。弱肉強食の社会を見据える著者ならではの真骨頂。一気に引き込まれるエンタメ小説。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2010年代の物語。
当時は様々なサバイバルオーディション番組が制作されていたのは知っていたけれどこの賭博のオーディションは新しいな、と設定が興味深かった。
Posted by ブクログ
翻訳本を読み始めるとよくあるのが、翻訳にありがちな文体に慣れないことと外国の名前になかなか馴染めないので、最初読み進めるのが困難に感じる。この本もそうだったが、だんだん読み進めると、物語の面白さに引き込まれて行った。
大人たちの欲望に振り回された少年。大人たちこそが良心の声に「耳をすます」必要があると言うことが、著者のタイトルに込めた意味だろうか。
Posted by ブクログ
みんなからバカにされている不思議な能力のある少年とその両親、衰退していく市場を盛り上げようと画策する店主、テレビ業界で生き残るために必死なディレクター。
この3人が関わりながら、いろいろな人たちの利己的な欲望があふれかえり、絡みあっていくストーリー。
人間の嫌なところを淡々とクールに、おもしろく描いていくところが、チョ・ナムジュさんらしくて好きです。
Posted by ブクログ
分かりやすく言えば小説版イカゲームとのこと。(私はイカゲーム見てないのでこのたとえが正しいかはわからない)『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者のデビュー作。タイトルは主人公の少年がめちゃくちゃ耳がいいということに起因するのかな?
Posted by ブクログ
キム・イルは、知能が少し下回るためクラスメイトや
両親からも「ばか」と言われている。
ただ、聴く力だけは誰にも負けなかった。
〈見ないでいることはできるし話さないでいることもできるが、
聞かないでいることはできない〉
P146
周りの大人たちがキム・イルを追い詰めていく。
「スリーカップゲーム」大会を開催し
・客足が途絶えがちな市場を盛り上げよう。
・スリーカップ大会を放送し視聴率を稼ぐ。
・聴力がずば抜けている息子を大会に出場させ
賞金を手にしようと目論む両親。
無言で孤独なキム・イル。
反対に、大いに盛り上がり、そして堕ちていく大人たち。
違う世界で生きられたら、救われていただろうか。
キム・イルの心からの叫びが痛い。
Posted by ブクログ
韓国の貧困と教育
ネット社会と職の安定(金もうけ)
うらぶれて行く市場
これらが三つどもえで展開する
抜群の聴力を持つ少年は
バカと言って育てられ
他者から
ピアノを勧められたが
貧困と無知のため
機会を得られず
途中でその力に気づいた両親は
衰退する市場とテレビデュレクターが
主催するスリーカップに
出場し快進撃するが
事件が起こり問題が社会に
広がっていく
韓国の一側面を切り取ったような作品