南綾子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「これからわたしが書こうとしているのは、わたしが創作した話ではなく、わたしの身に実際におこった出来事であり、登場する全ての人物、団体はマジで実在する」
40代を目前にした著者、南綾子氏のほぼ実録婚活小説。笑っちゃうぐらいおもしろくて、涙が出るほどつらくてしんどい話だった。
世の中にある”だいたいこういうもん”という規範とそこから外れる人たちへ向けられる嘲笑。かつて自分が嘲笑ってきた立場に自分が迫ると、どうにかして、時には自分をすり減らしてでもそこから逃れようともがいてしまう。
本当に結婚という制度が人にかける呪いはしぶとい。結婚が、誰かからの唯一の承認みたいなものだと思っている人が多く、誰かから欲された、認められたということがこれほど人に揺るぎない何かを与えるのだろうか、と首をかしげるけれど、きっとそういう人が多いのだろうと思う。
特につらいのはこの小説に書かれた呪いに絡め取られて、自尊心をずたずたにしながら、どうあがいても向かっていく”死”というものに孤独がつきまとってくることを恐れながら、こんなんじゃダメだと脅しをかけられながら生きている人がいまだ多いということと、隙あらばその呪いをかけてくる世間という名の社会の空気、職場、友人、はては家族がいるということ。
そんな四方八方から呪詛を浴びせ続けられて、その呪いを受けないほうが難しい。
なぜこれほどまでに呪いが強いのかというと、この国の制度設計が個人をもとにしていないから。一人で生きていくには自然と心許ないようなそんな制度設計になっているからだ。身も蓋もない話だけれど、生きているうちの不安のほとんどは経済的な不安が大きいと思う。
そこがクリアできれば、もう少し肩の力を抜いて、規範に自己を沿わせなくても楽になれる人が増えるのではないか。
もうずっとその呪いにぐるぐる巻きになっている主人公の姿がつらい。だからこそ最後の最後に主人公が母とともにたどり着く場所は風通しも、見晴らしもいいものだった。読んでよかった。 -
Posted by ブクログ
好みの作家さんと出会ったとき、この幸福に転がりまわりたくなってしまう。
中身がまずもってすごいよかった。中年男性の仕事もうまくいかず、恋愛経験もほとんどなく、結婚も見えてこなくて不安と孤独に身をすくませる。ずっとこういう中年男性の話が読みたいと思っていた。
こういう人を恋愛や結婚の存在がさも当たり前のような社会の空気に飲まれているだけだとか、自分で自分を満たせるようにとかいうアドバイスは正しい。実際そうだし。でもやさしくない。
だからここに向き合う作品を欲していた。
ごまかしてきたことや。見過ごしてきたことはいつか腹を据えて向き合わなければならないときがくる。それは自発的にそうできるときもあれば、否応なしに肩をぐいっと掴まれて身体の向きを変えられるようなときもある。
登場人物のその瞬間が拙くて美しくて読んでいて泣きそうになった。
みんながそれぞれダメなところも素敵なところもあって、読み終わったら登場人物たちがすごく愛おしくなってしまった。こういう小説書かれたら、好きになっちゃうよ~!そしてまたもや『女による女のためのR-18文学賞』出身作家であった……。 -
Posted by ブクログ
私も今すぐおばさんになりたい.........!!
人生のことじゃなくて雑談をしていたい。次の日何を話していたかも忘れてしまうようなどうでもいい話をずーーっと。お金と健康と友達を大切にすること。肝に銘じます!!
今はいろんな選択肢があるし、周りと比べると苦しくなることもあるけれど、心に残る文章がいくつも出てきた。「自分の行き先は自分で決めたいでしょ。誰だって」て、1人を選んだり子供を産む産まないとか色々あるけど、自分で決めたことを正解とするのが1番だね。
桜子みたいな生き方もかっこいい。野望なんてなくて、でも人生は楽しそうな人生の先輩!速水の頑張りすぎていろいろなものを犠牲にしてきたものを考えたら少し悲しく、もんちゃんみたいなキャリアウーマンは少し憧れたり、自分がどうなりたいかは分からないけど、50歳になってからが女性は本番らしいので、とにかくどんなおばさんになりたいか考えておこう。。自虐じゃなくて自慢ね!あと、私はリカちゃんみたいに主語述語なくなるし、すいちゃんみたいに話飛んだりしちゃうし、おばさんの卵てきな素質?いや、その人の問題?みたいなことを度々本を読んで思っていました。笑
面白くって一気読みしちゃった〜! -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて手に取ったらやっぱり私好みだった。誰かに自分の話や思いを否定せずにただ聞いてもらうってすごく大事で、心の安定をもたらすんだなぁと感じた。奈月の兄が引きこもりになってしまったきっかけ、施設からボロボロの身体で帰ってきた描写、夜中に窓の外を見て泣いている場面で泣きそうになった。結局、育ってきた家庭環境が人格形成に一番関わるような気がする。生きづら会のメンバー4人ともそれぞれに暗い過去があって、今も社会や自分の悩みとうまくやっていくだけで精一杯なのに、会のメンバーといる時は何ともいえない関係性で気楽に過ごせているところが理想的だった。
-
Posted by ブクログ
南綾子さんの本を読むのは2冊目なのですが、1冊目で気になり、この作品も気になっていて購入したいなぁと1番思ってた作品でした。
この間、久しぶりに本屋さんに行って、目に止まってすぐ購入。
今のわたしの中で求めてた感じがしました。
生きづらいと思うとある女性が、同じような人を募集しようとする所から始まるのですが、
同じように生きづらいと思う、色んな人達が巡り合わせで集まって、生きづら会を結成するのですが、
本当にこういうのって大事なんじゃないかなって思います。
人には言えないような話からなんて事ない話をただ黙って聞いてもらう。
生きづら会があるなら全力で入りたいです。
その色んな境遇の4人が生きづら会を通して、向き合わなければならない事に向き合おうとするのですが、そうそう上手くいかないですよね。
それでも、生きづら会を通した人達とは友達でもない、種類を名前付けできないけど、とても深いとこで理解や尊重し合える大事な仲間になってて、読み終わった後、わたしは背中を押してもらえるというよりかは、肩にポンポンってしてもらってあたたかくなれたような気持ちになりました。
-
Posted by ブクログ
人前で読んだら心配されそうなタイトル。
だけどすごくよかったなー。
「生きづら会」のメンバー、好きだなぁ。
それぞれかなりの生きづらさを抱えて生きている。
身近にいたら正直あまり関わりたくないタイプの人たちなんだけど、みんな必死で生きていて、「生きづら会」で話すことで少しずつ気持ちを整理して前に進んでいく。
こんなにも素直に自分をさらけ出して話せるなんて。
誰かの話を批判しない、割り込まない。
親身になりすぎず、ただ話を受け止める。
とても良い温度感なんだよな。
誰も自分をよく見せようとせず、ありのままでいられる場所。はたから見たら奇妙な集まりなんだけど、読んでいてとても心地よかった。
-
Posted by ブクログ
南さんの他作品を読んだ時も、主人公の境遇が側から見るとドン底だったり、登場人物の口調が強めだったりで面食らったが、今作もなかなか。「心もデブ」など、グサっとくるパワーワードのオンパレードだった。
この作品自体がジャンクフードみたいに、濃ゆい味に慣れてくると手が止まらなくなるような中毒性があり、読むスピードも徐々に上がっていった。
ダイエット=ルッキズムと向き合う構図になっていて、どのエピソードも自分の価値観と照らし合わせながら、考えさせられる内容だった。
小百合に視点が替わる最終章だけ空気感が異なり、今まで土肥側からしか見ていなかったルッキズムの被害者たちが、どんな態度や言葉を投げかけられ、損なわれてきたかを追体験することになり、しんどかった。それ故、現在の小百合の強さが光るし、この物語を引っ張ってきたのは彼女だったと確信する構成だった。
-
Posted by ブクログ
面白かった!これはいずれ読み返すと思うし、お気に入りフレーズが沢山あった。
タイトルから気になってたのと南さん割と好きなのと、自分が今絶賛ダイエット中なのもあり、「ダイエットのやる気出させてくれるかな〜」なんて気持ちで読んだのだけど、いや逆!笑 ギルティフードの多いこと多いこと!笑 トッポギ食べたい!ペヤング食べたい!
私も昔っからポチャ子で「痩せたらかわいくなるのにね?」を地で行くタイプだったのだけど、そのせいもあって自己肯定感なんて皆無だったし無事に標準体重以下になった今でも「なんだかなぁ」と思っていた。でも!なんでそんなこと他人に言われなきゃいけなかったんだろう!小百合が恵太を散々貶してくれているシーン見て確かに……!って思った。男ってなんで男ってだけなのに太った女より自分が優位で批評できると思ってるんだろう!?中学の時私に足太いって言ってきた男子〜!お前だってチビでブサイクだったじゃん!(毒吐き許してください笑)
結局他人が他人のことを批評する権利なんかなくて、自分が自分を認めてあげることが何よりも大事なんだよね。
美味しいものはもちろん大好きなんだけど、今のところダイエットしてる自分のことを好きでいられてるので、私は引き続きダイエット頑張りたいと思います。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
主人公は独身中年男性コンビニ店長の春来
その元カノ兼女友達 夏枝
友達 バーの雇われ店長 女装の秋生
友達 認知症の母と障害者の兄弟2人の介護から解放された春来のコンビニ従業員の真冬
4人の人生の中での一部分の期間を覗き見させて貰うような小説
登場人物4人ともに興味を引かれる部分があって一気に読めてしまった。
例えば春来は独身中年男性でこれからも結婚できる見込みなし
夏枝は元々貧乏育ちで婚活して医者と結婚はできたが、夫から子供はいらないと言われたり関係が悪い。
秋生は今はゲイだが、過去に結婚履歴がありそこで子供が生まれている。
真冬はすべての介護から開放され、パート先で気になる男性もできたがどうもその男性の様子がおかしい。
自分の人生と春夏秋冬の人生を重ねて考えて読むととても面白かった。
他の作品も読もうと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレドラマが面白かったので小説も読みました!小説もとても面白かったです。
ハートパイ、ネーミングセンス最高です(-ヮ-)♡
いい人なんだろうけどね、、見た目は大事。
恋愛の先に結婚があると思うと、結婚から入るのって難しいと思うんだけどなあ
恋愛がしたいのか、結婚がしたいのか。それともひとりで生きていきたいのか。。
クスッと笑えながらも、重めなテーマ、人生を共にするパートナーについても考えさせられました。
好きなところ
もっと好きになれるええ奴が絶対おるから。誰かが、おるから。根拠はないけど、そうやって希望を持っていくしかないんや。誰かと一緒に生きていきたいんなら、これからはなりふりかまわず頑張れや。今みたいに、自分の気持ちを相手に押し付けてええねん。ただ、焦るな。焦らすな。相手のペースを考えろ。そうして絶対途中で諦めるな。最後まで貫けや。
死んだように生きるとかアホなこと言うてたらあかん。生きてるように生きろや、このクソバカ女! -
Posted by ブクログ
美味しそうな表紙とタイトルに目が止まり、帯の言葉でも惹かれて購入。
この2人でやって行くの?大丈夫?と思っていたけど、人と関わって行くに連れて、変わっていく姿、そして、元々の目的に疑問を持つ。
わたしの周りにもこういう人いたな…(トラウマ)。とか、ダイエットという事に関して、共感する事沢山あるし、ダイエットということを後押しする訳でも止める訳でもない、でも、自分を後押ししてもらえるそんなストーリーでした。
素敵な言葉があって、
わたしは自分のために仕事して、自分のためにダイエットして楽しく生きる。それでいい。男の人に認めてもらえなくてもいい。
あと、わたしの心の脂肪もかなりついているので、削ぎ落としていきたいです。
自分が楽しく生きる事が1番だよねって改めて思いました。