南綾子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「結婚のためなら死んでもいい」の方が面白かったのと、当該作品を先に読んでしまい、そこに今作品のネタバレ要素も入っていたため、そこまで没入はできなかった。でも、やっぱり面白く読めた!
南綾子さんの作品を読んでいると、三島由紀夫の夏子の冒険を思い出す。保守的で、経済的なステータスや容易に明るい将来を想像させてくれる男よりも、突拍子もない夢や予想できない今を楽しむための行動をする異性に心が動くのは、とっても共感できる。
引用:
「婚活とは、巨大なゴミ箱の中に落としたコンタクトレンズを手探りで探すようなものだと常々思う。本当は探しはじめる時にある程度あたりをつけ、一度か二度のアタックでヒットさせなければならないものなのだ。なぜなら、ごそごそやっているうちにどんどん底の方に沈んでいって、やがて自分はコンタクトを探しているのかそれともゴミの中からゴミを探しているのかわからなくなる。」
この表現は、秀逸すぎる。一見なんのつながりもないようなワードから共通するものを見出せる技術、多くの人が持っているものではないと思う。
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Posted by ブクログ
いい本でした。
自分もこれから一人で生きていくのかと思うと、少し怖い。でもその一方で、一人で過ごすのも案外楽しいな、と思うこともあって。この本の登場人物たちの人生を見ていたら、少しだけ肩の荷が軽くなりました。
人生いろいろ。自分で選んで、自分なりに前に進んでいけばいい。自分で選んだ道なら、きっと最終的にはいい方向に進んでいくんだと思います。
もし失敗したら、そのときは桜子さんみたいに大口を開けて笑って、美味しいおにぎりをめいっぱい頬張ればいい。
とりあえず明日は、美味しい海苔と具材を買ってこよう。
ホカホカのご飯をパリパリの海苔で包んだ、美味しいおにぎりを作ろうと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルと同じ不安をもっているため惹かれたんだと思う。先に読んだ「わたしは今すぐおばさんになりたい」「死にたいって誰かに話したかった」も面白かった。
大人になって友達になった4人はそれぞれの人生を生きている。困ったときは助け合うが、4人の人生が友達以上の関係で交わることはない。すごくいいなぁと思った。「今すごく幸せ」という夏枝の気持ちがとても理解できる。
私もこんなふうな関係を友達と築きたいと思った。いま知りあっている友達とこれから出会う友達と。でも私は弱いから必要以上の関係を求めてしまうかもしれないなぁ。
私もしっかり生きて、周りの人を支える強い人間でありたいと思う。そのために今日もしっかりごはんを食べよう。働こう。と元気になれる一冊だった。春来も同じような気持ちで生活を改めたんじゃないかな?
真冬を空港で見送る場面では私も泣いてしまった。(行き先は二泊三日の韓国旅行なんだけど、、)
20260927 -
Posted by ブクログ
おばさんも30代の時は同じように悩み、先人たちを道標にしてきた。それがまた下の世代にも継承されていく。だから、私は少し年上の、未来から来たおばさんたちの話が好きなんだなぁと改めて思った。
途中から少し話がごちゃっとなったけど、パワフルなおばさんたちの生き方に勇気をもらえる話。
リカちゃんが韓国で元カレに会う場面。桜子が止めもせず、笑顔で迎え入れる準備だけしていたところにグッと来た。おばさんになっても嫌なこととか、大変なことは変わらず起こるけど、経験値があるからなんとかなるし、そこにどっしりと構えた友人がいれば最強。
「ずっと同じ場所にいるのは、自分だけ。」学生時代の友人たちと会うたびにそう感じる気持ち、分かりすぎる。
「女の人生はね、五十も半ばを過ぎてからが本番なの。でもそのときにね、金、健康、友達、この三つがないといろいろ半減だから。この三つの確保だけは、今のうちからがんばるべし。」 -
Posted by ブクログ
高校生のとき、早くおじいさんになって余生をすごしたいと思っていた。そんな私にぴったり!とタイトルにひかれて手に取った。
読み始めてびっくり、理想のおばさんと思われている桜子さんは私より年下のようだ。軽くショックを受けた。
年下だけど、自分をもっている桜子さんに憧れる。私も桜子さんのようになりたい。大事なのは「お金・健康・友達」らしい。ああ、全部もってないな。
でも心だけでも桜子さんを見ならおう。人の悪口は言わず、自分の好きなものにまっすぐに!
この本を通勤時に読んでいる間は、なんだか毎日が少しだけ楽しく感じた。貴重な時間だった。
20260826 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全然期待してなかったのに、めちゃくちゃよかった。「今」読むべき小説だった。このタイミングで出会えてよかったと思える小説だった。
医療事務の奈月は、とにかく生きづらい。生きづらさを克服しようの会を作り、そこに雄太というアラサー男性が参加し、そこに奈月の従兄の薫、薫の妻の友人の茜が加わっていく。四人はそれぞれ「生きづらさ」を抱えていて……という話。
四人それぞれの生きづらさが絶妙でよかった。奈月は作中で直接的な言及こそされなかったが、ADHDとASD的な特性があり、雄太はいかにもな弱者男性、薫は医者だが、幼少期に勉強漬けで抑圧されていたことがじわじわと四十代になってから効いていて、茜は誰もがうらやむような人生を送っていたのに、あるときふと魔が差して窃盗をしてしまう。
様々な生きづらさを抱えている人たちだったが、どこか共感できるところもあり、自身の生きづらさがどこからきているのかを「生きづら会」を通して言語化していく様がよかった。
各々が劇的に生きづらさが改善されたわけでもなく物語が終わったのもよかった。奈月は相変わらず会話が下手だし、雄太には彼女ができなかった。薫はバイトのままだし、茜は死にたいと思っている。でも「死にたい」と言うことができた。それがよかった。
ただ、自分のことを話すだけ。それだけなんだけど、たしかに四人それぞれの心が軽くなっていき、少しだけ前向きになれているのが読んでいてわかる。そういう文章がよかった。
具体的にどのシーンがよかったとかではなく、ただ、どの場面も読んでいて心が癒されていくような感覚がある、そんな小説だった。 -
Posted by ブクログ
おもしろかった。しかし長い!
あまり分厚くない文庫だからと油断していた。読んでも読んでも終わらない。途中少し中だるみ。もう少しスッキリした内容なら⭐︎5です。
桜子と響の年齢を越えたシスターフッドは憧れる。
「いつも焦っている気がする。何かを得なければと。少しでも成長しなければと。時間を有意義につかって充実させなければと。そして日曜の夜には毎度思う。今週も何も得ることなく、休日が終わってしまった、と。」
この文章にすごく同感。スタンプラリーのように人生のイベントをこなしていくのに必死。子育てを終えて自分の時間を自分だけのために使える日を待ち望んでいる。一人暮らしがしたい。
自由と孤独は背中合わせ。何を選んで何を捨てるか。永遠の人生の課題だと思った。
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Posted by ブクログ
ちょっとショッキングなタイトルだけど、わかる気がする…と読み始めた一冊。
生きづらい、この言葉をよく聞くようになってどれくらい経つだろう。
この本を読んで、この生きづらさの理由は「テンプレ」があるせいじゃないかと思いはじめた。
「これが幸せですよ」「こういうのが女ですよ、男ですよ」とありとあらゆるものにテンプレが存在する。そこからはみ出すと「なんかヘン」「変わってる」と言われてしまう。
紋切り型の幸せにはまらなきゃいけないプレッシャー。この空気が生きづらさの原因じゃないかな。自分の幸せを自分で決められないのってやっぱり辛い。
でも、男とか女とか、親とか子どもとか、役割を超えて「ただの自分」が人から必要とされる、この感覚が救いになるんだと思う。
奈月たちは自力で「ただの自分」を受け入れてくれる場所にたどりつけたんだから、本当にすごい。テンプレの幸せに流されるよりよっぽどたくましく、しなやかだと思ったな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1人で生きることを楽しめる人とそうでない人の違いは何か、それは自分の世話を自分でできるかどうかであると春来が気づくところが良かった。とはいえ、気づいたあともうだうだと寂しさから抜け出せないのも人間らしい。
ケアの役割は女性が負担させられてきた長い歴史があり、それによって女性は未婚既婚問わず長生きだが、未婚男性の寿命は短いという差が生まれる。結婚して妻に自分の世話をしてもらうのが男としての人生である、という価値観を男性同士で強化し合っているように感じる。そんなレースからさっさとおりて、自分のことは自分で世話しながら対等に人と交流することができれば1人で楽しく生きていけるのだなと思った。
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