南綾子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「うるせぇわ、まじで」としか思えないタイトルだけど、きっとそういう説教をされる話じゃないだろうなという予感が勝った。
予感は正しかった。
大学に入ったあたりから、20代までは、「食べても太らない」状態だった。体質ではなく、食べた以上に動いていたからだと思う。
30代に突入し、2度の出産を終えたあたりから、ジワっと体重が減らなくなり、コロナでどどんと太った。出勤という名の運動がなくなり、動かなくなったから当然だ。
そこからずっとじわじわと、終わらないダイエットをしている。
食事を我慢するのが死ぬほど嫌いなので、どうにか食べたいものを食べながら痩せる方法はないかを考え続けている。
見た目へのこだわり含めて、ダイエットも一種の呪いで、しかもその先に「肥満は健康に悪いし」という大義までついてくるから厄介だ。
痩せたいと思いながら、痩せられない女たちと、スリムな女性が好みと言って、太った女性に言い過ぎだろうと思うくらいの罵詈雑言を(頭の中で)繰り返しながら、女性がたくさんの食べ物をほおばる様子にくぎ付けになっている主人公の恵太。
対称的なのに、一人ずつの物語を終えるたびに、世の中や人の目線によって絡まりすぎていた呪いがちょっとだけほぐされていく。
小百合は、「それで幸せになれるわけ?」といったトーンで強引すぎるほど強引な手段でからまりをほぐしにいく…というか絡まった何かをぶった切りに行くので、それですっきりかというと、ちょっとアクが強い。強すぎる。
ずっと恵太の悪態と、小百合のアクを突き付けられ続けるのは、なかなかしんどい、というか面倒くさいのだけれど、そのウダウダを繰り返したから見えるものがあるわけで。というか、人生なんてウダウダしながらどうにか先を見つけに行くものだったりするわけで。
なんで痩せないといけないんだっけ、というのは、自分自身と向き合って一度は考えておかないといけない問いであって、女性たちが「痩せてきれいにならねば」と呪いを抱えている裏側で、男性たちも「パートナーは痩せた女性とあるべき」と呪われていることがあるというのは、ある種の気づきというか、言われてみればそりゃそうだという話。
私は、服を着たときの自分のもっさり感をどこまで許せるかというところで、もう少し痩せたいのだけれど、あとどれくらい好きなものを好きに食べれるんだろうというのも考えて、食べたいものを我慢しすぎず、ほどよく食べ過ぎず、楽しく生きていければと、改めて思った。
罪悪感ばかり抱えた人生を送るほどの無駄はない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ独身のまま中年になったことを、うだっと後悔している人を見ると、ちょっとイラっとする。
え、うだっと後悔するくらいなら、伴侶を得るために、なにかすればよかったんじゃないの?
ありのままの自分を受け入れてーなんて幻想だと、20代のころに気付くところでしょうと。
「自分が頑張って手に入れたなにか」ほど「あなただってできるでしょ」とつい思ってしまう。
その後ろには、その人にはできない事情がきっとあるはずなのに。
「不器用さ」というのは、ある種の言い訳に見えてしまって、でもそれは、自分で乗り越えられた側からの傲慢さだろう。
こういう人たちもいるんだろうし、40代は大変でも、自分で人生をちゃんとコントロールすればその先50代は楽しくなるかもしれない、という希望なのかもしれないけれども、あくまで自分の身の回りだと、40代のがまだ人生コントロールしやすくて、50代のが(自分の健康とか体力低下とか、親とかいろいろあって)大変そうよ…?というのが実感値で、そのギャップが何となく腑に落ちない。
それでも、最後は全員、きちんと自分を持って、生活している様子が見えたのはよかった。
地に足をつけて生活することの大変さよ。 -
Posted by ブクログ
女性作家たちが描く「たったひとりを求める」恋愛アンソロジーでした。
1番好きな物語は、瀬尾まいこさんでした!
飛鳥井千砂さん 「神様たちのいるところ」
元彼、10年前の約束を覚えてくれているか?
約束の地、ギリシアで待つ。
大人の青春か?と思ったらビターな大人フレーバーでした。
ビターよりもほっとする環境が似合う主人公でした。
彩瀬まるさん 「かなしい食べもの」
同棲しはじめた彼女が食べたいパンを作ってという。
パンの謂れを知ったら、作りたくないだろうなと思った。
けど作った彼をカッコいいと感じた。
そして哀しさを乗り越えていく2人に幸せになって願う読後感でした。
瀬尾まいこさん 「運命の湯」
私の名前はジュリエット。あーロミオ、ロミオはどこ?
瀬尾まいこさんの小説を全部読むためこの本に辿り着いた。
やっぱり瀬尾まいこさんの文体が好き、心地よい。
ジュリエットを見つめていたロミオに出逢って良かったね。
西加奈子さん 「宇田川のマリア」
あなたよりも立派な小説家になってやる!
はちゃめちゃな短編でした(笑
南綾子さん 「インドはむりめ」
結婚してもお母さんになっても、絶対に絶対に友達でいようね、約束してから…もう30歳。
日常のショートムービードラマのようでした。
読んで流れていった、そんな感じでした。
柚木麻子さん 「残業バケーション」
同じ趣味を持つ同僚と盛り上がったドラマ…そして。
主人公は男と思って読んでいたら女でした(笑
飛び越えたくなったり、訳も分からず行動できちゃう時に、突っ走れるか、踏みとどまるかで人生は変わるのでしょうね。
小説の中も悲喜交々でした。 -
Posted by ブクログ
土肥恵太は、新卒で入った会社を上司からセクハラを受けて辞め、派遣会社ではおばさんのストーカーにメンタルをやられて辞め、今は叔母が営むダイエット教室のバイトをしている。
任せられた業務は、途中で退会した人たちを再入会させることである。
そのリストの中に、元同僚でストーカーおばさんの小百合がいて…。
いつのまにか、小百合もダイエット教室の仕事をするようになる。
ストレートなタイトルから太ってる人が華やかに変身するのが見えるのかと想像しそうだが、外見じゃなく内面のことである。
痩せることは綺麗になること、そして幸せになるというのが正解なのかを提示している。
けっして暗くならないのは、三十過ぎて童貞で意気地なしでキモいと言われている土肥とのやりとりに笑えるのである。
小百合の言葉のチョイスが凄すぎて怒涛のユーモアに何度も笑ってしまうのだ。
人の弱さや醜さも笑いがあることで救われる。
何より気の弱い土肥恵太が、けっしてその人を否定しないことや最後まで黙って話を聞いていることで、女性は自分の意志で次に進めるのではないのかと感じた。
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Posted by ブクログ
会社で受けたセクハラにより会社を退職し、無職となった「俺」である土肥恵太がダイエット教室の勧誘のため、元同僚である小百合と共に、今まで入会したものの挫折したりリバウンドして退会した女性たちに会いにいくことになる 勢いのあるキレのいい小百合の言葉と個性が強い各章のターゲットたちのキャラクターが一気に読ませる 全体的に流れる自己肯定を促す流れとクソみたいな男たちを一蹴していく様子は読んでいて爽快感がある ただモヤモヤとするのは退職まで追い込んだ主人公へのセクハラや常時行われる罵詈雑言に含まれているセクハラがどうにも軽い扱いなことだ 男から女に行うことに対して、女から男に行うことには随分と鈍感な印象がある
最後の章は小百合目線となるが、母の遺したものの怖さと言ったらない ふとイグアナの娘を思い出した
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