阿井幸作のレビュー一覧
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中国の警察ミステリ。官僚たちが次々と狙われる連続殺人。防犯カメラの死角を掻い潜り、目撃者も決定的な証拠も残さない恐るべき知的な犯人。事件を追う高棟と、彼の友人でありながら実は事件の犯人である徐策との攻防を描くサスペンス感溢れる倒叙ミステリでもあります。
まあ中国に限らずなんだろうけれど……官僚の勢力争いがえぐい(苦笑)。事件の解決を目指すのも、メンツのためだけなんですねそうなんですね。だからこそこの結末での各所の動きにものすごく納得ができたし、理不尽だともあまり感じないんだよなあ。終章で、それまでに緻密に打たれた布石が一気に繋がってくるのが爽快だし、彼の最終的な目的がこれだったのか! ってのが。徐策、あまりに見事な手口です。
「逮捕さえしてしまえば、喋りたいことを何でも喋らせられます」って何。怖すぎるんですけど。だけどそういうのって日本でもないとは限らないよね……? -
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邪悪催眠師の続編。タイトル通り『7』という数字が重要な意味を持つ。
まぁ、今回もそう。やっぱり催眠術最強じゃねーか。
高層マンションの一室から女性の遺体が発見された。
刑事の羅飛が現場に急行すると、女性は毒薬の風呂に浸かり、
肌を火傷しながら恍惚の表情を浮かべ死んでいた。
さらに、被害者の元恋人で傲慢な金持ちの息子が局部から大量出血し死亡する。
いずれの現場にも直前に宅配便が届き、
その差出人が次の被害者になると読んだ羅飛は事件を防ごうと奔走する。
だがそれを嘲笑うかのように次々に犠牲者が生まれ。
とそんなあらすじ。
前作はどちらかというと超能力者たちの超常バトルな様相だったが、
今作はじっとりねっとりとしたサイコサスペンスな感。
中国作品あるあるの人名地名覚えられない問題さえ乗り越えられれば、
前作よりは遥かに面白い作品となっている。
催眠術というものを題材にしているので
前回は後半になるにつれ大味な展開になっていってしまって
少々萎えてしまったが、今作はしっかりと催眠術という要素を
上手く使って展開していっていたように思う。
事件の背景自体はとても切なく、そして悲しい物語だった。
何とも言えないやりきれなさが残る、そんな締めくくり方。
あと愛犬家の方は読む際、要注意。
前作からの続きものではあるのだが、そこまで地続きではないので、
前作を読まずともスッと入っていけるのも良い点だった。 -
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読み終え一言、催眠術最強すぎ。
龍州市で怪事件が発生した。ある男はゾンビのように人の顔を食いちぎり、
またある男は鳩のようにビルから飛び立ち死亡。
まもなく生死を操れるという催眠師による犯行予告がネット上で発見され、
数日後に開かれる催眠師大会への参加が判明する。
刑事の羅飛は、大会主催者で催眠療法の第一人者と言われる凌明鼎に
協力を仰ぎ、捜査を進めるが、その先には恐るべき陥穽が待ち受けていた。
中国の作品を読むたびに起こる、
登場する地名と人名を覚えるの苦労する問題はあるのだが、
冒頭の流れはなかなか面白く、続きが気になってしょうがなかった。
だが、結局は催眠術という曖昧なものがメインとなるので
段々と大味な展開になっていき、段々面白さが減速していった印象かなと。 -
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最初の一行は共通で、あとの展開が作者によって異なる、メフィストリーダーズクラブのショートショート企画の第七弾。「検索結果はありません」の一文で始まる24の短編集。
この一文で始まるので、あるはずのものがない、という内容が多め。そのためか、「小説版の世にも奇妙な物語短編集」のような内容が多く、楽しめた。
少々、落ちがわかりにくかったものがあったのはやや残念。
(ちなみに、短編集なので、ボリューム不足云々言うのはお門違いだと思ってる)
特に面白かったのは、風森章羽「検索の怪物」、金子玲介「お前のためのハンバーグ」、梨「被り拒否強火担なんで自衛でブロックします」、時農(著)阿井幸作(訳)「変容」、麻根重次「ロスト・マム」。
次回作『引き出しの奥に何かがある』を楽しみにしよう。 -
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2026.07.28
このショートショート企画のなかでいちばん「これ、おもしろいな」と思った本。
お気に入りは3作。
市塔承さんは『最後の一行』がはじめましてで口調の軽さが好きで読みやすかったのだけれど、今回も突拍子もない物語でありながら一気に読めた。想定外にほっこり。
横関さんははじめましての作家さん。会社勤めしたことある?と思える内容。ヤマシタ、人事が天職だわ。出来る人ってこうよねと関心してしまった。
河村さんの物語はクイズ作問者ならではの視点かもしれない。動画でふくらPが「使う側より作る側が強い。世の中ってのはそういうもん」という言葉を思い出してにそにそした -
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龍州市で怪事件が発生した。ある男は人の顔を食いちぎり、ある男はハトのようにビルから飛び立ち死亡した。
まもなく、"生死を操れる"という催眠師による犯行予告がネット上で発見され、数日後に開かれる催眠師大会への参加が判明する。
刑事の羅飛は、大会主催者で催眠療法の第一人者と言われる催眠師に協力をあおぎ、捜査を進めるが……。
中国発の警察小説です。タイトル通り、人の生死まで操れるという邪悪な催眠師を追っていく話。
読んでいるとなんかこう、催眠術ってすっごい!! って気分になります。万能すぎる。何でもありだ……。催眠術に対する誤った認識をうえつけられそうです。一時期ちょっと催眠音声にはまっていた事があるんですが、この小説を先に読んでたらあんなにはまらなかったかもしれない。怖すぎる(笑)
ファンタジー・フィクションとして読めば面白いんですが、終始警察が催眠師に振り回されて後手後手にまわっているので、かっこいい刑事さんやスカッとする小説を求めていると違うと感じるかも。
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中国SFの短編アンソロジー、ハヤカワ文庫をはじめとして各社からゾクゾク刊行されています。これはハヤカワから出る3冊目かな?
鴨の全く個人的な感想ですが、うーん・・・出版されるたびに、面白みを感じなくなってきている自分がいます。要するに、「慣れちゃった」ということなのかもしれません。
中国SFの特徴の一つ、と言ってしまうと乱暴な気はしますが、割と幻想小説的な作風が多く、ロジカルに落とし前をつけるハード系の作風は大劉他の少数派、というイメージがあります。ブラッドベリ系が多くて、クラーク系があまりない感じ。鴨はどちらかというとクラーク系のSFが好きなので、単に好みの問題ということかと評価しています。
あ、でも「彼岸花」はめっちゃ面白かったです!洒脱な訳文の妙も相まって、とってもオシャレでウイットに富んだキラキラ系お花畑ゾンビSF。って、自分で書いてても訳わからんのですが(笑)本当にそういう作品で、誰が読んでも面白いと思います。これはおすすめ。 -
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ネタバレ洗脳のプロ同士の命をかけた戦い。色んな読みにくさ、がある。
登場人物の名前と地名が永久に読めず、名称が出る度に目が止まるのが、すごいストレス。毎度ルビ振るか、略称にすればいいじゃん。内容について途中から七つの大罪をテーマにしたブラッドピット主演セブンの映画に似ているな、とテンションが下がる。冷ややかな気持ちで読み進めてた。
面白いのは終盤。セブンになぞらえた連続殺人であると判明。ふむふむ。犯人とその動機を知ると、伏線がきちんと回収されるのが気持ちよい。そうか、ベビーカーを押す母が怪しいとおもったら、乗っている方が犯人かい!動機まで知ると、犯人に気持ちがよってしまった。
最終的にはとても面白かったんだが、読みにすぎて反吐が出たので、この評価でした。