阿井幸作のレビュー一覧
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ネタバレこの人の本は本当に面白い。
中国の事が分からなくても全然大丈夫。
めっちゃ読みやすいし、わかりやすいです。
事件が起きて高刑事が調べ始めると、事件現場の野次馬の中に旧友がいて久しぶりーって話したその人が犯人だったと読者は分かっている状態で話が進む。
犯人が次はどうやって殺そうかなとか高刑事と仲良く話したりするスリリングな状態がずっと続く。
そして続けて2人目、3人目と殺されていってこのあとやっぱり犯人は捕まるのかな?と思ってたらこの終わり方ですよ、最高です。
奇しくも高が言った台詞をそのまま引用して下さいと丁寧にオチまでつけられるんだから、納得するしかない。
中国といえばの特権を使った嫌がら -
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周浩暉『7人殺される』ハーパーBOOKS。
何度も何度も刊行予定が先延ばしになり、ようやく刊行。半年以上は延びたのではないだろうか。
ハヤカワから刊行された『死亡通知書 暗黒者』の前日譚にあたる前作の『邪悪催眠師』でも主人公を務めた凄腕刑事の羅飛を主人公にした中国の警察ミステリー小説である。
読み進めば『邪悪催眠師』の続編であることが少しずつ見えて来る。となると俄然、『死亡通知書 暗黒者』も読みたくなるのだが、勿体ぶるだけでなかなか文庫化しないドケチなハヤカワでは期待は出来ないだろう。
タイトル通りとするならば、作中で『7人殺される』のだろう。異常な状況で遺体となって発見される被害者た -
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ネタバレたまたま録画して見たドラマの「ロングナイト」が面白かったので、その小説が翻訳されると聞き、そしたら、この本があると知って、読んでみた。
面白かった。
倒叙モノだとは知らずに読んだら、なんかこれ犯人か?と思ったら犯人だった。背表紙のあらすじをそれからチェックした。
中国のお国柄を感じられる。やばい。モラルが無い。ごますりはわかるが横領とか談合とかやばい。日本だってあるだろうけど、もうちょっとそこらへんの意識が薄い気がする。うへえ、中国好きじゃないなあ。だからこそ、高棟が友人の徐策のために偉い人に掛け合ったりするのが光るのかも。出世に関係しないけど、優秀で気の合う友人のためなら頑張る。なるほどな -
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「中国の密室の王」と呼ばれる作者の初読み作品だったが、最初は「華文ミステリーって読みにくいイメージがあるんだよなぁ。」と思っていたが全くそんなことはなく、読みやすい上に三つの連続殺人、それも水密室や首切り死体といったカーを彷彿とさせる本格ミステリーの面白さがこれでもかというくらい詰まっていて最後まで面白く読めた。また探偵の職業が漫画家(非常勤似顔絵師)であったりヒロインが声優だったりといったところが新鮮だったし、『織田裕二』『踊る大捜査線』『涼宮ハルヒ』『ウルトラマン』といった日本ほエンタメの記述が出てきて「作者は日本のエンタメが好きなのかな?」というところも読みやすい要因の一つだった。
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“宝樹” 時間を操る作家
ケン・リュウ編ハヤカワSF新書「月の光」にあった「金色昔日」をよんでから、この人の物語になぜか惹かれる。
宝樹短編集『時間の王』
「穴居するものたち」……人は自らを囲い有限のなかに平安を得る。なぜ? そしてラストはやっぱりロマンチック。
「三国献麺記」……嘘をホントにする為の時間旅行。ドタバタって理屈なく楽しい。
「成都往時」……過去にしか行けないタイムトラベラーと不老不死を得た者が再び出逢うことはできるのか。ロマンチックタイムトラベル、良いですね〜。
「九百九十九本のバラ」……タイムトラベルなんて、もうどっちでもいいほどロマンチックで青春、作者も「二つは同 -
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悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい
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ネタバレ孫沁文の長編デビュー作。日本には同人誌に一度短編の掲載があったのみ。漫画家探偵の安縝シリーズ第一弾。
湖一帯の土地を持つ名家、陸家で通路が水没した地下から他殺体が発見される。地下室と死体は全く濡れておらず、死亡推定時刻より前に、地下までの道は水没したことがわかっている。振り回される警察を嘲笑うかのように、第二の密室殺人が発生し。。。
中国ミステリは久しく読んでいなかったが、雰囲気、トリック共に良かった。名家と古い一族を舞台とした密室殺人、横溝正史+ディクスン・カー的な。密室の実現性が低いというか、所謂、バカミスに紙一重なトリックもあるが、トリックだけに終わらず、軽いどんでん返しも用意されて -
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2024年の41冊目、今年のラストを飾るのは、周浩暉の「7人殺される」です。華文ミステリーです。周浩暉の本を読むのは、「死亡通知書 暗黒者」以来です。主人公は、共に龍州市公安局刑事隊長の羅飛(ルオ・フェイ)です。
全体を通して催眠が大きな鍵となっています。が、決して、荒唐無稽なオカルト話で終わっていないのは、本格派の刑事小説という土台が、しっかりと出来ているからだと思います。7に引っ掛けた構図も面白く、細かな伏線も作者の技量を感じます。
事件の真相は、中国社会の冷たさと欺瞞を炙り出します。主人公の羅飛が、自らの信念を曲げてまで、導き出したラストが何とも言えません。
☆4.5 -
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ネタバレ最初にテンポよく陰惨な事件が起こる。
バイオハザードファンがゾンビのように人の顔面を噛みちぎる、自分が鳩になったと思い込んで無防備に空に身を投げる…それが催眠術のせい?という引きの部分がめちゃくちゃ面白くて、ぐんぐん引き込まれた。
ところが。
過去の話、催眠術とはという話、催眠術合戦…と長々続き、なかなか進まない。
あれもこれも実は催眠ね、という感じで話が進み、催眠でした〜はい3歩下がる〜という感じなのだよね。全てが怪しくてスリリングに進むというよりは、話が進んだかと思うと催眠が挟まれて元に戻っちゃうので、テンポが殺されてる感じなのだ。読みづらい。前提がひっくり返るワクワク感よりも、え、ま -
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劉慈欣が認めた二次創作「三体X」の作者、宝樹の短編集。全7篇。
ユーモアの強い「三国献麵記」すれ違いメロドラマ系の「成都往時」など、どの話も読みやすい。
私は一話目の「穴居するものたち」が好き。おうちだいじ。→
「三国献麵記」は三国時代に詳しければ100倍楽しめたなぁ、と思う内容。吉川三国志を3巻までしか読んでない私、曹操と赤兎馬の関羽しかわからん(笑)
「成都往時」は恩田さんの「ライオンハート」が好きな人にはたまらないのではないかと。私は好き。
「最初のタイムトラベラー」は→
読み返すとじわじわくる怖さと面白さ。まさにショートショート。
全体的に恋愛風味な印象はありつつ、楽しめた一冊。