阿井幸作のレビュー一覧

  • 知能犯之罠

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    ネタバレ

    この人の本は本当に面白い。
    中国の事が分からなくても全然大丈夫。
    めっちゃ読みやすいし、わかりやすいです。

    事件が起きて高刑事が調べ始めると、事件現場の野次馬の中に旧友がいて久しぶりーって話したその人が犯人だったと読者は分かっている状態で話が進む。
    犯人が次はどうやって殺そうかなとか高刑事と仲良く話したりするスリリングな状態がずっと続く。
    そして続けて2人目、3人目と殺されていってこのあとやっぱり犯人は捕まるのかな?と思ってたらこの終わり方ですよ、最高です。
    奇しくも高が言った台詞をそのまま引用して下さいと丁寧にオチまでつけられるんだから、納得するしかない。
    中国といえばの特権を使った嫌がら

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    2025年05月31日
  • 7人殺される

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    周浩暉『7人殺される』ハーパーBOOKS。

    何度も何度も刊行予定が先延ばしになり、ようやく刊行。半年以上は延びたのではないだろうか。

    ハヤカワから刊行された『死亡通知書 暗黒者』の前日譚にあたる前作の『邪悪催眠師』でも主人公を務めた凄腕刑事の羅飛を主人公にした中国の警察ミステリー小説である。

    読み進めば『邪悪催眠師』の続編であることが少しずつ見えて来る。となると俄然、『死亡通知書 暗黒者』も読みたくなるのだが、勿体ぶるだけでなかなか文庫化しないドケチなハヤカワでは期待は出来ないだろう。

    タイトル通りとするならば、作中で『7人殺される』のだろう。異常な状況で遺体となって発見される被害者た

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    2025年01月17日
  • 厳冬之棺

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    レイクサイドにある陸家を襲った連続密室殺人。女児の誕生を禁忌とし湖のに葬った陸家への呪いなのか。漫画家であり警察の非常勤似顔絵師の安が解き明かす。
    1冊の中に密室事件が複数出てきて、どれも見事なトリックでした。嬰児の呪いが不気味で、怖さを引き立てていました。

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    2024年10月04日
  • 知能犯之罠

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    ネタバレ

    たまたま録画して見たドラマの「ロングナイト」が面白かったので、その小説が翻訳されると聞き、そしたら、この本があると知って、読んでみた。
    面白かった。
    倒叙モノだとは知らずに読んだら、なんかこれ犯人か?と思ったら犯人だった。背表紙のあらすじをそれからチェックした。

    中国のお国柄を感じられる。やばい。モラルが無い。ごますりはわかるが横領とか談合とかやばい。日本だってあるだろうけど、もうちょっとそこらへんの意識が薄い気がする。うへえ、中国好きじゃないなあ。だからこそ、高棟が友人の徐策のために偉い人に掛け合ったりするのが光るのかも。出世に関係しないけど、優秀で気の合う友人のためなら頑張る。なるほどな

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    2024年05月15日
  • 厳冬之棺

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     「中国の密室の王」と呼ばれる作者の初読み作品だったが、最初は「華文ミステリーって読みにくいイメージがあるんだよなぁ。」と思っていたが全くそんなことはなく、読みやすい上に三つの連続殺人、それも水密室や首切り死体といったカーを彷彿とさせる本格ミステリーの面白さがこれでもかというくらい詰まっていて最後まで面白く読めた。また探偵の職業が漫画家(非常勤似顔絵師)であったりヒロインが声優だったりといったところが新鮮だったし、『織田裕二』『踊る大捜査線』『涼宮ハルヒ』『ウルトラマン』といった日本ほエンタメの記述が出てきて「作者は日本のエンタメが好きなのかな?」というところも読みやすい要因の一つだった。

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    2024年04月18日
  • 時間の王

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    “宝樹” 時間を操る作家

    ケン・リュウ編ハヤカワSF新書「月の光」にあった「金色昔日」をよんでから、この人の物語になぜか惹かれる。
    宝樹短編集『時間の王』

    「穴居するものたち」……人は自らを囲い有限のなかに平安を得る。なぜ? そしてラストはやっぱりロマンチック。
    「三国献麺記」……嘘をホントにする為の時間旅行。ドタバタって理屈なく楽しい。
    「成都往時」……過去にしか行けないタイムトラベラーと不老不死を得た者が再び出逢うことはできるのか。ロマンチックタイムトラベル、良いですね〜。
    「九百九十九本のバラ」……タイムトラベルなんて、もうどっちでもいいほどロマンチックで青春、作者も「二つは同

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    2024年02月05日
  • 厳冬之棺

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    悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい

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    2023年12月15日
  • 厳冬之棺

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    華文ミステリ界の密室の王降臨!!

    最後まで心踊り続けた傑作!新本格を読んだ興奮がまたこの時代に味わえるとは!世界はせまくて、ひろい!!
    続編を期待してます!死のクロッキー画家事件が気になる〜!

    ぜひ〜

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    2023年12月10日
  • 厳冬之棺

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    自分的初中華ミステリ。
    館モノとか一族の揉め事系が割とすきなので面白かった。ひとつのトリックが結構重くてそれが複数組み込まれてるから重厚な作品になっていると思う。伏線がドバーッと張られているのも最初は気づかないから面白い。最後の一文が自分的には読み返しても全く理解できなかったので続編で明かされるということなのか??続編ある模様なので次作が楽しみ。

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    2023年11月11日
  • 厳冬之棺

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    ネタバレ

    孫沁文の長編デビュー作。日本には同人誌に一度短編の掲載があったのみ。漫画家探偵の安縝シリーズ第一弾。

    湖一帯の土地を持つ名家、陸家で通路が水没した地下から他殺体が発見される。地下室と死体は全く濡れておらず、死亡推定時刻より前に、地下までの道は水没したことがわかっている。振り回される警察を嘲笑うかのように、第二の密室殺人が発生し。。。

    中国ミステリは久しく読んでいなかったが、雰囲気、トリック共に良かった。名家と古い一族を舞台とした密室殺人、横溝正史+ディクスン・カー的な。密室の実現性が低いというか、所謂、バカミスに紙一重なトリックもあるが、トリックだけに終わらず、軽いどんでん返しも用意されて

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    2023年11月03日
  • 知能犯の時空トリック

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    華文ミステリー。中国の官僚体質や権力者に都合良く回される社会で、虐げられた側が知力を武器に逆襲していく。犯人は予め分かっているので、犯罪の方法とかを解き明かしていく刑事の分析も面白い。知能対決、と言うのも頷ける。次作もあるのかな、楽しみ。

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    2023年07月04日
  • ガーンズバック変換

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    表紙のイラストで青春ものかと思って読み始めると打ちのめされる。
    文献からカルチャーまで圧倒的な情報を元に広義のSFホラ話8編が展開する。
    題材は、代作家、吟遊詩人、詩人、ゲームシナリオ、マジック、作家伝、近未来、百合SF*。
    *百合小説とは女性同士の関係性を描く小説
    ミステリで日本デビューした中国人作家で、SFは自分でハヤカワに売り込んだとのこと。

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    2023年06月06日
  • 知能犯之罠

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    作者の紫金陳さんは中国の東野圭吾と呼ばれているようで、期待して読みましたが、期待通りでした。中国社会の一端も見れたのも新たな発見となり良かったところ。
    翻訳が良かったのもあると思いますが、紫金陳さんの他の作品も読んでみたいなと思わせる作品でした。

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    2022年11月20日
  • 7人殺される

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    龍州市で続けざまに不審死が起こった。直前に宅配便が届いてその差出人が次の犠牲者になるという連続殺人。羅飛は事件を防ごうと奔走するが…
    作中に登場する、犬を積んだトラックが愛犬家グループに走行阻止されるというのは実際の事件らしい。
    前作『邪悪催眠師』ですっかり催眠に詳しくなった羅飛と、催眠を駆使する犯人との攻防がスピーディーに描かれる。殺人方法がかなりグロいのと、真犯人はうーんと思わないでもないが、全体としては一気読みの面白さだった。

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    2025年08月01日
  • 厳冬之棺

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    舞台設定が現実的な分トリックについてはいささか現実味に欠けるような気はしたもののアイデアとしては素晴らしく、本格ミステリーとして面白い作品だった。犯人に関しても巧妙に伏線が張られていて驚いた。

    続編が気になる終わり方だった。

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    2025年02月24日
  • 7人殺される

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    華文ミステリー。邪悪催眠師シリーズの2番目。龍州市公安局の刑事隊長の羅が主人公で、凄惨な連続殺人事件を追っていく。実務一辺倒の羅が兎に角カッコいいし、部下の劉とのコンビも最高でついつい肩に力を入れて応援してしまう。催眠術での犯行も4千年の歴史の中国ならあり得ると感じてしまう。ラストの意外な犯人に驚いたが、心情的には犯人に同情してしまった。

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    2025年02月01日
  • 7人殺される

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    2024年の41冊目、今年のラストを飾るのは、周浩暉の「7人殺される」です。華文ミステリーです。周浩暉の本を読むのは、「死亡通知書 暗黒者」以来です。主人公は、共に龍州市公安局刑事隊長の羅飛(ルオ・フェイ)です。
    全体を通して催眠が大きな鍵となっています。が、決して、荒唐無稽なオカルト話で終わっていないのは、本格派の刑事小説という土台が、しっかりと出来ているからだと思います。7に引っ掛けた構図も面白く、細かな伏線も作者の技量を感じます。
    事件の真相は、中国社会の冷たさと欺瞞を炙り出します。主人公の羅飛が、自らの信念を曲げてまで、導き出したラストが何とも言えません。
    ☆4.5

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    2025年01月12日
  • 知能犯の時空トリック

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    前作に続き面白かったです。
    紫金陳さんの官僚謀殺シリーズに出る容疑者は絶対悪ではないので読者に同情を誘います。
    とはいえ、犯罪は犯罪なので容疑者を追う側の刑事には捕まえてほしいと思ってしまう。

    しかし、、権力とコネがモノをいう世界を渡るのは難しいと紫金陳さんの著書を読む度に思います。

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    2024年10月22日
  • 邪悪催眠師

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    ネタバレ

    最初にテンポよく陰惨な事件が起こる。

    バイオハザードファンがゾンビのように人の顔面を噛みちぎる、自分が鳩になったと思い込んで無防備に空に身を投げる…それが催眠術のせい?という引きの部分がめちゃくちゃ面白くて、ぐんぐん引き込まれた。

    ところが。
    過去の話、催眠術とはという話、催眠術合戦…と長々続き、なかなか進まない。
    あれもこれも実は催眠ね、という感じで話が進み、催眠でした〜はい3歩下がる〜という感じなのだよね。全てが怪しくてスリリングに進むというよりは、話が進んだかと思うと催眠が挟まれて元に戻っちゃうので、テンポが殺されてる感じなのだ。読みづらい。前提がひっくり返るワクワク感よりも、え、ま

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    2024年07月13日
  • 時間の王

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    劉慈欣が認めた二次創作「三体X」の作者、宝樹の短編集。全7篇。
    ユーモアの強い「三国献麵記」すれ違いメロドラマ系の「成都往時」など、どの話も読みやすい。
    私は一話目の「穴居するものたち」が好き。おうちだいじ。→

    「三国献麵記」は三国時代に詳しければ100倍楽しめたなぁ、と思う内容。吉川三国志を3巻までしか読んでない私、曹操と赤兎馬の関羽しかわからん(笑)
    「成都往時」は恩田さんの「ライオンハート」が好きな人にはたまらないのではないかと。私は好き。
    「最初のタイムトラベラー」は→

    読み返すとじわじわくる怖さと面白さ。まさにショートショート。

    全体的に恋愛風味な印象はありつつ、楽しめた一冊。

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    2024年05月24日