「死亡通知書・暗黒者」の前日譚らしいが、未読でも然程問題なし。華文ミステリは陳浩基氏の作品しか読んだことがなかったが、理路整然として上品な印象は今作も同じく。催眠術師の能力がサイキックさながらだったり、登場する女性が全員絶世の美女という御愛嬌もありつつ、芯の通ったエンタメ警察小説に仕上がっている。如何様にも盛り上げようのあるクライマックスからラストシーンにかけて、淡々と収束させてしまうのは勿体ない気もするが、これはこれでアリだと思った。今作に関して、無理目な設定の数々に突っ込むのは野暮というものでしょう。