長尾莉紗のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレスパイやその所属する諜報機関の描写は映画や小説といったフィクションの世界ではよく見かけるが、この本には実際のところインテリジェンスの世界がどのようなものなのかが事細かに書かれている。そもそも諜報機関の内情をノンフィクションとして書くことなどできるのだろうかと思ったが、実際著者はこの本を書くのに並々ならぬ苦労をしたことがうかがえる。その情報収集の結果は巻末の100ページ近い注記に見ることができ、情報の正確さのために多大な努力を払っていることが推察された。また、著者がイスラエルにかかわりが深いこともあり、情報源はイスラエル側のものが多いが、著者個人の主張を極力排し中立な立場で事実を書き連ねるように
-
-
Posted by ブクログ
友人同士でお喋りしているような感じでゆったり物語が進むので、もし最初から読み始めていて飽きてきたなあ…となってしまったときは、序盤を読み飛ばして大学に入ったあたりから先を読んでみるのがおすすめです。
・サウスサイドで生まれ育ったミッシェル氏が、マイノリティであることがどんなことを意味していたか、「どこにも自分のルーツがないと感じる」というのはどういう感じなのか、など、友人に話しているような感じでざっくばらんに打ち明けてくれていて、まるで自分の友人の経験かのように読むことができます。日本に生まれ育った私にはとても稀少な体験でした。
・ハーバード卒の弁護士という輝かしいキャリアから非営利団体へ -
Posted by ブクログ
黒か白、〇か×かではなく、こうなる確率はいくらなのか? という思考で物事を判断していく。この思考法は今後ますます重要で(今までもそうだったかw)、これが人はビジネスでも他でも決定的に差がつくと思う。著者はポーカーのトッププレイヤー。計算で完結できるチェスではなく、ポーカー的な「運」が左右するのが社会であり、確率に賭ける思考法を具体的に伝える。
とても有用な本なのだが、一つ。この手の本は結構読んでるほうの自分でもちょっと読みにくいと感じて頭が他のこと行ってしまったことが数回w。英語のアメリカ的表現が直訳調の日本語になって意味が通りにくい。もう少し日本語として飲み込みやすくして欲しかったと個人的に -
Posted by ブクログ
上巻に引き続き、今度は石油やその他のエネルギーや金属資源、工業製品、食料(農業)の観点から世界を俯瞰。
産業の発展に欠かせなかった灯りは、まずは鯨油、そして石炭と続き、最終的に石油が使われるようになった。その後、石油は主にガソリン、石油精製品に使われるようになり、電力は天然ガスにシフト。石油は中東、旧ソ連、北米で算出されており、特にカナダのサンドオイル、アメリカのシェールオイルにより、アメリカは石油すらもある程度自給が可能に。また天然ガスもシェールガスと呼ばれる副産物で確保可能。
グリーンテックはそのコストからしばらく本格的な普及は難しく、電気自動車自体が実はその製造段階から多大なCO2を -
Posted by ブクログ
地政学は面白い。歴史であれ政治・経済であれ、その場所の持つ特性からは逃れられないから、地政学を出発点にして考えると見えてくることが多いというのはよくわかる。そういう意味で、これからの世界を地政学の視点を基盤にしてみるとこんな風になり得る、と仮説を立ててみたのがこの本。資源や製造業など、個人的にはざっくりした常識程度の知識しかない私にとっては、それぞれどこでどんな風に、どんなものが作られて、どんな風に輸送されて現代の世界ができ上っているか、というのが理解できるという意味では「社会科の勉強」としてとても面白かった。
半面、グローバリゼーションを推進してきたアメリカ人の視点から“グローバル後”を見 -
Posted by ブクログ
ネタバレグローバル化が終焉し、無秩序の時代がくると、海運の安全は崩れ、グローバルサプライチェーンは寸断される。そのとき 各国はどうなるか?
著者は中国はやばい と 各章で語る。 石油はなくなれば石炭あるし、半導体禁輸されてもファーウェイ復活したし、 中国は大丈夫な気もするのだが・・・・
以下 備忘録
エネルギー:石油・天然ガス アメリカ以外は需要と供給が分断される。供給源がない国は困るだろう。石油が採れる国
コロンビア・ペルー・トリニダードトバコ・ブラジル(資本が必要)・オーストラリア、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、北欧、北アフリカ、ロシア、ペルシャ湾岸 それ以外の国はエネル -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
軍隊こそトップダウンの典型であったはずなのに、それだけでは勝てなくなった。だから戦い方を変えるのだ。
これだけでも時代が大きく変わったと言わざるを得ない。
軍隊の場合の大目的は、最小の犠牲で戦争に勝つこと。
トップダウンの作戦だけでは、この目的が達成できなくなっているのだ。
確実に現場での戦闘が複雑化しており、遠く離れた本部からの指示だけでは限界なのだ。
トップの間違った指示で犠牲になるのはいつも現場だ。
だからこそ現場も慎重になる。
戦争に負けてしまうのであれば、戦略・戦術を変えていくしかない。
それは本部であれ、現場であれ思いは同じ事だ
実際にはどうすればよいか。
本書では、今までのトップ -
-
Posted by ブクログ
読むのに時間がかかった。
バイデン大統領が昔妻子を亡くしていたことは知っていたが、さらに息子さんまで病で亡くしていたとは。
副大統領という立場で、ウクライナ問題(当時からあった!)やイラク問題など常に緊張と決断を迫られる任務をこなしながら、膠芽腫と闘う息子や家族を支え、さらに期待される大統領選挙への出馬を検討するなんて、時間と体力と頭脳がいくらあっても足りない。
公職に就いていなければ息子や家族を優先したり、悲しみに浸ったりできるだろうに。それを思うとずしりと気持ちが重くなった。
バイデン家に限らず、アメリカでは家族が何よりも大事だという価値観なのかな。
ボーの闘病に両親や妻、子供はもち