水原とほるのレビュー一覧

  • 気高き花の支配者

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    新しい時代と古い時代の混沌とした大正時代が好きです。
    資産家だった蓮は没落し、商社を営むハーフの貴公子、御影の家で下働きをしている。
    御影は恋に奔放で屋敷に迄男娼を呼ぶ始末。
    ある日、その男娼の機嫌を損ねてしまった蓮が鞭で打たれている時に御影が戻り、うっかりと蓮の口をついたドイツ語や英語に驚愕し、そして
    興味を持つ。
    わざと顔を隠して素性を隠していた蓮には、身を潜めている訳があった。
    蓮の美しさや賢さに次第に惹かれていく御影。
    ある日無理矢理同行させた夜会で、蓮の素性を知る事になるが。
    蓮の一度身を落としても這い上がれる力や、育ちの良さからでしょうか、他人を思いやる気持ちが溢れていて好感が持て

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    2011年08月08日
  • 蛇喰い

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    雅則は、女と逃げた恋人が残した多額の借金の肩代わりをさせられるために、裏世界で金融業を営む宇喜多の元へ拉致されます。

    初っ端から、雅則に降りかかる怒涛の災難。水原作品らしく?殺されかけたり、陵辱されたり、大変な目にあってます。
    キーワードは、蛇です。
    情が深くて、妖艶に相手に絡みついて、最後は丸呑み?
    雅則は、その描写でも外見的には凡庸な普通の32歳会社員、という設定。蛇には程遠い感じだったのに、過去の肉体関係や、宇喜多、高原との関わり方を見るうちに次第になるほどなーと納得。雅則自身にはあまり自覚のないサガなのかもしれないけど、知り合ったオトコをほぼ100%の確率で篭絡して翻弄してます。

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    2011年07月28日
  • 逃亡者

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    トップアスリートのトレーナとして渡米していた朋彦は、担当であるテニスプレイヤーと別れて帰国し、スポーツジムのトレーナーとして働いていた。そんな傷心を抱える朋彦を指名してきた有名酒造メーカーの御曹司、真之の強引さに身を任せてしまう朋彦。
    好きだといわれても、彼の社会的立場や何より朋彦自身の抱えるトラウマから、つい彼に対して無碍に振舞ってしまう。
    好きなのにその胸に飛び込めないのは、過去に失踪した父親の事が深く係わっているようです。
    一見苦労知らずに見える真之自身も辛い過去があったし、人は皆何かを抱えながらも向き合って、前向きに生きていかなければならないんだと思いました。
    多少強引ではありますが、

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    2011年07月05日
  • 陰猫

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    タイトルで読まないできましたが、面白かった。。。タイトルで判断は危険です。
    会社員の雅幸は結婚式直前に婚約者である美紀に失踪され、結婚資金にと貯めておいた600万円も持ち逃げされる。
    美紀の消息をつかむため、堅気とは言い難い美紀の弟、綱紀のもとへに強引押しかけて、挙句美紀を探す為に京都へ同行させる。
    綱紀はゲイで、女顔で性格の良い雅幸に次第に惹かれ始め、身体を求めてしまう。
    雅幸は驚きと、自分は美紀の婚約者だという思いがあり綱紀に求められても困惑するばかり。
    根がお人よしの雅幸は流されて、身体を繋いでしまうけれど綱紀の生い立ちを知り、その人柄に触れていくうちに次第に気持ちが傾いて。
    風邪で弱っ

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    2011年06月27日
  • 徒花

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    893×リーマンで高校の同級生再会モノ。
    痛いシーンがありましたが、流れとしては純愛なんじゃないかと。

    一見普通の会社員としての生活を送っている和彦は、ゲイで1年前までは同性の交際相手がいた身です。そんな彼がある日高校の同級生だった赤澤と偶然再会します。昔、和彦が告って軽くスルーされてしまった赤澤は、今では強面の暴力団の組員に。互いにある意味肩身の狭い思いをしているせいか、しだいに距離感を狭めていきます。

    相変らず赤澤のことが好きな和彦は、かなり積極的に彼に関わろうとしますが、このあたりの二人のぎくしゃくした感じが、妙に子供っぽくて拙くて、いい味出てます。
    純粋にひたすら想い続け、側に居よ

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    2011年06月21日
  • 午前一時の純真

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    痛かったけれど、面白かった。水原さんの作品は痛いシーンが多いと思うのですが、それでもお話に引き込まれるのでついつい手に取ってしまいます。痛いのがとても苦手なのにです。
    極道ものですが、なぜいつも人の良い優しい男の子が極道に捕まって痛い目にあってしまうのか。。。ああ、またなのねと切ない思いで読みました。
    大学生の史也が助けた血まみれの男は極道の組長鷲谷。自分のアパートに鷲谷を連れて行った事が運命を変えてしまいました。
    拉致もありました。
    鷲谷はかなりのドSです。かなりほっぺた張ります。痛いです。

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    2011年06月12日
  • 愛の奴隷

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    小児麻痺で右足が不自由な薄幸の美青年という設定だけで胸が痛かった。障害があることは重荷なのに、親元を離れて一人暮らしをしながら会社にも勤めている宏樹の元へ度々通ってくる美丈夫は久坂彰信。中学の頃から何かと面倒を見てもらってはいるが、彼は久坂組の次期跡継ぎで。。。宏樹を愛するために組は継がないと決心していたが、周りがそれを認めずにとうとう敵に宏樹が拉致され暴行されかかった時、彰信は己の行き方を決意する。
    痛いくらいの彰信の愛情がたまりませんでした。

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    2011年06月06日
  • 涙の中を歩いてる

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    受けの子が健気で健気で。攻め側もきっと虐めたくて虐めてるんじゃないんだろうな……。個人的に最後がよくわからなかったけど、それでもなかなか面白かったです。

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    2011年05月01日
  • 蛇喰い

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    ネタバレ

    人外ではありません;

    主人公は、付き合う人をダメにすると…
    そして、虚ろな生き方をしてるのね

    直近の彼氏が借金踏み倒して、取立てに巻き込まれる
    おぉ~不幸フラグ
    そこで、出会う二人によって、色々変わるんだね

    あんまり痛くない水原さん作品です
    あと、結構ラブな展開です

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    2011年02月18日
  • 夜夜の月

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    先にきんしゃのにえ読んでたのでなんかまだこの受け扱いがいいなぁと思ってしまった。向こうは不憫極まりないです……
    絵大好きな受けにヒシヒシくる。攻めもなんだかんだ言って優しいし、水原さんの攻めにしてはいい人っていうか怖くない。
    全体的に深々としてて好きだ。エロもよかったなぁ。いたいいたいって泣く受けおいしいです。

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    2011年02月18日
  • 蛇喰い

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    愛が欲しいのに愛に縁のない孤独な男と心が大きく欠けた男と心が歪んだ男。裏社会の殺伐とした世界観の中で関わりを深めていく3人の男ですが、愛情の気配はあれどなかなか実態を掴めないといった印象でした。この「実態が掴めない」というのが曲者で、そうなると見てみたくなるのが人情というわけでぐいぐい引き込まれて読んじゃいました。結果、面白かったwうん、やっぱり一番手に負えないいのが主人公の雅則かも。結局のところ宇喜多も高原も雅則蛇に絡め取られてる気がします(笑)

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    2011年02月06日
  • 義を継ぐ者

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    極道モノが読みたくて友人のお勧めを購入したら友人はイラストレーターさんのファンだったでござるの巻。
    ドロドロしてるかと思ったら温くてがっかり。話は面白いです、そう云うのが足りなかっただけで。
    BL小説。

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    2010年11月13日
  • 涙の中を歩いてる

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    不思議な感じ。読み応えあった、嫌いじゃない。エスぶりが痛かったマジ参った。やめとけって思いながら終わりと思うと泣いたね。幸せになれるの?なれるの?って心配したよ〜。完璧主義者の気難しいとこかな…難しいけどツボからは外れたけど読んで良かったとは思う。

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    2010年10月28日
  • 箍冬 ―Cotoh―

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    思ったよりは痛くなかったかな。
    むしろ異母兄のいる庭のが精神的にギリギリきたかと。
    というか雪洋の受け入れっぷりが凄い。
    流されているというレベルではない笑

    あと、恩田くん・・・

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    2010年10月24日
  • 小夜時雨の宿

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    なんだか切なかったです。何もかもを受け止めようとしてしまう佳史の心情は共感はできないまでも、細やかな描写によって理解はできました。強引な行為でしか佳史に繋がれない修司の不器用さと、悲しみと自責に捕らわれ過ぎて内に篭ってしまう佳史。二人にとっての楔であると同時に壁でもあった雄司の死を乗り越えることができてよかった。それを一番に願っていたのは雄司でもあったのでしょうね。きっと草葉の陰でホッとしていることでしょう。

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    2010年09月09日
  • 異母兄のいる庭

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    精神的にも肉体的にも痛めだけれど
    ちゃんと現実的に描かれていて楽しめました。
    この方の描く攻めは色々病気っぽい。

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    2010年08月13日
  • 迷い恋

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    BL作品というより、文学作品の趣き。DV、中高年管理職にかかるストレス、どちらも現代社会の問題でもあり重いテーマですね。個人的にはこの二人の行動は『あり』です。DVも中高年の鬱病もどちらも進めば進むほど命に関わってくること。祐二も晃一もお互いに出会えたことが転機だったのだと思います。内容の重さにうなりながら読んでいましたが、終盤ジワジワと感動が来ました。終盤まで、この作品が『逃亡者』のスピンオフだと気付きませんでしたが(笑)

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    2010年07月06日
  • 義を継ぐ者

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    水原さん作品にしてはぬるい。でも好きなストーリー。
    「もう殺してくれ」と頼むあたりはせつなくて泣ける。

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    2010年07月04日
  • 災厄を運ぶ男

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    いくらでも痛くできそうなネタだけど、痛くなりそうで、ならない微妙なバランスがいい。戸田の持つ禍々しさに警戒しながらも引きずられていってしまう秀一の心情に共感できました。何故だか自分でもわかりませんが…きっと戸田が私の好みだったのかも(笑) 流され受けな秀一ですが、最終的な決断はすべて自分でしているから結局のところ強い人なのでしょうね。この後の二人が読みたい。

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    2010年05月03日
  • 夜夜の月

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    表紙絵の印象とは違い、静謐な雰囲気の作品。画商と画家の卵と肉体関係という定番的な素材ですが、どろどろとしたフィジカルな部分より、『絵』を通して見えてくるメンタルな揺れ動きの丁寧な描写が印象に残りました。

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    2010年03月26日