水原とほるのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
新しい時代と古い時代の混沌とした大正時代が好きです。
資産家だった蓮は没落し、商社を営むハーフの貴公子、御影の家で下働きをしている。
御影は恋に奔放で屋敷に迄男娼を呼ぶ始末。
ある日、その男娼の機嫌を損ねてしまった蓮が鞭で打たれている時に御影が戻り、うっかりと蓮の口をついたドイツ語や英語に驚愕し、そして
興味を持つ。
わざと顔を隠して素性を隠していた蓮には、身を潜めている訳があった。
蓮の美しさや賢さに次第に惹かれていく御影。
ある日無理矢理同行させた夜会で、蓮の素性を知る事になるが。
蓮の一度身を落としても這い上がれる力や、育ちの良さからでしょうか、他人を思いやる気持ちが溢れていて好感が持て -
Posted by ブクログ
雅則は、女と逃げた恋人が残した多額の借金の肩代わりをさせられるために、裏世界で金融業を営む宇喜多の元へ拉致されます。
初っ端から、雅則に降りかかる怒涛の災難。水原作品らしく?殺されかけたり、陵辱されたり、大変な目にあってます。
キーワードは、蛇です。
情が深くて、妖艶に相手に絡みついて、最後は丸呑み?
雅則は、その描写でも外見的には凡庸な普通の32歳会社員、という設定。蛇には程遠い感じだったのに、過去の肉体関係や、宇喜多、高原との関わり方を見るうちに次第になるほどなーと納得。雅則自身にはあまり自覚のないサガなのかもしれないけど、知り合ったオトコをほぼ100%の確率で篭絡して翻弄してます。
-
Posted by ブクログ
トップアスリートのトレーナとして渡米していた朋彦は、担当であるテニスプレイヤーと別れて帰国し、スポーツジムのトレーナーとして働いていた。そんな傷心を抱える朋彦を指名してきた有名酒造メーカーの御曹司、真之の強引さに身を任せてしまう朋彦。
好きだといわれても、彼の社会的立場や何より朋彦自身の抱えるトラウマから、つい彼に対して無碍に振舞ってしまう。
好きなのにその胸に飛び込めないのは、過去に失踪した父親の事が深く係わっているようです。
一見苦労知らずに見える真之自身も辛い過去があったし、人は皆何かを抱えながらも向き合って、前向きに生きていかなければならないんだと思いました。
多少強引ではありますが、 -
Posted by ブクログ
タイトルで読まないできましたが、面白かった。。。タイトルで判断は危険です。
会社員の雅幸は結婚式直前に婚約者である美紀に失踪され、結婚資金にと貯めておいた600万円も持ち逃げされる。
美紀の消息をつかむため、堅気とは言い難い美紀の弟、綱紀のもとへに強引押しかけて、挙句美紀を探す為に京都へ同行させる。
綱紀はゲイで、女顔で性格の良い雅幸に次第に惹かれ始め、身体を求めてしまう。
雅幸は驚きと、自分は美紀の婚約者だという思いがあり綱紀に求められても困惑するばかり。
根がお人よしの雅幸は流されて、身体を繋いでしまうけれど綱紀の生い立ちを知り、その人柄に触れていくうちに次第に気持ちが傾いて。
風邪で弱っ -
Posted by ブクログ
893×リーマンで高校の同級生再会モノ。
痛いシーンがありましたが、流れとしては純愛なんじゃないかと。
一見普通の会社員としての生活を送っている和彦は、ゲイで1年前までは同性の交際相手がいた身です。そんな彼がある日高校の同級生だった赤澤と偶然再会します。昔、和彦が告って軽くスルーされてしまった赤澤は、今では強面の暴力団の組員に。互いにある意味肩身の狭い思いをしているせいか、しだいに距離感を狭めていきます。
相変らず赤澤のことが好きな和彦は、かなり積極的に彼に関わろうとしますが、このあたりの二人のぎくしゃくした感じが、妙に子供っぽくて拙くて、いい味出てます。
純粋にひたすら想い続け、側に居よ