本郷和人のレビュー一覧
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久々に本を一冊読み終えた。本書は東京大学資料編纂所教授の本郷和人氏が、御専門の中世を中心に歴史の論点をわかりやすく提示してくれていて、単純に教養本として面白いだけではなく、歴史を見る際の視点についても学ぶことができる。
我々一般人は、史料分析の結果としての歴史の本を読むから中々検証する立場には無いが、問題ある歴史家の誤謬を何パターンか指摘している。一つが資料絶対主義でもう一つが功名心からくる検証不十分な突飛な主張。
前者は、承久の乱が素材だが、後鳥羽天皇は鎌倉幕府では無く北条義時一人を倒したかった、何故なら北条義時を倒せという命令書になっているからというもの。しかし、実は幕府という言葉自体 -
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日本史を一気通貫でざっくりと改めて学びたい、そんな欲求からこの本を読んだ。
結果としてこの本ほど当初の目的に見合うものはない。
日本の誕生〜江戸時代までを7つの軸でざっくり読む。
それにより日本がこれまでどういうベクトルで変わってきたのか、それがいまの日本にどうつながっているかを知ることができた。
当たり前だが、日本史は人名や役職、当時の呼び名など、専門用語が多い。
にも関わらず読みやすい文章なのは筆者の筆力があることは言うまでもなく、親しみやすい人柄が浮き出ているように感じる。(筆者のことは知らないが.
...)
日本史をもう少し勉強したい、そんな気持ちも芽生えるいい読書体験でした -
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ネタバレp.24 「トッドの家族理論」
核家族→直径家族→共同体(家父長)家族
p.31 「氏」から「家」へ
フジワラ”の”みちなが
ミナモト”の”よりとも
↓
アシカガタカウジ
オダノブナガ
p.77 院主は世襲?
叔父から甥へ
p.159 世襲はすべての基本
まず徳行。徳行が同じなら才用ある人。才用が等しかったら労効ある人。・・・その順番で官人を任用すべし・・・。
p.172~173 武士とはそもそも何だろう
十世紀ごろ、・・・国司が主催する「大狩」、、、。・・・任期中(4年)一度きり。・・・この大狩に正式に参加する人々、彼らこそが、武士である。
p.232 「官と民」の対立の萌芽・ -
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“歴史の定説、新説に物申す!”という感じで話が進められる本書。歴史に疎い私も興味津々になって読み切りました。おもしろかったです。
“歴史研究は、専門外の時代には手を出さない。歴史教科書は、各時代の担当者同士が話し合わない。山川出版社の教科書に載った説が、日本史の定説。山川出版の教科書を書いているのは、東大の先生”など、目から鱗、ビックリ!
専門外に手を出さないのは、他業界でもあるあるなのかもしれませんが。歴史は流れが大事だから、統一することって必要だよなぁと、ど素人の私でも思います。
そんな日本史学の現状で、筆者は矛盾を紐解きながら検証し論を進めており、明快で分かりやすかったです。
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2025/04/17「東大の日本史」本郷和人☆☆
「東大の日本史」超エクセレント。「時代」を読み解く頭脳に圧倒!
最も大事なのは「歴史観を持つ」。現代を読み解き、未来を構想。
歴史は個々の事象を覚える=暗記の科目ではない。
では何か?個々の事象を束ねるリーダーが創り出した「時代」を見極めること。そしてそれを支える「社会システム、特に財政の仕組み=利害・利益の調整」を解明すること、が「歴史を学ぶ本質」。
歴史も科学。「Data―全体推定―仮説―検証」
本書は全編に渡って、興味深く、考えさせられた。お勧め・必読書。
1.鎌倉幕府①幕府と朝廷の併存②承久の乱③蒙古襲来(元寇)
2.源氏の断絶 北条執 -
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【書名】
東大脱力講義 ゆるい日本史
本郷和人
【目的】
なんとなく歴史に興味があり、ゆるく中世を読み解く一冊がほしかった。
また、ポッドキャストで本郷和人氏が話すのを聞いたことがあり、この方が関わった本という点にも興味をもった。
【印象に残ったポイント】
・中世におかえる価値観はボコったもん勝ち、命より家(とその所属する派閥)、長男ファースト
→現世とは全く異なる。逆に現世の日本の生きづらさは選択肢をなくす社会規範がなくなって、自己責任で自己決定しなければならないからか?
このほか、面子も大変重視されていたと感じる。面子>命。
・武士とは、もともと、元貴族の半グレ
→周縁から次の権力 -
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注!
内容に触れていますが、触れても読む興味は失せないと思うのでネタバレ設定にはしていません。
大河ドラマなんて、最近は見たいとも思わないけど(^^ゞ
とはいえ、大河ドラマが始まると関連本がいっぱい発売されて。
多くの人がそれを買って古本として売っちゃうことで、翌年になるとそれらが安く買えるのは、とってもありがたいことだ(爆)
ということで、『北条氏の時代』だ。
これは、(いわゆる)鎌倉時代を、関東武士団による政権の始まり(時政→義時)、北条氏権力集中の時代(泰時→時頼)、つまづきの時代(時宗→貞時)、その終わり(高時)に分けて、わかりやすく説明している良書だ(^^ゞ
ただ、(大河ドラ -
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この本は楽しく歴史上人物を覚えたい人にぴったりの一冊です。
日本を創り上げた偉人たちは"すごい"だけでなく"やばい"エピソードがあることをこの本で知りました。
完璧な人はいないということを改めて知りました。初めて偉人たちのヤバイエピソードを知ることが出来たので、より覚えやすくなります。
個人的に山口淑子さんと川島芳子さんのハードモードな人生がすごく心に残りました。
あまりにも物語のような一生と二人の絆をいつか映画や舞台になるのかなぁと予想しています。
今まで推しは源義経だけだったのですが、この本を読んでから坂本龍馬も推しになりました!!
夜眠れなく -
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「歴史が得意」というものの正体は、(歴史を分析するための)国語力を素地とした大局的な構想力や構成力、分析力のこと
本郷和人(ほんごう・かずと)
1960年、東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。東京大学・同大学院で石井進氏・五味文彦氏に師事。専攻は日本中世政治史、古文書学。同史料編纂所で『大日本史料』第五編の編纂を担当するほか、『吾妻鑑』の現代語訳(共訳)にも取り組んでいる。昔から愛好していた歴史的人物を科学的な脈絡の中で捉えなおす「新しい人物史」の構築にも挑む。
『中世朝廷訴訟の研究』(東京大学出版会)、『新・中世王権論』(文春学藝ライブラリー)、『上皇の日本史』(中公ラクレ)、