本郷和人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『日本人は道徳的だが信仰的ではなくグレーな宗教観は持つ。』と言う表現は確かに一般的な日本人観として当てはまるように思えます。
それが特定の宗教観の強い外国の人から見ると宗教の教えに頼らず倫理を維持できているのでは?と進歩的と見える場合もある事も、何となくですが理解できます。
ただ、それを我々日本人が意識してそうした訳ではない以上、そう言う外国の人は少し日本人を買い被り過ぎのような気がします。
本書を読んでも日本の宗教も昔から権力と結びついていた事は分かりましたが、日本人のグレーな宗教観の明確な理由までは分かりませんでした。
しかし、日本は外国のように多神教から一神教に至る道を辿っていないからでは?とも思いました。
つまり、日本では八百万の神と言う古来の自然信仰から多神教的な仏教が入ってきてその時々の権力者と結び付いてきましたが、仏教の教義で国を作ったわけではなく、政治のために神道や仏教を利用しただけなので、宗教そのものがその時々の都合で利用されるグレーな存在になったのかな?と言う考えです。
内容があくまでも筆者の感想と思われる部分が多いのですが、全体を通して読むとそれなりに納得できてしまう内容でした。 -
Posted by ブクログ
東大史料編纂所教授の本郷和人先生といえば、日本史を一般にもわかりやすく解説してくれることで定評がある中世史の専門家である。メディアにもよく登場されるので、世に名の知れた学者さんと言える。その先生が、ご自身の来し方を述べつつ、アカデミアの世界の内情をここぞとばかりに“暴露”しているのが本書である。
私は地方大学で、古代史、しかも外国の歴史を専門に学んだが、歴史系あるあるが満載でおもしろく読んだ。物語としての歴史が好きで歴史学を専攻し、学問としての歴史学の“無味乾燥さ”に挫折してしまう話はよく聞く。歴史学に限ったことではないが、研究に棒振りして教育はからっきしという先生もよくいらっしゃる。
私は本郷先生よりも一回り以上歳下だが、唯物史観寄りな講義をする教授はいた。網野善彦先生の人気は絶大で、日本史専攻の院生と議論したものだ。本郷先生は違うようだが、確かに事あるごとに司馬遼太郎の批判をする先生もいた。
しかし、本郷先生、こんなに書いて学会や大学で大丈夫だろうかと心配になる(笑)。 -
Posted by ブクログ
面白かったんだけどなんか読み味がぼんやりしてんなあ、という印象が拭えなかった。
というのも「日本史を通して日本という概念そのものを問い直していく」というお題目は魅力的なのに、実際はその周辺の歴史トリビア漫談に始終していてどうも書きぶりに気合が入ってないのだ。
そうはいってもさすがにメディアに引っ張りだこの手慣れた解説者だからそれぞれの解説自体は面白く、面白いけどこれ点と点を置いてるだけでそんなに線になってないよなあ、という書物としての集中力の欠落が強いイメージを残せない原因となったと思われます。
また、「日本は最初から一つの国だったのか?」と章題にしてまで既存のイメージへの問いかけをしているのに実際は本文で「日本人は草食的で、のんびりしている」と通俗的な日本人論を入れているところも、同じようの注意力と集中力の不足を感じました。面白いのですがもっと面白くできたという感じの本ですね。