本郷和人のレビュー一覧
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すごく面白い。
いつのまにか学問は、「研究」ではなく「仕事」になっている。実証にこだわるあまり、考えなくなっている。あらゆるところで、アレントが言う「行為」の空間は削られているのだ!
そこに危機感を持って、素朴に社会へ発信しようとする著者の公共精神にしびれる。現代の知識人とは、大学の研究者のことではない。著者のような「社会のために」をしっかりと考えてきた知の担い手のことである。
東京・亀有の大家族に生まれたという生い立ちの振り返りからして面白い。戦後歴史学のおよその流れとして、第〇世代「皇国史観の歴史学」、第一世代「マルクス主義史観の歴史学」、第二世代「社会史「四人組の時代」」、第四世代 -
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表題の承久の乱に関するトピックは後半から。前半はこの時代の政治、土地、主従関係などの社会全般について書かれており、これがおもしろい。
・鎌倉幕府は、江戸時代のように確固とした政治システムがあったわけではなく、「頼朝とその仲間たち」くらいの集団だったという説
・当時の社会は弱肉強食。朝廷の支配が及んでいたのは局所的かつ間接的という説
・自分の土地は自分で守らねばならない。関東では在地の武士が頼朝を中心に集まっただけという説
・当時の関東武士は朝廷と幕府の2つの主人がいる状況が普通にあったという説
・後鳥羽上皇は武勇にも学問にも優れ、傑出した存在だったという説
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如何にして北条氏は鎌倉幕府の中枢と成り、統治し、滅びたのか。
北条家のリーダーたちの実力、人脈力、「世論」力で、
鎌倉時代の姿を読み解き、歴史の流れを語ってゆく。
中世の鎌倉の地図 現在の都道府県と旧国名
北条氏系図/天皇家家系
第一章 北条時政―敵をつくらない陰謀術
第二章 北条義時―「世論」を味方に朝廷を破る
第三章 北条泰時―「先進」京都に学んだ式目制定
第四章 北条時頼―民を視野に入れた統治力
第五章 北条時宗、北条貞時―強すぎた世襲権力の弊害
第六章 北条高時―得宗一人勝ち体制が滅びた理由
北条氏との時代関連年表
地方の小さな一族が政治の表舞台に登場し、権力を掌握、
鎌倉時代を牽引 -
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日本史の学び方、古文書の読み方の基本、定説や最新学説、
史実の確かめ方、歴史の流れ、世襲と実力等をレクチャーし、
各時代の定説や史実への視点を、疑問から切り込んでゆく。
第一章 日本史を疑ってみよう
第二章 古代 第三章 平安時代 第四章 鎌倉時代
第五章 室町時代第六章 戦国時代 第七章 江戸時代
教科書での日本史は定説化した基本のようなものだから、
内容を暗記主体で学んできたような感じだった。
でも、様々な観点から日本史に興味を持ってみれば、
様々な疑問が湧いてくる。それが知りたくなって、
多くの研究書を読むと、多くの知識を豊富に得られ、
取捨選択しつつ、思考が磨かれる。
“疑う” -
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朝廷中心の世を覆し、武士が優位に立った歴史の転換となる
承久の乱。武士とは、鎌倉幕府とは、そして承久の乱に
至った経緯とその後について、著者の考察を交え、解説する。
第一章 「鎌倉幕府」とはどんな政権なのか
第二章 北条時政の“将軍殺し”
第三章 希代のカリスマ後鳥羽上皇の登場
第四章 義時、鎌倉の「王」となる
第五章 後鳥羽上皇の軍拡政策 第六章 実朝暗殺事件
第七章 乱、起こる 第八章 後鳥羽上皇の敗因
第九章 承久の乱がもたらしたもの
現在の都道府県と旧国名、各章初めに略年表有り。
大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」の後、承久の乱について
知りたくなっての読書ですが平安時代後期から -
Posted by ブクログ
2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に先立って、その予習需要を狙って2021年の秋に出版された本書ですが、「鎌倉殿~」を全話視聴した後で復習の意味で読んでみました。本書は北条氏が執権を務めた時政(初代)から高時(14代目)まで、鎌倉時代をざっと通して北条氏がどのように権力を握って行ったのかを描いています。ですので、「鎌倉殿~」のキャストやシーンだけではなく、この時代を採り上げた大河ドラマ「太平記(1991年)」での北条高時(演:片岡鶴太郎氏)、赤橋守時(演:勝野洋氏)などのシーンも思い出しながら読みました。
鎌倉時代というのは日本史を高校できちんと勉強していないと、イマイチ理解が浅く、歴史