本郷和人のレビュー一覧
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『日本史を疑え』という題は「如何いうこと?」と思ってしまう。そう思いながら紐解き始めると少し夢中になるような内容だ。
「疑え」とでも言われても、「日本史」というような「伝えられる過去の出来事等」というのは「既に変わらない、変えようのない過去」なので「疑う」という余地が少ないような気もしないではない。が、「これが“意味すること”は“如何いうことか?”」というように「熟考する余地」は十分に在る。その「熟考する余地」に想いを巡らせ、考え、論じてみるというようなことを「疑え」と称しているのだと思う。
本書はその「熟考する余地」を見出して行くという「疑え」を提起する総論の後、古代、平安時代、鎌倉時代、室 -
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2022/4/22
本郷さんの歴史解説の新書はとてもわかりやすくて、勉強になるなと思っていつも読んでいます。
合戦や戦いはこれまでの歴史の中で、戦術や、過度に美化された戦場でのエピソードなどばかりに注目が集まって、合戦の実際に着目してなされた研究が意外と少なかったことを指摘されていました。
思えば確かに…と思いつつ、なぜ今日までそうした面での研究が十分になされてこなかったのか、そもそも合戦は実際にはどうだったのかと、この本を通して、より深い合戦のことを知ることができるのではないかと思います。
大前提としてあるのは「合戦に参加しているのも人である」ということ。
命が惜しいやる気のない人だっていた -
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ネタバレ中学校で社会科を教えていますけど、実は歴史が苦手なんですよね。汗。
世界地理・日本地理・歴史(日本史中心)・現代社会・政治・経済・国際社会。これだけ全て教えるので、どうしても広く浅い知識になる。全てについて、教員になってから、常に一生懸命勉強してきた。学生の時は、経済地理学専攻だったので、専門は政治経済、日本地理。一番苦手なのが歴史なのです。
歴史に対する苦手意識を克服し、生徒にも分かりやすく歴史を教えられるようになりたい、と思って手に取った一冊。この手の本は読んでみて、「あー。やっぱりダメだ、面白いと思えなかった…」という残念な結果になることも多々あるのだけど、これはけっこう面白かった!ちょ -
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ネタバレ文藝春秋社の「本の話 メールマガジン」に応募したら、この本が当たりました。
日本中世史(鎌倉時代)を専門とする本郷教授の執筆なので、応募したのですが、たまたま今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」とぶつかりラッキーでした。NHKとしてこの時代をテーマにした大河ドラマは2012年の「平清盛」以来です。この時は低視聴率にNHKも悩まされたようですが、今回は汚名返上すべく豪華キャストで臨むようです。
本書は、当時辺境であった伊豆の田方郡を拠点とする平氏の在地豪族であった北条氏が、如何にして鎌倉幕府の中心的な地位まで登り、その後百年以上に渡り日本を動かす政治集団のリーダーに成り得たのか、かつ滅亡す -
購入済み
陰謀と暗殺と
組織 システム 建前ではなく、人 腕力 本音で勝負した時代だ ということがしみじみ理解できる良作である。腕力勝負だから、陰謀と暗殺を多用する権力闘争の連続となるのも納得できる。いい子ぶるのが得意なNHK大河ドラマがこの悪人だらけの時代をどのように繕ってみせるのかそれなりに興味がある。
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2021/10/16
古代の政治家から安土桃山時代、江戸時代の有名武将たちまで、幅広く彼らが地域や国の中心として政治を行なっていく上での「失敗」に着目して、その行動の何がいけなかったのかを考える本です。
著者も書いているとおり、歴史に「もしも」はないですが、現代まで名が残る時代を作り上げてきた成功者がいるということは、表に出てこないだけで、その礎となった多くの失敗したものたちがいたはずです。
国を動かす中心的存在であった人物たちには日々多くの決断が迫られていたことだろうと思いますが、成功と失敗の明暗を分けるものは一体どこにあったのだろうか、特に失敗した人物たちはどんなところがダメだったのだろう -
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テレビによく登場される本郷先生の本はこれまで読んだことなかったのだが、2021年は「承久の乱」からちょうど800年。再来年の大河ドラマも三谷幸喜脚本の『鎌倉殿の13人』が決定ということで、読んでみた。
武士の時代の本格的幕開けを告げる画期となった「承久の乱」だが、普通はあまり注目されない事件。後鳥羽上皇が鎌倉幕府を倒そうと挙兵。北条政子が鎌倉武士たちに檄を飛ばすシーンが何となく頭に浮かぶ程度であった。
本書はそのあまり馴染みのない「承久の乱」について、「東国国家論」(佐藤進一)説に近い立場から、「在地領主 vs.朝廷支配」の構図から明快に解説している。語り口は平易でありながら、重要なポイン -
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個人的には、この「承久の乱(自分は「変」と習った世代w)」と「応仁の乱」の二つが、誰でもその名称を知っているのに、どんなことが起きたのか、具体的なことはほとんどの人が説明できない日本史の二大事件だと思っている。
「壬申の乱」もそれに近いのかなーと思うのだけれど、古代史はあまり興味ないのでとりあえずそれはいいw
ただ、こうして「承久の乱」として書かれた本を読んでみると、「承久の乱」って、「乱」そのものは(歴史的な影響は別として)そんな大きな事件でもなく、また、それこそ「応仁の乱」のような複雑な話でもなかったんだなーと。
というのも、これは別に自慢でもなんでもなく、正直な感想なのだが、この本に書