個人的には、この「承久の乱(自分は「変」と習った世代w)」と「応仁の乱」の二つが、誰でもその名称を知っているのに、どんなことが起きたのか、具体的なことはほとんどの人が説明できない日本史の二大事件だと思っている。
「壬申の乱」もそれに近いのかなーと思うのだけれど、古代史はあまり興味ないのでとりあえずそ
...続きを読むれはいいw
ただ、こうして「承久の乱」として書かれた本を読んでみると、「承久の乱」って、「乱」そのものは(歴史的な影響は別として)そんな大きな事件でもなく、また、それこそ「応仁の乱」のような複雑な話でもなかったんだなーと。
というのも、これは別に自慢でもなんでもなく、正直な感想なのだが、この本に書かれていたことって、ほぼ知っていたのだ。
もちろん、乱に直接関わったのが、推定で鎌倉側が1万数千騎。朝廷側が1700騎みたいな細かいことや、朝廷側の兵は、守護が大番役として都の警護させていた者たちだけだった(著者の推測)みたいなことまでは知らない。
でも、「瀬田の戦い」で朝廷側が橋の板を外しちゃったこととか、「宇治川の戦い」での北条泰時と家臣の会話とか。
あと、「承久の乱」のクライマックスともいうべき、北条政子が御家人を前に演説する場面って、実は安達景盛を通してだったとかも、この本を読んでみれば、「あー、そうそう。そうだったよね」みたいな。
いや、それが安達景盛という人だったとまではおぼえてなかったけどw
それは、「乱」以前の、鎌倉幕府をめぐる様々な出来事や内幕についても同じで。
読みながら、この辺は結構知ってたなーという感じだったんだけど、なんだろう?
ずいぶん前に『逆説の日本史』の鎌倉幕府編を読んだ時、あまりに面白くて、鎌倉時代の歴史ついて書かれた本を2冊くらい読んだから、その記憶なのかな?
ていうか、大河ドラマの「草燃える」は子供の頃見ていたから、その記憶もあるんだろう。
「草燃える」は凄惨な話のオンパレードで(だって、鎌倉時代だw)、子供心にもウンザリなドラマだったけど、この本を読んでみると、意外と史実に沿っていた(この本とそんなに違和感がないという意味で)んだなーと、今さら感心した。
(ま、「草燃える」は娯楽目的のドラマだから、北条政子は御家人たちを前に直接演説ぶってたけどw)
そういう意味じゃ、昔の大河ドラマって、今みたいに視聴率至上でつくられてないせいなのか、視聴者に媚びた部分が少なくてよかったなぁー。
……と、この前に読んだ『関ケ原合戦は「作り話」だったのか』と比べて、やけに感想が少ないのだがw、それはこの本が面白くなかったということではなく、読んで納得してしまったからということが大きいと思う。
いや、だからって『関ケ原合戦は「作り話」だったのか』は納得しなかったというわけでは全然ないのだがw、そこは一般読者が読む「新書」なんだから。一般読者にちょっとは媚びて書いてよ、と思うのだ(爆)
(ま、大河ドラマの方は、視聴者に媚びない方が面白くなると思うけどねw)
著者は、あとがきで「ちゃんとした日本史の本を出すことはなかなか難しい」云々と書いているが、そういう意味では、教科書のように出来事がこま切れで出てくるのでなく、流れと因果関係がわかるようになって、よかったと思う。
ただ、それは「承久の乱」だったから、という面もあるような気もしないでもないでもない…、のかな?(爆)
冗談はともかく、鎌倉時代は無茶苦茶面白いのに、そのくせあまり詳しくは知らなかったりするので、また次を期待!