本郷和人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書の様に、最近よく本屋で「東大生に〇〇」という題名の本やホップで紹介されているのをよく見かける。
東大にコンプレックスがある訳ではないが、あまり好きな紹介のされ方ではないので、本書もいかがなものかと思って読み始めた。
私の心配は杞憂であった。鎌倉時代から幕末までを駆け足で語っているので、もう少し突っ込んで欲しいところとかあった(政治システムだけではなく普通の人々の生活の様子や思考等)。ただし、この新書の分量では無理な注文だろう。
今思うと、ほぼ50年近く前になるが、高校の日本史の先生は、その授業の中で繰り返し歴史は暗記ではないという事を強烈に主張していた。もしかしたら、その頃に最先端の思考訓練をしていたのかもしれない。故に、本郷先生の様々な主張や史実の捉え方には素直にうなづけるものがあった。
思ったより歯応えのある本なので、本書から拡がりさらに読んでみたい分野の本も出てくる。私の場合は第4回講義の宗教の章かな。世界の中の日本人を考える上で日本人の在り方の基本としてよく考えなければいけない所だと思う。
中々実りの多い充実した読書時間を過ごせた。 -
Posted by ブクログ
どうやって東大生になったのか、幼少期から先生のことが語られていて非常に興味深かったです。
先生がなぜテレビによく出演されているのかが、楽しかったです。
そして、歴史を丸暗記科目にしてしまった理由。私は歴史を学ぶ前に、面白い歴史本に出会っていたから、歴史が好きになったんですよね。
受験科目から歴史をなくすのは面白いけれど、そうなると確実に歴史の授業が消えますね。それは悲しい。
では、どうすればいいか?
東大型の入試にすればいいとは思うけど。
そうなると、採点が大変ですよね。
と、やはり解決策は見当たらず。
ひとまずは、本郷先生が頑張ってテレビに出演されたり、本を執筆されることで、歴史の楽しさを教えてください!
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Posted by ブクログ
天皇中心の政権から以後約650年続く武家政権へと切り替わる日本史におけるターニングポイントでありながら、関ケ原合戦や幕末維新に比べ取り上げられる機会が少ないという、鎌倉時代史の専門家である著者の嘆きから始まり、「鎌倉時代の本なんか誰も読まない」と某出版社からは本書の企画はボツにされたという打ち明け話しで締めくくられる。歴史学者界隈では学者が一般向けの著作を出すことは低俗であるという認識の中、なんとかこの「承久の乱」とそこに至るまでの北条氏の鎌倉幕府政権誕生の面白さを広く伝えたいという思いから著された本書は、推測や想像で面白く盛った通俗的なものにならず、史料を元にした正確さを保ちながら、かつわかりやすく気軽に面白く読めるように書かれた会心の一冊となっていると思う。大河ドラマにも取り上げられず一般に馴染みがないからなぁ…という著者の忸怩たる思いは、この数年後「鎌倉殿の十三人」の大ヒットで報われることに。荘園という私有地で骨抜きとなった律令制が前提となり、天皇中心の政権であれ東国の武家たちであれ、その権力の元になるのは私有地の所有であり、この土地を武力で保全することがこの時代において権力者を権力者たらしめる。そういう中で源氏を根絶やしにし、他の有力御家人たちを次々と排除しトップに踊り出た東の北条義時と、あるべき天皇政権の理想を掲げ政治経済に通じおまけに武闘派でもあった西の後鳥羽上皇との覇権を賭けた戦いの面白さはまさに「鎌倉殿の十三人」の面白さであり、なんなら三谷幸喜さんこの本を読んであれを書いたんじゃない?とも思わせる(もっともあのドラマでも「承久の乱」自体はあまり大体的に描かれておらず、承久の乱が関ケ原の戦いとくらべ一般に興味が持たれないのは、戦自体がワンサイドゲームでつまらないからかなぁという著者の見立て通りとなっていて草)。源氏三代目の将軍の源実朝が自分で和歌集を編纂しちゃうくらいの文化人であり、後鳥羽院は彼を抱き込むことで、二重権力になっている武家政権を自らの権力構造下に支配し政権を再構成しようともくろむのだが、実朝の暗殺により事態が大きく変わってしまう。これによって後鳥羽院自らが承久の乱を起こしてしまうわけで、もし実朝が死んでいなかったら、なんとなく西と東の二重政権が続いていき、よもや敗戦処理の中で自分が島流しになり、以後天皇の後継者も武家が決めることになって完全に立場が逆転するような事態にはならなかったかも知れない。
本書と関係ないが、百人一首の後鳥羽院の
”人もをし 人も恨めし あぢきなく 世を思ふ故に もの思ふ身は”
は、武家の勢力が台頭してきた世の中がとても不愉快である(あぢきなく)と歌っていて、結局この9年後に承久の乱を起こすのだ。これが百人一首の99番目で、100番目が後鳥羽院の息子の順徳院で
”百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり”
と今は没落の身となった貴族社会の栄華を懐かしむ歌となっている。
脱線ついでに百人一首の93番目に源実朝の歌も選ばれていて、それが
”世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ 海人の小舟の 綱手かなしも”
と、のどかな日常が永遠に変わらないで欲しいという歌だった。政権争いに巻き込まれた自分の身の境遇を歌っていたのだと思うと哀しい。してみると百人一首をまとめた藤原定家って、歌単体として優れたものだけを選んだのではなく、全体としてそこに貴族社会の総括というものを織り込み時代のうねりを表そうとしたんですね〜。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ興味深く読めました。面白かった。
分かりやすく書かれていたのが良かったです。
個人的に言霊信仰の所が面白かったなあ。確かに現代日本でも当人が主張した言説と、当人の人格を結びつけますよね。SNSの誹謗中傷とか。
あと梅毒について。梅毒が入ってくるまで、遊女自体を蔑視する風潮がほとんどなかったとの事。当時の遊女は、現代のモデルやファッションスターのような存在だった。コロンブス新大陸発見→ヨーロッパで梅毒が流行→日本に流入まで20年くらい。早いなあ。
他にも面白かった部分たくさんあったけど、キリがないのでここまで。勉強になりました。また読み返してみよう。