本郷和人のレビュー一覧
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著者は、磯田道史と同様によくTVに出演する東大史料編纂所の教授で、東大教授らしからぬヌーボーとした雰囲気で人気があるようだ。
「歴史学者という病」という仰々しいタイトルや、表紙の深刻そうな著者の顔とは裏腹に比較的軽い感じで読み進められる。
内容は著者の半生記とそれに絡めて、東大(というか日本の)歴史学の流れが述べられている。その中でのメインテーマは、「歴史を研究するということの意味について考える」という硬派のものであるが、そこへ時おり、大学院時代に奥さんに惚れ込んだ話や、現在の自分の上司が奥さんという自虐ネタを織り込んだりして、硬軟織り交ぜ内容を柔らかくもみほぐして読みやすい内容に仕上げてい -
Posted by ブクログ
遠藤誠という白髪混じりの豊かな黒髪を無造作に撫でつけた文士然とした弁護士がいた。帝銀事件の弁護団長や『ゆきゆきて、進軍』の奥崎謙三の弁護人、山口組の顧問弁護士を務めた。その遠藤氏が〈右翼と左翼の違い〉について語った記事を、確か『噂の真相』で読んだ記憶がある。
〈右翼は先の戦争を聖戦と見なし、左翼は侵略戦争とみなす〉。明快な見解を述べるご本人はバリバリのマルクス主義者。またイデオロギーの対極にあるヤクザや右翼団体の弁護も請負った。その理由は『同じ反体制だから…』。渾沌と信念が同居してるような方だった。
…そんなことを、ページを繰りながら古い記憶が蘇った。自国の歴史についての見解についてもしか -
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「鎌倉殿の十三人」の放映開始前くらいに書かれた本。筆者は大河ドラマ「平清盛」で歴史考証を担当している。(一応)初代の北条時政から、鎌倉幕府滅亡時の高時までの各執権を中心に、北条氏よ足跡を追う。
関連する大河ドラマ(草燃える、鎌倉殿、時宗、太平記)の場面や登場人物を思い浮かべながら読んだ。この時代はとにかく縁戚者内での婚姻が盛んで、同時に「近親憎悪」とでもいうべきか、一族内部での権力闘争が全てのような印象さえ受ける。
傭兵のようなだけの存在だった武士達が国を統治する術を模索しながら身に付けていった努力に感心すると共に、限られた土地(富)を奪い合って分け与える仕組みがいずれは破綻していく姿が見 -
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<目次>
はじめに
第1章 「無用者」にあこがれて
第2章 「大好きな歴史」との訣別
第3章 ホラ吹きと実証主義
第4章 歴史学者になるということ
おわりに
<内容>
歴史学者・本郷和人の半生記。彼は近年やたらと教養書を書いている(一方で研究書は少ない、というかかなり少ない)。まあ、東大教授と言っても史料編纂所の教授なので、通常の学者とは少し違うのだろうが、異端と言ってよい。「なんで?」という疑問も含めて読んでみた。自分も歴史好きから文学部史学科に入った口なので、大学入学時の話はうなずけた。彼はとても優秀な感じなので、そこを乗り越えられたわけだが、今の異端の位置に就くまでの過程も面白