本郷和人のレビュー一覧
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ネタバレ本書は、河出書房新社の藤崎氏から一字の題を出してもらって、著者がほぼ即興で話を展開するやりかた。いわば落語の三題噺のように客席から『お題』を出してもらい、それを取り込んで即席で話を展開するのと同じ手法で、本の編集をしたそうである。
著者曰く、「一つのことをひたすら追い求める、という緊迫感には欠けるが、多方面に茫洋と広がる心地よさは演出できたのではないかと自賛している」
<目次>というか、取り上げたテーマは、
「信」「血」「恨」「法」「貧」「戦」「拠」「三」「知」「異」
上記の言葉をテーマに話が多岐に渡り展開していくのが、これまでにない歴史の切口として面白い。
特に「異」に関しては、著者 -
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ネタバレ<目次>
第1章 戦いとは何か~科学的アプローチを可能にする「物差し」
第2章 長期的視野で見る武将の知略~「青野原の戦い」と「高天神城」の戦い」
第3章 地政学的要因と戦国大名の実力~織田信長が恐れた「挟み撃ち」の衝撃
第4章 武に勝るものなし!~日本的な「武官と文官」の力関係
第5章 軍勢が激増した室町以降~一騎打ち・集団戦・総力戦・追撃戦
第6章 明治維新と太平洋戦争~皇国史観の誕生と歴史学
第7章 「大義名分」の破壊力~「錦の御旗」から「万世一系」まで
第8章 日本史の面白ポイントで「流れ」をつかめ!
<内容>
本郷先生、ちょっと書きすぎじゃないんですか?!でも、この -
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関ヶ原の戦いにおいて、家康が本陣を置いた桃配山の由来が壬申の乱にまつわるという話から、このエリアの重要性を日本史における外圧と大きな転換点を考察する興味深い一冊。
長い歴史を踏まえ、著者ならでは鋭い考察に注目です。
▼律令時代の朝廷の儀式「固関(こげん)」(大事が起きたとき、関所の防衛をすること)
・三関
①越前・愛発関(あらちのせき、敦賀市)
②伊勢・鈴鹿関(亀山市)
③美濃・不破関(関ケ原町)
・朝廷にとって仮想敵は東。この3つの関の東側が「関東」
▼東の勢力が西に攻め上がろうとする時に、両者がぶつかり合う場所こそが不破、つまり関ケ原
地名(不破=やぶれざる)も何やら因縁めいて -
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ネタバレ<目次>
はじめに 日本史はひとつではない
序章 ここだけの話
第1章 神話と統治
第2章 祭り上げの政治技術
第3章 武士と武芸の源流
第4章 「日本国」意識
第5章 絶対王政・室町幕府
第6章 朝廷は下剋上で輝く
第7章 鎖国と米本位制
第8章 明治維新はブルジョワ革命だった
終章 日本人と天皇
<内容>
最近露出の多い、東大の本郷和人と京都大出身の井上章一(本職は建築史だが、世界史に造詣が深く、『京都ぎらい』で一躍有名に)の日本史対談集。やや暴走気味に歴史の妄想を語る京都史観の井上氏に、東京史観の本郷氏が斬り返す(ただ、後半はかなり押され気 -
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ネタバレ<目次>
まえがき
第1章 「ヤマト」の時代~平安朝
第2章 上皇による専制~白河・鳥羽・後白河
第3章 専制からシステムへ~承久の乱がもたらしたもの第4章 朝廷と幕府~御嵯峨上皇の院政を例に
第5章 古文書から読み解く院政~官宣旨から院宣へ
第6章 上皇による徳政の変容~両統迭立期から南北朝だ第7章 存在を脅かされる天皇・上皇~バサラ・義満・信長
第8章 権威としての復活
終章 近代天皇制の中で~終身在位する天皇
<内容>
来年の4月で「平成」が終わる。そこで問題視されてきた天皇の退位。近代の「皇室典範」では「終身在位」が全て。その中で「上皇」となるわけだから、大いなる -
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ネタバレ壬申の乱(大友皇子VS大海人皇子)、青野ケ原の戦い(高師冬など北朝武士団VS北畠顕家など南朝の奥州武士団)、そして関ヶ原の戦い(略)が、ほぼ同じような場所(不破=青野ケ原=関ヶ原)で行われたことをテーマに、日本の西国と東国の地域差、そしてこれら3つの戦いの後、歴史が大きく変わったのはなぜなのかを、俯瞰的に解き明かしたもの。歴史の読み方の入門書としても、良作だと言えるだろう。
惜しむらくは、入門書的な位置づけをしているせいか、関ヶ原の戦いに関して最近よく見かける「小山評定の有無」「メッケルの『西軍勝利』発言の有無」はこれまでの通説を踏襲し、「関ヶ原の戦い本戦の戦闘時間」についてはスルーしている -
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歴史を時系列の流れのみならず「意味」で捉える面白さを実感した。地政学的な重要性は多少時代が移ったとてなかなか大きくは変わらないわけで考えてみれば当然なんだろうけど、非常に面白かった。古代〜中世は好きなんだけどそれ以降、室町〜戦国時代のように多くの武将が錯綜する頃の歴史に明るくないので本書を読んでもっと丁寧に歴史の流れをタテヨコで眺めてみたいなと思わされた。
読み進めてワクワクする歴史の本に出会えるのは嬉しい。
学生の頃あんなに日本史が嫌いだったのに、実はこんなに面白かったのかと気づかされる度にどうも損してきた気がしている。でも高校の日本史教科書とか、ほんとにつまらなかったのを覚えてる。あれは -
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著者は東京大学史料編纂所で「大日本史料」第五編の資料集の編纂が仕事。建長年間(1249~1256)の史料を読んでいる方。天皇・宗教・土地・郡司・地域・女性・経済の7項目を選びその「時代の流れ」を把握すべく本書を書いた。項目ごとの移り変わりがすっきりとし、また相互のかかわり具合もわかった。教科書とはまた違った著者の見解はおもしろい。・・と言って読んでる時は分かったつもりでも右から左に抜けてしまうのでメモ。
メモ
〇天皇 皇位継承がタテに繫がると安定、横に伸びると騒乱。親から子に継承されるともめごとは起きず、兄から弟、甥とかになると壬申の乱のように騒乱が起きる。当初は政治も行っていたが江戸になり -
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ネタバレ著者は最近よくTVのクイズ番組で見かけるのでチャラチャラした人物かと思っていたら、本職は「大日本史料」の第5編という史料集を編纂することで、そのため来る日も来る日も建長年間(1249~1256年)の資料を読んでいる真面目(?)な東大教授でした。
その本職から離れて、歴史学によって「むかし」を知ることを「いま」に結びつける、という過程の中で、歴史はどういうベクトルで動いているかを知るために、つまり日本の古代~明治以前までの流れを把握するために、「天皇、宗教、土地、軍事、地域、女性、経済」の7つの観点から、歴史の流れを捉えている。
読んで驚いたのは、本当に「ツボ」と思われる箇所をしっかりと押さえ