本郷和人のレビュー一覧
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また違った視点で、歴史を俯瞰することができ、とても面白かったです。
複雑な土地支配の仕組み、なるほどそういうことだったのだと、よく分かりました。
戦争に勝ったということは、結局、どういうことなのか。
著者の立てた基準は、戦争目的を達成できたかどうか。
この視点で、応仁の乱などの著名な戦いを語るのが新鮮でした。
応仁の乱は、複雑すぎて、勝ち負けもよく分からず、ただ京都を荒廃させた戦いという印象しか持ってなかったので、この乱への理解が少し進んだ気がします。
豊臣秀吉が、兵站の天才というのも、新たな視点でした。
この観点からすると、朝鮮出兵は秀吉が正常な判断能力をもはや持ってなかったのではないか -
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この本に出合うまで、日本史の転換点(折り返し点)は、関ケ原の戦い、若しくは、応仁の乱だと思っていました。それが、この本のテーマである「承久の乱」なのですね。恥ずかしながら、この事件について名前こそ、高校三年生の世界史の授業で聞いた覚えがありましたが、内容をほとんど知りませんでした。日本史を変えてしまうような事件だったにもかからわず。。
と、このような新しい気づきを与えてくれたのが、この本でした。本郷氏の本の中での語り口を面白く、講演を聴いている気分にもなりました。今後の作品にも期待したいですね。
以下は気になったポイントです。
・承久の乱が日本史最大の転換点といえるのは、この乱以後、明治 -
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古代最大の戦いと言われる「壬申の乱」と、日本史上で最も有名と言っても良いと思います「関ヶ原の戦い」が同じ場所で行われたと記憶していましたが、この本を読んで、更に室町幕府を確立させた「青野ヶ原の戦い」も同じエリアで行われていることを知りました。
関ヶ原と言えば、新幹線が冬の季節に雪のための徐行するエリアというイメージしかありませんが、あの場所は、日本の東と西の境目なのでしょうかね。久しぶりに面白い歴史解説本に出合いました。時間を見つけて、関ヶ原の地を歩いてみたいと思いました、この40年間、通過ばかりしていましたので。
以下は気になったポイントです。
・関所は3か所あった、越前国・愛発関(福 -
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歴史とはもちろん、過去を知る学問ではあるだろう。でも来し方を知り、考えることが行く末を思うことにつながるということを深く考えさせてくれた一冊だと思う。面白かったねぇ。歴史って、知識とか教養という面で意味があると、漠然とながらどこかで思っていた気がする。本書を読むと、それをいかに生かすか、日常の仕事への姿勢を考えるか、大きく助けになる存在であるように感じた。
日本では、知の巨人が生まれなかった、とか、世襲の生ぬるさがあってはいるだろうけれど・・・なんてあたり、いろいろ考えさせられたね。今ある身の回りから、ここまでやったら、もういいだろう、なんてことは通用しないんじゃないか、と思えたね。俺自身、 -
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ネタバレ本書は、河出書房新社の藤崎氏から一字の題を出してもらって、著者がほぼ即興で話を展開するやりかた。いわば落語の三題噺のように客席から『お題』を出してもらい、それを取り込んで即席で話を展開するのと同じ手法で、本の編集をしたそうである。
著者曰く、「一つのことをひたすら追い求める、という緊迫感には欠けるが、多方面に茫洋と広がる心地よさは演出できたのではないかと自賛している」
<目次>というか、取り上げたテーマは、
「信」「血」「恨」「法」「貧」「戦」「拠」「三」「知」「異」
上記の言葉をテーマに話が多岐に渡り展開していくのが、これまでにない歴史の切口として面白い。
特に「異」に関しては、著者 -
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関ヶ原の戦いにおいて、家康が本陣を置いた桃配山の由来が壬申の乱にまつわるという話から、このエリアの重要性を日本史における外圧と大きな転換点を考察する興味深い一冊。
長い歴史を踏まえ、著者ならでは鋭い考察に注目です。
▼律令時代の朝廷の儀式「固関(こげん)」(大事が起きたとき、関所の防衛をすること)
・三関
①越前・愛発関(あらちのせき、敦賀市)
②伊勢・鈴鹿関(亀山市)
③美濃・不破関(関ケ原町)
・朝廷にとって仮想敵は東。この3つの関の東側が「関東」
▼東の勢力が西に攻め上がろうとする時に、両者がぶつかり合う場所こそが不破、つまり関ケ原
地名(不破=やぶれざる)も何やら因縁めいて -
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ネタバレ<目次>
はじめに 日本史はひとつではない
序章 ここだけの話
第1章 神話と統治
第2章 祭り上げの政治技術
第3章 武士と武芸の源流
第4章 「日本国」意識
第5章 絶対王政・室町幕府
第6章 朝廷は下剋上で輝く
第7章 鎖国と米本位制
第8章 明治維新はブルジョワ革命だった
終章 日本人と天皇
<内容>
最近露出の多い、東大の本郷和人と京都大出身の井上章一(本職は建築史だが、世界史に造詣が深く、『京都ぎらい』で一躍有名に)の日本史対談集。やや暴走気味に歴史の妄想を語る京都史観の井上氏に、東京史観の本郷氏が斬り返す(ただ、後半はかなり押され気 -
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ネタバレ<目次>
まえがき
第1章 「ヤマト」の時代~平安朝
第2章 上皇による専制~白河・鳥羽・後白河
第3章 専制からシステムへ~承久の乱がもたらしたもの第4章 朝廷と幕府~御嵯峨上皇の院政を例に
第5章 古文書から読み解く院政~官宣旨から院宣へ
第6章 上皇による徳政の変容~両統迭立期から南北朝だ第7章 存在を脅かされる天皇・上皇~バサラ・義満・信長
第8章 権威としての復活
終章 近代天皇制の中で~終身在位する天皇
<内容>
来年の4月で「平成」が終わる。そこで問題視されてきた天皇の退位。近代の「皇室典範」では「終身在位」が全て。その中で「上皇」となるわけだから、大いなる -
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ネタバレ壬申の乱(大友皇子VS大海人皇子)、青野ケ原の戦い(高師冬など北朝武士団VS北畠顕家など南朝の奥州武士団)、そして関ヶ原の戦い(略)が、ほぼ同じような場所(不破=青野ケ原=関ヶ原)で行われたことをテーマに、日本の西国と東国の地域差、そしてこれら3つの戦いの後、歴史が大きく変わったのはなぜなのかを、俯瞰的に解き明かしたもの。歴史の読み方の入門書としても、良作だと言えるだろう。
惜しむらくは、入門書的な位置づけをしているせいか、関ヶ原の戦いに関して最近よく見かける「小山評定の有無」「メッケルの『西軍勝利』発言の有無」はこれまでの通説を踏襲し、「関ヶ原の戦い本戦の戦闘時間」についてはスルーしている -
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歴史を時系列の流れのみならず「意味」で捉える面白さを実感した。地政学的な重要性は多少時代が移ったとてなかなか大きくは変わらないわけで考えてみれば当然なんだろうけど、非常に面白かった。古代〜中世は好きなんだけどそれ以降、室町〜戦国時代のように多くの武将が錯綜する頃の歴史に明るくないので本書を読んでもっと丁寧に歴史の流れをタテヨコで眺めてみたいなと思わされた。
読み進めてワクワクする歴史の本に出会えるのは嬉しい。
学生の頃あんなに日本史が嫌いだったのに、実はこんなに面白かったのかと気づかされる度にどうも損してきた気がしている。でも高校の日本史教科書とか、ほんとにつまらなかったのを覚えてる。あれは -
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著者は東京大学史料編纂所で「大日本史料」第五編の資料集の編纂が仕事。建長年間(1249~1256)の史料を読んでいる方。天皇・宗教・土地・郡司・地域・女性・経済の7項目を選びその「時代の流れ」を把握すべく本書を書いた。項目ごとの移り変わりがすっきりとし、また相互のかかわり具合もわかった。教科書とはまた違った著者の見解はおもしろい。・・と言って読んでる時は分かったつもりでも右から左に抜けてしまうのでメモ。
メモ
〇天皇 皇位継承がタテに繫がると安定、横に伸びると騒乱。親から子に継承されるともめごとは起きず、兄から弟、甥とかになると壬申の乱のように騒乱が起きる。当初は政治も行っていたが江戸になり -
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ネタバレ著者は最近よくTVのクイズ番組で見かけるのでチャラチャラした人物かと思っていたら、本職は「大日本史料」の第5編という史料集を編纂することで、そのため来る日も来る日も建長年間(1249~1256年)の資料を読んでいる真面目(?)な東大教授でした。
その本職から離れて、歴史学によって「むかし」を知ることを「いま」に結びつける、という過程の中で、歴史はどういうベクトルで動いているかを知るために、つまり日本の古代~明治以前までの流れを把握するために、「天皇、宗教、土地、軍事、地域、女性、経済」の7つの観点から、歴史の流れを捉えている。
読んで驚いたのは、本当に「ツボ」と思われる箇所をしっかりと押さえ