本郷和人のレビュー一覧

  • 疫病の日本史
    コロナが蔓延した中、歴史的な感染症と日本人の関係を説き明かす一冊。井沢氏のケガレ論と感染症との類似性が面白い。
  • 歴史のIF
    <目次>
    第1部  鎌倉時代のIF
     第1章  もしも、石橋山で、梶原景時が「源頼朝を見つけたぞ!」と叫んでいたら…
     第2章  源頼家が重病に。もしも、比企能員が慎重であったら
     第3章  モンゴルから国書がやって来た。もしも、鎌倉武士たちに教養があったら
     第4章  もしも、後二条天皇が若くして...続きを読む
  • 疫病の日本史
     新型コロナのおかげですっかり感染症まわりの一般書が増えたが、本書は歴史家が語る一冊。天然痘、梅毒、インフルエンザ、結核……と日本を襲ってきた疫病がどんな影響を与え、歴史を動かしてきたかを記している。

     平清盛のマラリア説はこれまでによく目にしたのだが、歴史的な人物と感染症という切り口はなかなか興...続きを読む
  • 日本史ひと模様
    歴史解釈の多様性や面白さを発信する、「学問としての日本史」と「エンタメとしての日本史」を繋ぐことを狙いに書かれた本。
    2018年6月から2019年7月まで、日経新聞に連載されたコラム記事をまとめたもので、4ページくらいでひと区切りとなり、読みやすい。著者の自在で大胆な考察が面白く、また、数々のエピソ...続きを読む
  • 日本史ひと模様
    <目次>
    第1章  最後の将軍はなぜ生き永らえたのか
    第2章  秀吉の天下統一まで「日本人」という意識はなかった
    第3章  武家の力と、男と女
    第4章  近代の入り口で
    第5章  本当のところを知りたい
    第6章  「タテマエ」と「ホンネ」に注目してみると

    <内容>
    日本経済新聞のコラムを再編成した...続きを読む
  • 権力の日本史
    日本てどこまでいっても家族なんだな、と。家長制度が基本だったと言い切る。確かにそうだったんだろうね。日本史ではそうだ。なまじ才能で上下を決めるとかえって社会は乱れちゃう。
    では、今はどうなのか。著者は「徳」を持ち出しているけど、現実は稼ぐ能力が最も尊ばれているよね。やれやれだな。
  • 空白の日本史
    歴史家である本著者本郷和人氏は色々な評価がある方だと存じ上げておりますが、私個人としては歴史を面白くさせてくれる稀有な歴史家さんで割と好きです。そして対極である呉座勇一さん、そうバカ売れした『応仁の乱』『陰謀の日本中世史』の著作さんですねぇ、氏は資料を元に陰謀論に与せず淡々と事実のみで歴史を解説、解...続きを読む
  • 日本史 自由自在
    河出新書の前作「考える日本史」に続く、漢字一文字のお題から歴史を考えて行こうとする一冊。気軽に読めるが、自分で歴史を考えて行こうとするヒントが随所にあって、大変面白い。
  • 誤解だらけの明智光秀
    今年の大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公明智光秀。光秀の出自や出世の謎を分析しながら、最後は、いろんな説や考え方のある本能寺の変の謎に迫る概論の一冊。大河ドラマ化をきっかけに、最近、改めて「明智光秀」という人物を学んでいる。この本は、光秀を通して、東京大学史料編纂所の本郷先生が史実を探る「日本史の楽し...続きを読む
  • 空白の日本史
    歴史を語るには史料に基づくべきだが、史料の空白ともいえる事象が多くある。が歴史家はその空白をその他の明らかになっている事象を基に埋めて、通観すべきだ、という。

    それに基づき、神話からの歴史、三種の神器、民衆、外交、戦い、恋愛事情などについて通観している。エッセイの趣。

    2020.1.1発行
  • 日本史でたどるニッポン
    ボクたちが認識している日本のカタチって、明治になってから形作られたものなんだそうな。歴史を丁寧に読み解くと、いかに明治の人たち(権力者たち)が「日本はこういう国であってほしい」と考えながら国家形成してきたことになるのだという。でもホントにそうかな。偶然を言い繕う面がないとも言えないような。ちょっと恣...続きを読む
  • 誤解だらけの明智光秀
    久しく大河ドラマは観ていなかったのですが、今年の主人公は「明智光秀」そして時代背景が織田信長の父親(信秀)や斎藤道三、今川義元、徳川家康の幼少時代に焦点が当たっていて、私の興味ある時代であるので、毎週楽しみにしています。

    そんな時、歴史の面白さを教えてくれた、この本の著者である本郷氏が、明智光秀に...続きを読む
  • 空白の日本史
    2020年14冊目

    歴史の空白について。特に気になった章について。

    第3章「民衆はどこにいるか」
    源氏物語や枕草子などは、日本が世界に誇る文献だと思う。但し、貴族の視点からみたもので民衆の視点からみたものではない。当時は今とは比べ物にならない格差社会だと考えたら民衆の生活は相当に苦しいものだった...続きを読む
  • 世渡りの日本史 苛烈なビジネスシーンでこそ役立つ「生き残り」戦略
    本郷先生が話してくれる歴史は、文句なく面白い。

    が、これは編集方針なんだろうか?ビジネスで役立つ歴史のポイントみたいな項目が散りばめられているのが、かえってうざい。

    編集方針に従って、編集者が受けると思う本を書かれるのではなく、本郷先生が面白いと思える本にして欲しかった。
  • 権力の日本史
    今週(令和元年12月16日週)の私の通勤時間を楽しませてくれた、本郷氏による本です、タイトルは「権力の日本史」で、日本では長い間において、能力ではなく「家」が重視されてきたということを史実をもとに解説しています。

    能力主義は良いとされていますが、その能力をどの「ものさし」で測るかで全員が満足しない...続きを読む
  • 世襲の日本史 「階級社会」はいかに生まれたか
    昨年(2018)にこの本の著者が書かれている本に出会い、歴史の面白さを再認識させてもらいました。元々歴史は好きだったのですが、本郷氏の本に出合ってから益々、歴史を別の角度から楽しむことができるようになったと思います。

    この本のテーマは、日本の階級社会はどのようにして生まれたか、について解説されてい...続きを読む
  • 世襲の日本史 「階級社会」はいかに生まれたか
    <目次>
    序章   世襲から日本史を読み解く
    第1章  古代日本ではなぜ科挙が採用されなかったか?
    第2章  持統天皇はなぜ上皇になったのか?
    第3章  鎌倉武士たちはなぜ養子を取ったか?
    第4章  院家はいかに仏教界を牛耳ったか?
    第5章  北条家はなぜ征夷大将軍にならなかったか?
    第6章  後鳥...続きを読む
  • 怪しい戦国史
    <目次>
    はじめに  合戦史の「定説」は本当か
    第1章   戦いを決する「兵力」の謎
    第2章   秀吉の天下取りと「行軍力」
    第3章   武将が「城を攻める」意外な理由
    第4章   関ヶ原と大坂の陣に見る「大名」の実像
    第5章   信長・信玄たちの古戦場で見えること
    第6章   家康の隠れた「遺産」...続きを読む
  • 怪しい戦国史
    この数年で私の老眼が進んで、本を読むのが大変になってきたので、そのせいもあり、読む本を選ぶようになってきました。社会人生活も後半を迎えた今、以前のような「ビジネス術」を解説したものよりも、小説を読むのが楽しくなってきました。

    そんな私が出会った素晴らしい人として、この本の著者である「本郷和人」さん...続きを読む
  • 考える日本史
    売れっ子の中世史研究者による歴史エッセイ的な本。学術的な検証は置いておき、「考えたこと」をつらつらと記している。あえて批判する気は無いし、こういう本もあっていいかなと思う。