中央公論新社のレビュー一覧
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発売日に買わないと書いそびれそうだから毎月発売日に本屋に向かって、せっかく買ったのだからと今月はすぐ読んでしまった。銘菓コラムが毎回好き。南部せんべいもみすゞ飴も食べたくなる。
「アンチエイジングクラブ東京」すこしずつ話が進んで謎が解けてゆくのが楽しい。「メープルシロップ」のやさしい物語に癒される。自然に許されているという、わかるなあと思う。壮大だ。
読み切りの「人形は年をとらない」好きでしたね。自分も中年に差し掛かっているので共感しながら読みました。あと若々しいお姉さんに憧れる。「レプリカ・キス」おもしろかった!物語が始まりそうなワクワクがあり、続いてほしいな〜と思いました。 -
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本書は、まだ何者でもなかった27人の作家たちが、戦時下の「少女時代」に何を見て、どう生きたかを綴ったエッセイ集。
瀬戸内寂聴さんのエピソードにはビックリ。軍国主義一色の時代でも七面鳥を食べ、旅行を楽しむ姿は、現代の私たちと変わらない。戦後の壮絶な苦労さえ「骨身に染みていない」と言い切る陽気さはスゴイ!
過酷な時代を生き抜いた人ならではの逞しさなのかなと感じた。
戦争がもたらす心の傷は深い。佐藤愛子さんの「さよならと言えない別れ」の辛さ。
黒柳徹子さんが綴るスルメのささやかなエピソードは、知らないうちに戦争に加担してしまっていたという自責の念。特に黒柳さんの「子供たちを泣かさない」という決意は今も変わらない。
向田さんの鰻にまつわるエピソードからは、美味しいものを食べたい、でも後ろめたさも感じてしまう。日常の中に忍び寄る戦争の影が見え隠れしている。
また、茨木のり子さんが、敗戦後にもんぺを脱ぎ捨てて「自分たちに脚があったんだ」と気づく場面は印象的だ。名詩『私がいちばんきれいだったとき』が多くの共感を呼んだ背景には、お洒落も恋も奪われ、軍国一色の青春だった女性たちの、行き過ぎた抑圧と自由への渇望があっただろう。
「初恋に悩み、美味しいものを食べたいと願い、友人と笑い合う」という少女たちの日常。それこそが、失われた時間を取り戻すように戦後を切り拓いた彼女たちの強さの源だったのではないだろうか。
この少女たちが、先日読んだ『彼女たちの戦後 12人の肖像』のように女性の自立に繋がっていたのかと思うと感慨深い。
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アンデル3冊目です。
今回好きだったお話しは、
・メープルシロップ
・針と糸と布と
・干し芋フォーエバー
・勘定奇譚
・美しいという名の恋
です。
小川糸さんのメープルシロップはどこかおとぎ話みたいで、想像する映像がとにかく可愛らしく、
お部屋を暖かくするために奮闘する様子(スパイスのお茶•ストーブ•足湯など)が想像でき温かな気持ちになりました。これからどんな展開になるのか楽しみです。
今回の美味コラムの特に干し芋フォーエバー、最高でした。クスッと笑える文章、美味しそうな干し芋、おじいちゃんの優しさが詰め込まれていて、この著者の芦沢央さんの作品を読んでみたくなりました。
そして、連作の勘定奇譚。
これまであんまり私には刺さってこなかったのですが、今回会社員をしている私にとって「ボーナス」は親しみがあり、面白いと感じることができました!
同じく連作の最果タヒさんの詩。
同様にこれまであまり好き〜とはなっていなかったのですが、桜の季節の甘酸っぱさを感じ、つい声に出して読んでしまいました。エッセイの中に「ずっと永遠に咲き続ける桜があるとしても、毎年必ず咲いて散る桜の方が美しいだろう。その方が「永遠」を感じさせてくれるだろう」とあり、その表現がキュンとし、私の桜が好きな理由を言語化してくれたと思いました。
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日本近代プレBLってなんだそれは? と思いながら手に取った。編者は中央公論新社となっており、誰かよくわからない方(方々?)による編集付記(p6)に「(前略)本書では編集の便宜上、主に男性作家によって書かれた一九〇〇年代前半の小説作品を『プレBL』という語でまとめていますが、この呼称は、(後略)」云々とプレBLなる語についてごちゃごちゃ書いてあるのだが、読んでもよくわからない。収録されている作品には痛々しいものが多い。室生犀星「お小姓児太郎」(pp135-149)で少年弥吉のお尻に馬刺剣が突き立てられる場面には、読んでいてウッとなってしまった。解説を書いている佐伯順子は「(前略)男どうしの欲望が暴力や放蕩などの反社会的要素と露悪的に結びつくのは(後略)」(p345)とこれまたごちゃごちゃ分析してみせるが、全くピンとこない。そんな格好いいものではなく、ただの虐待ではないか。後半に収録された作品群の方が好みで、特に巻末に収められた山本周五郎「泥棒と若殿」(pp299-341)のほのぼのしんみりとした味わいに救われる。
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<小さな文芸誌>の謳い文句にぴったりのコンパクトな作りが可愛らしい文芸誌。でも開いてみると、回文、長編連載、読み切り短篇、翻訳小説、エッセイ、美味コラム、詩と、彩り豊かなコンテンツがぎゅっと濃縮されている。
継続する愉しみとしての後編連載は朝比奈秋さん「アンチエイジングクラブ東京」。今作も始まりから一気に惹き込む面白さで、続く楽しみが嬉しい反面本当に待ち遠しすぎる!不老への渇望が満たされるなら違法な方法であっても厭わないという悍ましい程の執着は、血の伯爵夫人のアンチエイジング方法を想起させるようでぞっとするが、欲望の果てを読まずにいられない期待作。
石田夏穂さんの読み切り短篇「ノーメイク鑑定士」も最高に面白い短篇で一気にファンになった。スッピンを通して27年の主人公・中村さんは、上司から営業先の社長にスッピンで仕事にくる社員をどうにかしろとクレームが入ったと言われ、自分がお叱りを受けているのかと思いきや、誰がスッピンなのか突き止めてメイクをするように促して欲しいと依頼される。
え?私じゃない?と驚くも、中村さんは特農ソース顔で、ノーメイクでもばっちりメイク認定をされていることが判明。自分がスッピンであるにも関わらずノーメイクの人を見つけ出し、メイクをするように促すという気まずい任務の行く先は…。心の中の葛藤も、スッピン探偵のさぐりの過程も最高に面白く、ミソジニー問題を軽やかに炙り出していく手腕が素晴らしかった。この短編を表題作とした短篇集が3月に刊行されるとあったので楽しみに待ちたい。
犬怪寅日子さん「オーリーリアの自殺人形」は戯曲のような作品で、鏡の国のように一読では深淵を見せてくれない魅力に溢れている。『「展開!」「意味!」厭な言葉だ。どうでもいいことだ。ただ美しいだけの情景を、文章を、書くだけではいけないというのだろうか。』読み進める程に他の作品も読みたくなった。
他にも翻訳作品の翻訳者は村上春樹さん、最果タヒさんの詩とエッセイなど、小さな枠に収まらない文芸誌の次号からも期待でいっぱい。 -
Posted by ブクログ
前号に引き続き購入。
「アンチエイジングクラブ東京」、アンチエイジングというものそれ自体は悪いことではないとわかってるんですけど、本来は医療目的で人の命を救うために使う技術だったりリソースを割いて若返りを目論むから嫌われんだよなとあらためて思いました。金さえ払えばいいじゃん〜みたいなのほんとに嫌だ。でもお金を稼ぐことが悪いわけではないからなんとも言えなくなる…。
「ケアドール」はSFみも少しあり好きでした。将来ほんとにあり得そうだし。「あみぐるみと私の人生」も好きでした。サッパリした筆致なのに深みがある。銘菓コラムは自分の知らないおいしいものに出会えてうれしくなる。「粗忽飯屋」は異世界転生テーマなのにどうして…?と不思議に思いながら読みましたが最後で意味がわかって、そうきたかー!って思いました。最果タヒ先生の詩も好き。
総じて今号もおもしろかったです。次回も楽しみ。 -
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ネタバレ石田夏穂さんの短編を目当てに購入。
石田夏穂「ノーメイク鑑定士」
面白かった。自分がノーメイクの犯人なのに、他の女性社員2人が化粧しているかヒアリングしないといけなくなる話。着眼点が面白い。私自身敏感肌&アトピーで化粧すると肌が赤くなったり痒くなるので化粧をせずに30代まで来てしまった身だから、化粧はマナーと言われると耳が痛い。だけどこんなにも化粧をしているかしていないかってわからないものなのかと思った。けど、20代や30代前半はまだ誤魔化せても、ノーメイクで何歳までいけるかな…と年々思っている。
3月下旬に、「ノーメイク鑑定士」が表題作の短編集が出るらしい!楽しみ!!