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珈琲、紅茶、ほかほかココアにご褒美ビール。世界中どこでも、カフェには誰かの特別な想い出がある――。自宅で、電車で、休憩中に、読めばほっこり旅気分。作家、学者に映画監督、各界著名人が寄稿するBunkamuraの名物誌『ドゥ マゴ通信』から生まれた、香気立ち上るカフェ・エッセイ全50篇。〈まえがき〉中条省平
◆著者一覧◆
・中条省平
・野田秀樹
・富士川義之
・河村錠一郎
・鈴木清順
・鶴岡真弓
・三木宮彦
・辻 邦生
・鈴木布美子
・岸田 秀
・佐藤亜紀
・久世光彦
・池内 紀
・蓮實重彦
・中村真一郎
・養老孟司
・秋山祐徳太子
・川成 洋
・須賀敦子
・出口裕弘
・亀山郁夫
・島田雅彦
・護 雅夫
・山内昌之
・中沢新一
・堀内 勝
・澤田 直
・蜷川幸雄
・南 伸坊
・西江雅之
・巖谷國士
・松浦美奈
・森本哲郎
・吉本隆明
・赤瀬川源平
・鷲田清一
・横尾忠則
・松山 巖
・吉田加南子
・城山三郎
・柴田元幸
・上野昴志
・中田耕治
・樺山紘一
・いとうせいこう
・関川夏央
・杉山 晃
・今福龍太
・末延芳晴
・安西水丸
(順不同)
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Posted by ブクログ
どこで読めば良い本なのか。
『想い出のカフェ』(井上俊子編 1994年)の収録作品から採録・新たにまえがきを加えた本書。各界の著名人が、それぞれの思い出のカフェ(主に海外)についてエッセイにまとめている。
テーマに沿ってカフェでお茶(或いはコーヒー)を片手に読むのが妥当なのだろう。しかし自分の場合、各地のカフェに目移りしちゃって自分がいるカフェを飛び出しそうになるのが目に見えている。
旅のお供に携えた日にゃ、目的地にあるものより魅力的なカフェを知ることになるかもしれない…
それほど各人、後々思い出深くなるような体験をなさっている。
副題が「5分で巡る」なだけに各話3−4ページのショートカットなのだが、思わず付箋しておきたくなる話が結構あった。
海外のカフェといえば、いの一番にパリを思い浮かべる。
パリのカフェは本書でも触れられており、特に作家 辻邦生氏による理論は納得と憧れを増幅させた。
「坐ってぼんやり時を過ごすだけで、たまらない幸福感が身を浸す。それはパリには強烈な自由があるからだ」
幸福感の他にも自己肯定感が全身にみなぎってくるという。休憩所だけで終わらない機能、そしてその効能に自分もあやかりたいものだ。
ウィーンは、何だかため息が出た。
ドイツ文学者 池内紀(おさむ)氏の書いたタイトルは「孤独家にぴったりのウィーンのカフェ」。もっと詳しくお言葉を借りると、「孤独でいるために。まわりに人を必要とする、そんなタイプの心やさしい孤独家にぴったり」。街の特性も手伝って、何だかロマンチックに響いてくる。
音楽はかかっておらず、物思いに浸ったりちょっとした作業をするのにもってこいなんだとか。そんなに静かなら、ため息をつくのも惜しまれるな…。
文化人類学者 中沢新一氏の”ラッシー紀行”はお勧めかも。
ただでさえ珍道中になってしまうインドの旅に進んで飛び込んで行く彼は何者!?そして彼をラッシー屋に導いたガイドブック『シューストリング・ガイド』がめちゃくちゃ気になって今必死に調べているんですけど…!!
カフェの定義や思い出も千差万別なんだなー笑
千差万別といえば、いとうせいこう氏の「ネスカフェの薄い広がり」も独特だった。
彼が訪れた国のカフェではネスカフェ、つまりインスタントコーヒーが平然と出される。
しかしネスカフェが出されるのはたいてい貧しい地域の食堂か何かで、それはどの国においても共通している。彼自身も家族との思い出にネスカフェが色濃く残っているから、旅先のそれと自分を結びつけずにはいられない。
そうして飲み交わす人々とのネットワークが少しずつ広がって行く…。ネスカフェの薄さも相まって、秀逸なタイトルだと気付かされた。
カフェ云々よりも皆様語りが本当にお上手で、そっちに惹かれたかも!同一の体験は出来ずとも、自分もこんな感性でカフェを通した世界を覗いてみたい。
そうやって夢中になるあまり、結局自宅で読み切ってしまった。
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