中央公論新社のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昨年の2021年は、対米英を中心とした1941年12月8日の太平洋戦争開戦から80年の節目の年にあたり、中央公論社新書編集で女性27名のエッセイが発行された。最年長は、開戦時19歳だった故・瀬戸内寂聴氏、最年少は3歳の故・佐野洋子氏。非日常が中心となった戦局の日々の中で、幼少期・青春期を戦時下で送った日常生活が切々と綴られる。ある少女は空襲を逃げ惑い、ある少女は満州、樺太、ジャワ島などで終戦を迎える。戦場で繰り広げられる生死を彷徨った戦争の対極に、銃後の守りを強要された非戦闘員、少女たちがどのように考え、生きたか。そして、戦後には執筆・分筆活動で戦争の愚かさを訴えた27名の著者、中央公論新社の編集者に敬意を表したい。
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Posted by ブクログ
この本は、1941年(昭和16年)12月8日の太平洋戦争開戦時に、満20歳未満だった女性によるエッセイを著者の生年順に収録したということ。
最年長、1922年生まれの瀬戸内寂聴さんと、最年少1938年生まれの佐野洋子さんの年齢差は16年。
この時代、男性は生年がたった一年違うことで生死を分けられた。
女性たちも、年齢によりまたは住んだ場所、環境により、さまざまに違った体験をしたことだった。
瀬戸内寂聴さんは、その青春の中で、運よく「良き時代」の最後を味わうことができたと書かれている。
軟弱、と当局ににらまれながらもまだ音楽を勉強することができた石井好子さんは、
優れたユダヤ人の先生方が弾圧から逃れてきていたお陰で日本の音楽界は発展したと書かれている。
終戦の年の1年間、NHKのアナウンサーだった近藤富枝さんは、玉音放送の緊迫の現場を目撃する。
軍艦マーチの前奏付きで大本営発表を読むのがそれまでの仕事だった。特攻隊の戦果、戦死者名と二階級特進の発表は一番辛い仕事だった。
「やらされた」戦争という感が大きい。
まだいかなる思想も持たない、少年少女たちのまっさらな頭の中は、軍国教育で黒く塗りつぶされていった。
力を持った軍部には、政治家も、天皇陛下さえも抑止力を持たなかった。
ましてや弱い女子供には。
しかし、自分には戦争責任はなかったのかと振り返る人も多い。
学徒動員で、挺身隊で、工場で作らされていたものが人間魚雷や特攻機の部品だったと知った時、自分の手は若者の命を奪ったのだと愕然とする。
無邪気に日の丸を振ってお見送りをした兵隊さんたちの、一体何人が帰ってきたのか。
原爆の光を隣の町で見て、被爆した人たちを見て、もう夏の太陽は自分には違ったものになってしまったという人。
一瞬で奪われた友達に、今の文明を見せてあげたかったと偲ぶ人。
戦争は、誰も幸せにしない。 -
Posted by ブクログ
多くの読者を魅了して止まない富士日記。その魅力を作家の書評。解説、帯文や書下ろしエッセイにより語る。写真多数と富士日記索引も収録。
「富士日記」は日記文学の最高峰だろう。ありふれた日常、富士山麓の別荘暮らし、毎日の買い物と食事の献立それに変わりゆく季節。ただそれだけ、読まれることを想定しなかった修辞のない淡白な記述、なのに面白い、不思議な魅力がある。
その魅力を多くの作家さん方が解説している。出典や時期は全くバラバラなので同じような指摘が多い。考えることはみんな似ている。特に愛犬ポコの場面(富士日記既読者なら分かるかと)。
富士日記ファンは本当にたくさんいるようだ。聖書のように枕元に置いて章に関係なく読む人もいるという。
自分も「富士日記」再読してみたくなった。 -
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今月もサクッと。
島本理生先生は(ほぼ)初読。出戻り女性と中学生の交流はちょっとほっこりした。新谷の身勝手さをばっさり切り捨てる中学生は愉快でした。
「メープルシロップ」今回の来訪者はとてもかわいかった。まさにアルプスの少女ハイジだ。夏の山は気持ちよさそうだなあ。
"もふもふ"を題材にした読み切りでまさかその切り口になるとは思わなくて驚き。そしてオチがちょっといやかなり嫌な感じでバランスすげーって思いました。前半いい人にしか見えなかったのに…人間っておそろしいな。
勘定奇譚、気を遣っておかわり頼まなかったら思ったより話が長引くっての気持ちがめちゃくちゃわかって笑ってしまった。
鳥さんの瞼、新作短歌が読めてうれしかったです。 -
Posted by ブクログ
今月も良かったです。
「アンチエイジングクラブ東京」一番楽しみにしてる連載。血を売る側ってどういう人なんだろうと思ったら…子ども…軽い気持ちで悪いことしてる自覚もないんだろうなあ。まあ「悪いこと」かどうかもわからないよな…。
「自白」異世界転生おもしろかったです!そう来たかという視点と切り取り方で引き込まれた。
「メープルシロップ」しゃべれなくなった子どものお話、なんだか泣けてしまった。おじいちゃんの作った中華おいしそうだ。
新井素子さんのお話はとても"らしく"ておもしろかったです。自分の世界の中でしあわせならそれでもういいんじゃないかな。
全国銘菓は毎回好きで読むのが楽しみ。山形も和歌山も馴染みないから気になるな。対談もよかったです!