あらすじ
――やはり恋です。男同士の恋。
日本近代文学における「男性間の愛と絆」をテーマに、1902~49年に発表された傑作・名作・怪作を精選。小説では1960年代に森茉莉、少女漫画では70年代に「24年組」が登場して以降、この分野では作者・読者とも女性層が拡大していった。本書ではそれ以前の20世紀前半に発表された短篇を集成、現在に至る源流を辿る。
表題作は1910年「白樺」に発表され、長らく文学全集でしか読むことができなかったため、「図書室を使って読む小説」として一部で名高い逸品。その他、実話から童話、怪談、時代小説まで幅広いジャンルの短篇を揃える。
カバー装画は人気イラストレーター、ホノジロトヲジによる描き下ろし。
【目次】
Ⅰ
秋田雨雀「同性の恋」(1907)
日下諗「給仕の室」(1910)
倉田啓明「若衆歌舞伎」(1912)
山崎俊夫「執念」(1918)
木下杢太郎「船室の夜」(1916)
室生犀星「お小姓児太郎」(1920)/「美小童」(1926)
綿貫六助「小松林」(1922)
Ⅱ
国木田独歩「画の悲しみ」(1902)
田中貢太郎「ある神主の話」(1920)
小川未明「野薔薇」(1920)
岡本かの子「過去世」(1937)
豊島与志雄「死ね!」(1934)
太宰治「駈け込み訴え」(1940)
山本周五郎「泥棒と若殿」(1949)
〈カバーイラスト〉ホノジロトヲジ
〈カバーデザイン〉円と球
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
綿貫六助「小松林」
豊島与志雄「死ね!」
が好きだった。倉田啓明、山﨑俊夫作品もいい。
「──禽獣になれ。」
「──よりも、赤ん坊になりたい。」
Posted by ブクログ
山本周五郎「泥棒と若殿」
祖母がいいよ、と勧めてくれたものをあのとき読まず
とても良かった、ちょっとうるっとする
単純にひと同士のつながりって一言では表されないよね
Posted by ブクログ
編者は中央公論新社。匿名ということか。
解説は佐伯順子に頼んでおい格調づけたか。
名前出せばいいということではないけれど、2021年4月に平凡社ライブラリーで高原英理が編んだ「少年愛文学選」のほうが、志は高いか。
とはいえシロートとしては「少年愛文学選」の落穂拾いができる便利な本、とは言える。
個人的には、「少年愛文学選」→川端康成「少年」→なるみさんのブログ「うみなりブログ。」→本書、と深堀りできるのが嬉しい。
と、書いたあとで知ったのだが、編集者(n@smb_g)がツイッターで狙いを連続ツイートしていて、それが素晴らしかった。
おみそれしました。
各作品についてはもはや好きとか嫌いとかではなく文化の振り返りの資料としてすべて貴重だと思うが、
後々の自分のために頑張って★をつけてみた。
【目次】
Ⅰ
■秋田雨雀「同性の恋」(1907)
■日下諗「給仕の室」(1910)★
■倉田啓明「若衆歌舞伎」(1912)
■山崎俊夫「執念」(1918)★
■木下杢太郎「船室の夜」(1916)
■室生犀星「お小姓児太郎」(1920)+「美小童」(1926)
■綿貫六輔「小松林」(1922)★
Ⅱ
■国木田独歩「画の悲しみ」(1902)★
■田中貢太郎「ある神主の話」(1920)
■小川未明「野薔薇」(1920)
■岡本かの子「過去世」(1937)
■豊島与志雄「死ね!」(1934)
■太宰治「駈け込み訴え」(1940)
■山本周五郎「泥棒と若殿」(1949)
◇解説・佐伯順子