森谷明子のレビュー一覧
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ネタバレ最近の「探偵もの」は予想も付かない人物を探偵に据える。
この本を手に取るまで、まさか紫式部が探偵役になるとは思ってもいなかった。
そもそも私は、(非常にどうでもいい話ではあるが)紫式部という人物を好ましく思っていなかった。清少納言のほうが好きだし、和泉式部も紫式部よりは好きだ。なんとなく「一の字も書けない振りをするいけ好かない女」というイメージが先行してしまう。和歌でも、機転の利く清少納言や感情を揺り動かすような和泉式部、そして品があり優雅な赤染衛門のほうがいい。もちろんこの3人も登場する。
式部の君(紫式部)は道長の娘彰子の女房の一人として宮仕えをすることになる。時期としては清少納言の仕え -
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働く女性アンソロジー。
日明恩さんを目当てに。
119にかけて最初に取ってくれる所。
いたずらも多い中、こうして頑張ってくれている人達は
本当に神経すり減らしているのだな、と。
確かに現場の緊迫感はないものの
それを判断する、大事な場所。
ベビーッシッターも、かなり信頼がなければ
やりづらい仕事です。
しかしそんな仕事内容よりも、友人の方が
非常に気になる話でした。
ドラマチックに演出…悲劇のヒロインならぬ
ドラマにどっぷりな感じの人。
迷惑がかからなければ別に、ですが
これは確実に迷惑被ってます。
そして最年長ヒロインw
世間をしらなくても、自分の世界を知っていれば
それだけで十分で -
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働く女性をテーマにした短編集、全6編。
・原田マハ「ヴィーナスの誕生」
→美術品輸送・展示スタッフ。元美大生。
・日明恩「心晴日和」
→災害緊急情報センター通信員。
消防士として現場でホースを握りたかったのに、119の電話を受け付ける係に任命され、内心不服だったのだが……。
・森谷明子「ラブ・ミーテンダー」
→未婚ベビーシッター。かつては、体操選手としてオリンピックを目指す中学生だった
・山本幸久「クール」
→89歳、ひなびた田舎でひとり働く農家。
・吉永南央「シンプル・マインド」
→イベント会社契約社員。40代未婚。元バンドの人気者
・伊坂幸太郎「彗星さんたち」
→新幹線清掃スタッフ。内気 -
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19歳の少年が、死んだ母親の残した言葉により自分の知らない過去を探しに、かつて住んでいたアパートへ向かう。そこで徐々に露わになってくる、忘れられた、捨てられた過去とは・・・。過去の自分のルーツを捜し求める少年の姿を連作短編風に追った作品で、とても読みやすくはあったのですが、会話主体、主人公(少年)ではない人の視点も多いので、本筋についてもう少し描写がほしかったように思いました。後半にほとんど思い出した!という流れや独白だけで真実が開けていくのが急すぎてもったいない気がしたのです。
少年と同居していた女性については・・・ちょっとどうなのか、といろいろな面で思うことが多かったですね。真相を知ると余 -
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ネタバレ自分が書いたものが広まっていく怖さ。物語の内容に迷う姿。紫式部が本当にこんなふうに源氏物語を描いていたのかもとうれしくなる。
「後の世のことは、神仏でもない身にはわからないもの。ただね、自分の心はいつわらないようにしよう。あとは自分に子供が生まれたら、その子にだけは誇ってもらえるようにしよう、と。」
たわいないような事件が絡み合って、道長の人柄や彰子の人柄がくっきりしてくる。そして、実は!源氏物語に欠巻が?という大事件。
こんな疑惑を知らなかったので、かなりショック!
私、源氏やったはずなんだけど。。。こま切れな読み方だったから?
登場人物が魅力的であっと言う間に読める。あてきの恋。元 -
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ネタバレ道長から定子入内を支える女房として出仕を促されている紫式部(藤原香子)が女童のあてきと共に、その洞察力で周辺で起った謎を解き明かすミステリ。藤原道長、藤原実資、中宮定子、彰子、清少納言、藤原宣孝、賢子、定子などが出てますが、どの人物も活き活きと描かれてます。
3編の短編から構成されていて、第一部では定子が飼っていた猫の行方を推理するもの。推理しつつ人間関係の紹介、みたいなお話。香子と宣孝の円満な夫婦仲(才気煥発な妻を自慢する宣孝とか)、あてきの初恋、利発なまだ幼い定子、野望あふれる道長の動向、帝の一の人と称されながらも政治的に微妙な彰子の立場(でも定子はこの年上の美しく賢い従姉妹にあこがれて