森谷明子のレビュー一覧

  • 望月のあと 覚書源氏物語『若菜』

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    「源氏物語」シリーズ第3弾。
    道長視点だったり、童視点だったり、メリハリあって面白かった。香子の謎解きは最後の最後までお預けだったけど。
    道長視点は平安時代の政治も忖度だわ…と思いました。怖々。

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    2018年09月15日
  • 千年の黙 異本源氏物語

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    ネタバレ

     歴史上の人物を探偵役にすえる、という単純な「名探偵○○」かとも思っていまいしたが、なかなかどうして。源氏物語の成立の背景まで組み込む仕掛けが、大したものだと思います。 ホームズのファンが書いた、原作の矛盾とか欠落部分をうまく補完するパスティーシュを読んだ時と似た味わいがありました。

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    2018年09月09日
  • 深山に棲む声

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    面白くなくはない。ないのだけれども、面白いかといわれるとなんとも言えない。すべての物語を読むと全貌がわかる、という構成になっているが、本当に全貌がわかるかというと、何だか少し不完全燃焼な部分も。
    カタカナ名前が覚えにくすぎて何度も誰だかわからなくなってしまった。そういう仕掛けではあるので、仕方がないが。

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    2018年04月26日
  • エール!(3)

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    エールという題目だけあり、どのお話も最後は頑張ろう!いいな♫と思える終わり方で読んでいて爽やか!そんな中にも自分に当てはまって感じる事もあったり。ちょっと読むのに楽しかった!2017/3/10完読

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    2017年03月11日
  • 白の祝宴 逸文紫式部日記

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    ネタバレ

    最近の「探偵もの」は予想も付かない人物を探偵に据える。
    この本を手に取るまで、まさか紫式部が探偵役になるとは思ってもいなかった。
    そもそも私は、(非常にどうでもいい話ではあるが)紫式部という人物を好ましく思っていなかった。清少納言のほうが好きだし、和泉式部も紫式部よりは好きだ。なんとなく「一の字も書けない振りをするいけ好かない女」というイメージが先行してしまう。和歌でも、機転の利く清少納言や感情を揺り動かすような和泉式部、そして品があり優雅な赤染衛門のほうがいい。もちろんこの3人も登場する。

    式部の君(紫式部)は道長の娘彰子の女房の一人として宮仕えをすることになる。時期としては清少納言の仕え

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    2016年05月27日
  • エール!(3)

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    お仕事系小説シリーズの第3弾。
    あまり心に響く作品がなく、かといって実力作家が揃っているだけにつまらなくもなく、淡々と読み終わった印象。

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    2016年04月23日
  • FOR RENT――空室あり――

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    ミステリーになるのかな。 「私が殺したの」と呟いて死んでいった母の過去を探る少年。調べていくうちに自分の記憶も甦る。真相を知った先に待っているのは納得し難い事かもしれない。でも、前に踏み出す勇気になるならそれでもいいのかも。

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    2015年10月01日
  • エール!(3)

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    様々な職場で働くヒロインたちのお仕事小説アンソロジー第3弾。このアンソロジー、巻を重ねるごとに好きな話が増えている。
    今回はなんと86歳のヒロインも登場。
    伊坂幸太郎はやはり面白いし、日明恩と山本幸久が泣けた。

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    2015年07月25日
  • エール!(3)

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    働く女性アンソロジー。

    日明恩さんを目当てに。
    119にかけて最初に取ってくれる所。
    いたずらも多い中、こうして頑張ってくれている人達は
    本当に神経すり減らしているのだな、と。
    確かに現場の緊迫感はないものの
    それを判断する、大事な場所。


    ベビーッシッターも、かなり信頼がなければ
    やりづらい仕事です。
    しかしそんな仕事内容よりも、友人の方が
    非常に気になる話でした。
    ドラマチックに演出…悲劇のヒロインならぬ
    ドラマにどっぷりな感じの人。
    迷惑がかからなければ別に、ですが
    これは確実に迷惑被ってます。

    そして最年長ヒロインw
    世間をしらなくても、自分の世界を知っていれば
    それだけで十分で

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    2015年07月21日
  • FOR RENT――空室あり――

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    幼い頃に自動車事故で亡くなった父親の死には、隠された秘密があったのか。
    同棲相手の反対を押し切り、19歳の青年は昔暮らして居た町を訪れ、過去を探り始める。

    過去を探る過程で偶然出会う人々の小さな謎も解決していき、本筋の謎のたくさんの伏線を拾いながら読んでいくのが楽しかったです。

    そんな凝った構成なのですが、その反面、全体的にバランスが悪くまとまりを欠いてしまっているようにも思えました。
    結論の方が最初にありきで、この結論に持っていくための謎という印象が強く、最後は失速感が否めません。
    構成が面白いのに勿体ないと思っちゃいました。

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    2015年07月21日
  • エール!(3)

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    働く女性をテーマにした短編集、全6編。

    ・原田マハ「ヴィーナスの誕生」
    →美術品輸送・展示スタッフ。元美大生。
    ・日明恩「心晴日和」
    →災害緊急情報センター通信員。
    消防士として現場でホースを握りたかったのに、119の電話を受け付ける係に任命され、内心不服だったのだが……。
    ・森谷明子「ラブ・ミーテンダー」
    →未婚ベビーシッター。かつては、体操選手としてオリンピックを目指す中学生だった
    ・山本幸久「クール」
    →89歳、ひなびた田舎でひとり働く農家。
    ・吉永南央「シンプル・マインド」
    →イベント会社契約社員。40代未婚。元バンドの人気者
    ・伊坂幸太郎「彗星さんたち」
    →新幹線清掃スタッフ。内気

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    2014年10月22日
  • エール!(3)

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    短編だから仕方ないですが、思ったより一つ一つの内容が薄かったです。特に原田マハさんの「ヴィーナスの誕生」は、簡単なお仕事紹介のようでまったく心に響きませんでした。マハさんだから面白いはず!と期待し過ぎたのかも。「クール」は純粋なお仕事小説ではないけれど、ゑいさんの人柄がクールで良かったです。伊坂さんの「彗星さんたち」は、他の作品の内容を取り入れているところが上手いですね。

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    2015年01月06日
  • エール!(3)

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    「何番目くらいだといいんでしょうか」
    「千番目くらい?」

    わたしにこの切り返しはできない。
    でも、それくらいがちょうどいい。
    わたしが一番大変、わたしだけが大変、と思うのは簡単だから選びたくなるけどね。

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    2014年09月22日
  • 深山に棲む声

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    今、昔、おとぎ話として章ごとに時間軸がずれるけれど最後に集約されて謎がとけた。ファンタジーだけどミステリ要素もある。

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    2013年05月23日
  • 深山に棲む声

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    いつもの、連作方式かと思いきや、まあ、そうなんですけども、ちょっと仕掛けがしてあります。
    そして、相変わらず、その二人の馴れ初めくわしく!みたいな焦らし放置も多い。余韻というものなんで、仕方ないですが。
    最初の気味の悪さとか、えぐさとか好きかな。

    最初に出てきた可愛い子がこーなっちゃうのかよ!みたいなところも大河ロマン。

    昔のよきジュブナイルな感じがします。
    けれど、性的なことは生々しいので、中学生以上推奨。

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    2013年05月06日
  • FOR RENT――空室あり――

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    19歳の少年が、死んだ母親の残した言葉により自分の知らない過去を探しに、かつて住んでいたアパートへ向かう。そこで徐々に露わになってくる、忘れられた、捨てられた過去とは・・・。過去の自分のルーツを捜し求める少年の姿を連作短編風に追った作品で、とても読みやすくはあったのですが、会話主体、主人公(少年)ではない人の視点も多いので、本筋についてもう少し描写がほしかったように思いました。後半にほとんど思い出した!という流れや独白だけで真実が開けていくのが急すぎてもったいない気がしたのです。
    少年と同居していた女性については・・・ちょっとどうなのか、といろいろな面で思うことが多かったですね。真相を知ると余

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    2013年01月20日
  • FOR RENT――空室あり――

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    19歳の青年が自分の過去を辿る。母と姉、そして祖父と祖母、実の父親が絡んだ事件の真相に迫る。かつて住んでいたはずのアパートの訪ね方が面白い。
    強引な終わり方かもしれないが、楽しめた。

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    2012年11月25日
  • 千年の黙 異本源氏物語

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    面白い……はずなんだけど、なんだろう。
    とにかく琴線に引っかからないとしか言いようがない……。
    読んで半月しか経ってないんだけど、
    中身もほとんど思い出せないという。

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    2012年04月15日
  • 千年の黙 異本源氏物語

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    ネタバレ

    自分が書いたものが広まっていく怖さ。物語の内容に迷う姿。紫式部が本当にこんなふうに源氏物語を描いていたのかもとうれしくなる。

    「後の世のことは、神仏でもない身にはわからないもの。ただね、自分の心はいつわらないようにしよう。あとは自分に子供が生まれたら、その子にだけは誇ってもらえるようにしよう、と。」

    たわいないような事件が絡み合って、道長の人柄や彰子の人柄がくっきりしてくる。そして、実は!源氏物語に欠巻が?という大事件。
    こんな疑惑を知らなかったので、かなりショック!
    私、源氏やったはずなんだけど。。。こま切れな読み方だったから?

    登場人物が魅力的であっと言う間に読める。あてきの恋。元

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    2015年04月01日
  • 千年の黙 異本源氏物語

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    ネタバレ

    道長から定子入内を支える女房として出仕を促されている紫式部(藤原香子)が女童のあてきと共に、その洞察力で周辺で起った謎を解き明かすミステリ。藤原道長、藤原実資、中宮定子、彰子、清少納言、藤原宣孝、賢子、定子などが出てますが、どの人物も活き活きと描かれてます。

    3編の短編から構成されていて、第一部では定子が飼っていた猫の行方を推理するもの。推理しつつ人間関係の紹介、みたいなお話。香子と宣孝の円満な夫婦仲(才気煥発な妻を自慢する宣孝とか)、あてきの初恋、利発なまだ幼い定子、野望あふれる道長の動向、帝の一の人と称されながらも政治的に微妙な彰子の立場(でも定子はこの年上の美しく賢い従姉妹にあこがれて

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    2011年06月04日